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穴澤 | 昔飼ってた犬って 味噌汁にご飯、 じゃなかったですか? |
糸井 | 残飯でね(笑)。 |
穴澤 | むしゃむしゃ毎日、 なんか俺らが見ても ちょっとうまそうな感じの 残飯をうまそうに食ってたし、 長生きもしたのに。 |
糸井 | あれ、基本的には 長生きしてないんだそうです。 |
穴澤 | あ、そうなんですか! |
糸井 | うん。やっぱり犬の余命は |
穴澤 | (笑) |
糸井 | 「昔の犬は」って言うけど、 ちゃんと調べると、 大体そんなに長く 生きてなかったでしょって言われると ‥‥確かにね。 |
穴澤 | でも、うちの一番最後に飼ってた、 三河犬のテツのあとに飼ってた犬は、 15年ぐらい生きましたよ。 |
糸井 | あ、そうですか(笑)! |
穴澤 | はい。本当に毎日 おばあちゃんが味噌汁とご飯。 富士丸とか、 ちゃんとしたのを考えてあげてるのに 下痢するじゃないですか。 あの犬は下痢なんか1回も したことなかったです。 なんか気合が違いますよね、 昔の犬と。 |
糸井 | 寒さとかの対処も違いますよね。 だって、俺自身が 部屋に氷の張る部屋にいましたから。 |
穴澤 | ああ、そうなんですか(笑)! |
糸井 | うん。昔の日本家屋だとか、 学校だとかって、 金魚鉢の金魚が 氷の下にいたんですから。 そこで俺らがはだしで 走り回ってたんだから。 |
穴澤 | そうですよね。 やっぱり弱くなってるんでしょうね。 |
糸井 | 人も犬も、体内に上手に微生物が 安定していたんじゃないですかねえ。 |
穴澤 | かもしれないですね。 寄生虫博士の藤田紘一郎さんの 本で読んだことがあるんですけど、 やっぱり昔の ほどよく不潔な状態っていうのは 人を強くするって。 |
糸井 | ですよねえ。 |
穴澤 | だって、インドネシアとか行ったら、 いまだに花粉症なんかいないらしくて、 肌とかツルツルらしいんですよね。 |
糸井 | だって、腸内の微生物が 人間1人1キロあるって いうんでしょう? |
穴澤 | あ、そうなんですか?! |
糸井 | うん。で、牛の微生物は もっとたくさんいて、 それが全部彼らの 蛋白源だっていうわけだから。 |
穴澤 | しかも、その微生物がいないと 消化できないものとかありますもんね。 |
糸井 | だから、コントロールできると 思ってることじたいが、 その次のコントロールのもとに なっちゃって──。 穴澤さんは魚を飼ったことあります? |
穴澤 | 少しだけあります。 |
糸井 | 僕、バス飼ったり ナマズ飼ったりしてたんですよ。 |
穴澤 | あ、ブラックバスね、はいはい。 |
糸井 | 面白いんですけど、 大体失敗するのは 水をコントロールしすぎるんです。 で、売る側は、 「あ、それだったらこれがいいですよ」 つって、変な薬とか いろいろ売るんです。石とか。 大体全部使わないほうがいいですね。 |
穴澤 | ああ、そうなんですか。 ブラックバスってあれですよね、 金魚とかやると ガブーッとやるんですよね。 |
糸井 | 飼ったことあります? |
穴澤 | あります。釣って帰って入れて、 おばあちゃんが飼ってた金魚鉢が、 もう金魚がいなくなって、 水、カラだったんです。 それを使っていいものだと思って 水入れて、ブラックバス入れて、 餌用の金魚を買ってきて、 親父と二人でガブーッとやるのを 見てたんですよ。 で、次の朝起きたら、 バスがいなくなってたんです。 金魚だけになってて。 親父が「ごめん。おばあちゃんが 捨ててもうた」と言って(笑)。 バスを前のドブに捨てたと。 金魚を餌にするのが 残酷だというんだけど、 前のドブに捨てたバスは どうなんだ?! って。 |
糸井 | おばあちゃんには、 金魚のなかに 人間が入ってたんだね(笑)。 |
穴澤 | そうなんですね、多分。 だから僕、その水が悪いとかいう前に おばあちゃんに捨てられたので、 よく覚えてないんです。 |
糸井 | けっこうナマズもそうだし、 いろんなものを見てたんだけど、 水を上手にコントロールしてるつもりが 全部バランス壊して、 微妙なところからダメになるんですね。 それはもう本当に、何もしないことの すごさをつくづく感じますよ。 |
穴澤 | ですよね。 |
糸井 | だから、犬を飼うときも、 その水槽のことは覚えてますね、 何となく。 |
穴澤 | ああ、あまり何かを‥‥。 |
糸井 | しちゃダメなんだって。 |
穴澤 | よく今サプリとか粒であげるのが あるみたいですけど、 僕はそういうのは できるだけあげないようにしてます。 納豆とか煮干とか プレーンヨーグルトとか、 そういうのを食べさせて。 |
糸井 | そういうの食べてるんだ。 |
穴澤 | 納豆食べないかと思いきや、 すごい大好きみたいです。 |
糸井 | つまり、あげていいご飯っていうか 食物は決めてるってことですよね。 |
穴澤 | そうですね。 肉はできるだけ少なくしますし。 |
糸井 | 納豆なんかをあげると、 例えば穴澤さんが食べてるときに ほしがらないですか。 |
穴澤 | ああ、ほしがらないです。 僕がご飯食べてるとき、 そこのものを取ろうとしたら 殺されるくらいに 思ってますから(笑)。 |
糸井 | うちは教えなかったんだけど、 ほしがらないんです。 |
穴澤 | それは頭がいいですね。 |
糸井 | 自分も知ってる肉とか 大好きなものがあると、 そばまでは来るんですけど、 ほしがらないで、 どうするかっていうと、 自分のおやつの場所に行って、 「くぅん」(笑)。 |
穴澤 | (笑)そっちに入れてくれと。 |
糸井 | で、そこで煮干を もらってということですね。 じゃ、お互いに、いい犬(笑)。 (落ち着いているブイヨンと 富士丸を見て) 両方がなんか安定したね。 富士丸はブイヨンが もし近づいてきても、 眠いときには無視できるんですか。 |
穴澤 | 多分大丈夫だと思うんですけど。 |
糸井 | 猫とかについてもそうなんですか。 |
穴澤 | 猫は大丈夫なんですけど、 向こうが嫌いなんですね。 バーッとやられる。 よく襲われてます。 やめときゃいいのにワーッと行って、 シャーッとやられて(笑)。 |
糸井 | 羊の面倒見るのと同じように、 きっと猫も面倒見ようと 思うんじゃないですか。 「さあ、皆さん」なんて。 |
穴澤 | ものすごい一人っ子の、 いや、末っ子っぽい 感じがするんですよね、見てると。 なんかもう甘えて。 |
糸井 | とんでもないとこから もらわれてくるときから 引っ込み思案だったみたいですね。 |
穴澤 | そうなんです。全然ちっちゃい犬で、 気が弱くて。 |
糸井 | カメラ向けると、富士丸は ちゃんと自然にしてますか。 |
穴澤 | そうですね。 (カメラを向ける) |
‥‥(じっとカメラを見る) | |
糸井 | あ、してる、してる。 カメラ目線してる。 ブイヨンはね、カメラを正面から 向けると、大体ね、避ける。 |
穴澤 | ああ。怖いのかもしれないですね。 富士丸はもう慣らしてるので。 とくにこっち見たからといって 何かあげてることもないんですよ。 餌で釣ってるわけでもないんで。 |
糸井 | そうですか、そうですか。 富士丸はやっぱり若々しいですね。 |
<続きます> | |
2007-02-16-FRI |