作家はまじめに「プロポーズ」したけど、
編集者は、いちどは断った。
一冊のギャグ漫画本が生まれるにあたり、
漫画家と編集者との間に、
どのようなやり取りが交わされたのか?
読者の側にはわからない、
一冊の本の裏側の「真剣勝負」について、
当人同士に語っていただきました。
もちろん、ここで紹介するのは、
ひとりの漫画家とひとりの編集者による、
ひとつの「場合」。
旗の台の街を歩きながら、
断片的に交わされた会話を繋ぎあわせて、
全3回として、おとどけします。
担当は、「ほぼ日」編集者の奥野です。
どういう人が、この本を楽しむのだろう。
つねに新鮮な笑いを求める
飽くなきギャグ漫画好きは、もちろんだ。
担当編集者の村井光男氏のように、
そこここに秘められた
詩情や文学性を愛でる向きもあるだろう。
大喜利選手には悔しい一冊かもしれない。
そんなある日のこと、小学2年の娘が、
私の『夏がとまらない』に、
大量に「ドッグイア」をつくっていた。
「好きなページを折っている」
折ったページの何が好きかと問うてみた。
「顔」
なんと、ギャグの意味がわからなくても、
漢字が読めなくても、
「おもしろい顔が好きな小学2年生女子」
の笑いのツボに、ビンビンひびいていた。
おそるべし、藤岡拓太郎の世界。
(藤岡さんご自身は、
子どもにウケると非常に嬉しいそうです)
ギャグ漫画家。
1989年5月31日大阪生まれ、大阪在住。
2014年から、TwitterやInstagramで
1ページ漫画や短編漫画を発表。
笑いと映画とラジオと大相撲が好き。
2017年9月、
1ページ漫画をまとめた初の単行本
『藤岡拓太郎作品集 夏がとまらない』
(ナナロク社)を刊行。
ホームページは、こちら。
1976年東京都生まれ。
株式会社ナナロク社代表取締役。
新卒で出版社に就職するも3年で解雇となり、
成り行きで設立した個人出版社も2年で頓挫。
その後、
復職した出版社が倒産したのをきっかけに、
2008年、ナナロク社を設立。
谷川俊太郎詩集『あたしとあなた』、
川島小鳥写真集『未来ちゃん』など、
これまでに約60冊を刊行。
近刊に木下龍也、岡野大嗣の共著歌集
『玄関の覗き穴から差してくる光のように生まれたはずだ』、
森栄喜写真集『Family Regained』がある。
ナナロク社のホームページはこちら。