大会2日目、鶴沼球場、第2試合。 鶴沼球場にどう行けばいいのかは 鶴沼球場の最寄り駅は只見線の会津坂下駅。 なので、会津地方の交通起点になってると すいません、鶴沼球場に行きたいんですが、と。 駅の案内所に入ってみると バッグを持ってその人が出ていったあと、 タクシー乗り場の前で挨拶する。 行き先を告げて走り出すと、 相双連合ですか? と訊いたと思う。 へぇ、と激しい興味を覚えたときには、 ぼくは以前、そういうことをしていた経験があるので、 スズキ すごいですねぇ。 スズキ ああ、神奈川ですか。いいなぁ。 スズキ 印象に残ってる選手とか、います? スズキ 江川。 スズキ あー、ぼくは観てないんですよ。 スズキ 高2の夏がいちばん速かったって聞きますね。 スズキ へぇぇ。 スズキ はい。銚子商業。 スズキ そうですか。 スズキ 田村投手。 スズキ 磐城高校。 スズキ |
相双連合対喜多方高校 |
まさに、甲子園談義に花を咲かせながら、 駐車場が報道関係の車でいっぱいで、 降り際、スズキさんに名刺を渡して、 最後に名字だけ教えてくださいと言うと |
もしも、ぼくがそういう年齢になって、 さて、目を転じると、鶴沼球場。 |
この日の第一試合は、 新地高校は、時間があれば 一方の会津農林は部員数48名、 途中経過をのぞくと、4回を終わって15対3。 |
球場の周りは報道陣をはじめ、 やがて第一試合が終わり、 照りつける陽の下を、たくさんの人が行き交う。 「先生、ひさしぶり!」 見ると、応援団の一行のなかに ああ、そうか。 「よぉーーー」「元気?」「どう?」 見れば、あちこちに再会の場面がある。 喜びの悲鳴をあげて、ぎゅっと抱き合う女子生徒たち。 |
震災も原発の事故も、あまりにも唐突で、 |
相双連合の四番を打つ中村公平くんも |
試合の開始時刻が近づく。 |
震災があちこちに影を落とす複雑な状況のなかで、 喜多方高校のナインはどういう気持ちだろうかと |
そして、午後2時。試合がはじまる。 |
サードは相馬農業から、八巻くん。 |
ショートは富岡高校の中村くん。 |
さぁ、プレイボール! |
ヒットと守備のミスもあり、 |
守備の要、キャプテン遠藤君の強肩で |
さらにヒットを許し、この回、3点を失う。 |
しかし、またしてもピンチを救ったのは |
1回裏、相双連合の攻撃。 |
その後も得点を重ねられ、 |
7点差をつけられて迎えた4回裏。 |
先頭の大山くんがフォアボールを選び、 |
ワンアウトを取られたあと、 |
しかし、あと1本が出ない! |
5回表、はじめて林くんが |
5回裏、喜多方の先発須藤くんは、 |
5回裏、相双連合、無得点。 |
逆に、疲れの見え始めた林くんは |
しかし、このままだと、コールドゲームだ。 |
ややサイド気味のフォームから |
6回裏、じつに、三者三振! |
6回を終えて8対0と喜多方高校リード。 野球ファンとして忘れず記しておきたいことは、 まず、ふたりのピッチャーがすばらしい。 |
右足がすーっと低く伸びてくる。 喜多方高校のよさは単に投手陣の充実に限らない。 |
また、喜多方高校は控えのメンバーが |
打っているときも、守っているときも、 |
そんなわけで試合は完全に喜多方高校のペース。 さあ、7回裏だ。 「ランナーをためろ! いいな!」 そうだ、とにかくランナーをためないと。 打席にキャプテンの遠藤くん。 |
しかし、三振! ワンアウト。 しかし、せめてヒット1本、とぼくは願う。 |
打席に四番、中村くん。 どうなったと思う? |
どうなったと思う? |
相双連合、初ヒットがホームラン。 |
「ホームラン」というのは 打球がスタンドへ入った瞬間、試合は止まる。 ホームランを打った人が この一周のあいだ、試合は彼のためだけに動いている。 つまり、ホームランを打った人は、 プロ野球でホームランを何本も打つような選手は、 しかし、高校野球において、多くの場合、 |
高校球児は試合中、 |
高校球児がホームランを打ったのに、 |
はやくみんなのところに帰って、 |
そして、その後に起こった小さなドラマも |
ツーアウトとなったあと、 |
根本君もセンターへヒット。 |
喜多方高校のキャッチャー、 |
2年生の渡辺くん、空振り三振。 相双連合の短い夏は終わった。 |
両チームの健闘に大きな拍手。 |
そしてもうぼくには書くことがない。 |
残念でした。 服部監督 大会歌を聴きたかったですね。 服部監督 最後のホームランがすばらしかったですね。 服部監督 はい‥‥‥‥。 服部監督 ‥‥どんなチームでした。 服部監督 ありがとうございました。 |
この日のために駆けつけた |
そして、光南高校から贈られた |
負けたチームから勝ったチームへは 喜多方高校の選手たちが 彼らは「ナイス・バッティング!」と言った。 |
そして最後のミーティング。 |
服部監督 誰がやっていったかっていうんじゃなくて、 ただ何にもやらないで、負けただけではない。 ほんとにな、7回の練習ごくろうさまでした。 |
服部監督は女子マネージャーを含む、 |
ホームランボールを手に、 最後の夏の、最後の試合の、最終打席で、 そんなことって、あると思う? |