ワークショップの濃密な空気
この日のワークショップ後半は、
体を動かしながらの考察です。
ベテラン俳優のお手本をみながら、
あからさまな“演技”とは違う心と体の使い方を
様々に試します。
「心から広がったものが、
ことばとなって露呈する。出すんじゃない」
「秘めたものを充満させて動く」
「身体的イメージをもった上での一足(いっそく)は、
ただの一歩とは違う」
一筋縄ではいかない指示を受けて、
俳優さんたちは仁王立ちになったり、
大きく歩みだしたり、不思議な音をだしたり、
床をはったり、全身で格闘します。
3時間ほどのワークショップは、
開放感、緊張感、信頼感、高揚感‥‥
さまざまなものが入り交じった濃密なものでした。
プロジェクトが動き出したこの日、
カクシンハンのみなさんに、
「ハムレット」を演じるとは何か、聞いてみました。
河内大和さん
ハムレットは狂気をまとって、
人間の深部に切り込んでいく。全員とむき出しで対峙する。
むき出しのハムレットであり、むき出しの河内大和になる。
真以美さん
ハムレットは「自分がどこからきた何者なのか」
という問いを突きつける。魂のぶつかりあいにしたい。
岩崎MARK雄大さん
「ハムレット」に「芝居は社会をうつす鏡だ」
というセリフがあります。
「今これを演じる意味とは?」という本質を考えるのが
ハムレットを演じるたのしみでもあります。
ワークショップの締めくくりに、
木村さんは全体に向けてこう言いました。
「なにかが始まった気がします」
それが、これからどう育っていくのか。
ここで始まったものが、4月15日、
いったいどんな実を結ぶのか。
一緒に目撃したいですね。
(おわります)
2018-2-23-FRI