ーー | 尾崎さんの活動が広がっていくなかで 協力してくださる方も ずいぶん増えたんじゃないでしょうか。 |
尾崎 | そうですね。 「これをしたらこれができる」と 計算してやってきたんじゃなくて、 必死にいろんなところを駆けまわっていたら だんだんネットワークができてきた、という感じです。 |
ーー | ナンパも、見事に活かされましたし(笑)。 |
尾崎 | あの方と高松駅で出会ったときは、 パリの家に泊めてもらったり イベントを手伝ってもらったりなんて 全く想像してなかったんですけどね。 なんだか自分が蒔いていた種が ちょっとずつ実になって 知らず知らず枝から落ちてくるような感じです。 ブロガー招へいツアーにしても、 「何月何日から欧州人が来るので、 ご協力をお願いします」と言ったら、 通訳を手伝ってくれる人や、 車の手配を手伝ってくれる人がいて、 すごく助かっているんです。 ただ、それでも、プランを組んだり 宿や食事を無料にしていただいたりという交渉は 私が一人でするしかありません。 1回無料にしてくださったからといって、 2回目も、というわけにはいかないですから。 改めて企画書を持って行って、 相手に納得していただく。 |
ーー | それは大変ですね! また一から協賛企業を探されるんですか。 |
尾崎 | そうです。毎回、一からなんです。 だから、フランス語の非常勤講師の仕事を しているとき以外は、 新しい企画に追われています。 1週間とか2週間のイベントをするのにも 準備に1年間かかります。 企画を立てて、 後はひたすらお願いまわりをしているんですけど、 その中で、ネットワークがどんどん広がるのを感じます。 四国に招いたフランスのブロガーたちが 次のジャパンエキスポのときに パリで宿を提供してくれたり、 ブースを手伝ってくれたり‥‥。 |
▲広がるネットワーク。遍路仲間たちと。 |
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ーー | 本当にひとつひとつが つながっていっているんですね。 岡山大学に行かれたとき、 もっとさかのぼると、 フランス語を勉強していたときと 状況がずいぶん変わったのではないでしょうか。 |
尾崎 | そうですね、 3人の子どもと主人しかいないところにいたのに、 幼稚園にフランス人がいて、 ほんのちょっとドアがひらいて、 で、そこからまた大学院に行って またドアがひらいて‥‥。 だから、どんどんドアを ひらいていっている感じです。 |
ーー | ドアをひらいている。 |
尾崎 | 最初から何かを目指して やっているわけではないんです。 目の前にドアがあって、それをあけると、 「あぁ、この人が待っていてくれたのか」 みたいな。 やっぱり自分の「思い」というのがあって、 直球で投げられることさえできれば キャリアも肩書も経験もいらないんだなと。 |
ーー | お話をうかがっていると、 本当に何でもできるんだなって 思えてきます。 「こんな年になっちゃったし、遅いし」とか 「家庭に入ったら再就職なんかできない」 という声をよく聞きますけど、 そんなことないんだなぁって。 |
尾崎 | ええ。そうですよ。 私みたいな、ひとりの主婦が こんなことをしているということは、つまり これは誰でもできるっていうことなんです。 私だって、妻とか嫁とか母とかを全部はずして 一体自分は何なんだと考えてみると 本当は何もないわけです。 「どうしたらいいんだろう」と考えるのをやめて、 とにかく人に会いに行って、 「こうしたいんだ、ああしたいんだ」と言ったら 道がひらけてくるんですね、不思議と。 |
ーー | 動くことで、道がひらけてくる。 |
尾崎 | はい。 できないんじゃなくて ‥‥やるかやらないかという感じです。 |
ーー | これからも、 どんどん広がっていきそうですね。 |
尾崎 | そうですね。 今までやってきたことは わりと泥沼を這っているような 作業が多かったんですけど、 ようやく自分自身が満足感を得られるような仕事が これからできるかも、と思っています。 たとえば今は、パリで 四国の映画を上映する企画を考えています。 |
ーー | 映画ですか? |
尾崎 | ええ、あの鉄ちゃんのクロードさんは、 日本映画にも詳しく、パリなどの映画館で 月1回、日本映画の自主上映会を開催しているんです。 そこで四国の映画を上映できないかという話が 持ち上がっているんです。 といっても、こっちも、むこうも お金がないですし、 版権もいろんな会社が持っているわけです。 ダメになるかもしれませんけど、 とりあえず前向きにやっています。 |
ーー | すごくおもしろそうですね。 きっと尾崎さんのことだから、 単に「上映会」だけにはせず、 同時にいろんなことをなさるんでしょうね。 |
尾崎 | ええ、もちろんです。 これ以外にも『ZOOM JAPON 四国特集号』など 四国のPR企画を考えています。 実現するかどうか、楽しみにしていてください。 |
ーー | ものすごく楽しみです。 今日は本当にありがとうございました。 (おわりーー尾崎さんの活動は、まだまだつづきます) |
<取材を終えて> | |
四国夢中人の活動について |
2014-06-27-FRI