「はだか」の作品。 アンリ・ベグランさん、福森雅武さんと、 伊賀の「土楽」で。
 
その10 ほら吹きと忍者と、王様と。      ぼくたちはみんな裸で生きている。
アンリ もし、われわれが、
世界の将来のことを
決められるのであれば‥‥。
福森 と思わんとねぇ、
世界をリードできない。
アンリ ファンタスティック。
世界を変えることができたら、
まちがいなくもっともっと‥‥。
福森 そりゃもう、こんな文化をね、
何が心のつながりかという
文化を考えていったら、
政治なんてくそ食らえです。
なぁ!
これはもう、
糸井さんが一番よくわかってる。
糸井 一番言いたいのはそれです。
福森 政治なんてへったくれもないんです。
政治家に、なぜ託して、
なんであてにしなきゃなんない。
そんなおかしなことないよ。
アンリ (感激しながら聞き)
こういう出会いっていうのは、
生まれたときからの
予定だったんじゃないですか。
糸井 ほんとですね。
アンリ こういう機会を与えてくれて、
ありがとう。
ほんとにありがとうございます。
糸井 こちらこそ。
アンリ ぼくはなんでもない人間なのに
この場を‥‥。
ありがとうございます。
福森 いや、みんなそう。
みんなそうなの。
みんななんでもないんだよ。
糸井 だって「ほぼ日手帳」は
“なんでもない日、おめでとう。”でしょ。
福森 そう。なんでもないんだけど、
何かしようとしてる。
糸井 ほら吹きと忍者ですから。
アンリ え、ぼくはなんなの?
糸井さんがほら吹きで、
福森さんが忍者だったら、
‥‥それで得たものを
ぼくが持っていく!
糸井 いちばん悪い(笑)。
福森 さらに悪い(笑)。
糸井 それの名前をキングって言うんだよ。
王様がみんな取るんだから。
三浦 裸の王様。
糸井 いいですね。
泥棒もかなわない。
福森 飲もう飲もう。
アンリ みんなぼくたちは裸なんだよ。
糸井 今日は裸の話だね。
福森 裸はいいね。
糸井 大浴場ですね。
糸井 三浦さんって、
まだものすごく若いじゃない。
いまいくつだっけ?
三浦 40です。
糸井 ちょうどか。
40からたのしいんだよね。
アンリ ふふふ、40歳ってことには
問題があるね。
一同 (笑)
糸井 40歳は高校生だからね。
シモーネ 40代が大変ってことですね。
糸井 ほんとにだって、その後
わかったことだらけだもん。
福森 これからこの男はね、いっぱい、
いっぱい、お金も出して、
いっぱい、勉強しなきゃならないからね。
お金だけが問題じゃないけど。
三浦 はい。
シモーネ アンリさんも40代のときは、
同じような経験をしましたので。
60代になったらアンリさんと
おなじ人間になれますよ。
福森 この人はこの人の人生があるんだけど、
その中で、ちょっと、おもしろいことが
一緒にあるかなぁ、
というところがいいわけよ。
で、わたしはこれから追い出される。
糸井 小さい家をつくって。
アンリ 結局そうならないでしょう。
すばらしい奥さんがいらっしゃるのに。
福森 いやいや、そうなります。
わたしはなります。
わたしはわたしになりたいから。
わたしはわたしに帰りたいから。
糸井 すっかりお酔いになられて。
思ってもみないことを。
福森 そうそう、そうそう。
だけど、本音だから。
一同 (笑)
アンリ ほんとにぼく泊まっちゃうよ。
福森 いいよ。
ふみこ
さん
いいんですか。
福森 わたしとこはね、全部歓迎だ。
アンリ 木の下でもぜんぜん構わないですよ。
ここにいるだけで心が豊かになります。
福森さん、何月にお生まれになったんですか。
福森 2月。
ふみこ
さん
アンリも2月なんです。
福森 おおー。
アンリ おなじ血が流れてるんじゃないかと。
ふみこ
さん
愛し合ってる感じですね、もう。
福森 さあ、さあ、
もっと飲みましょう。
  (そうとう、みなさん酔っ払ってきました。
 宴はまだまだつづきますが、
 このへんで座談会の採録はおわりにしようと思います。
 どうも、ありがとうございました!)
2010-09-14-TUE
 
(C) HOBO NIKKAN ITOI SHINBUN