ほぼ日 |
じつは今日、
ちょっとおみやげをお持ちしてまして‥‥。
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正造さん |
ああ、それはそれは、
かえってほんとうに申し訳ないことで。
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ほぼ日 |
いえいえ、そんな。
あの、
わたしたちは、
手帳をつくっているんですね。
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正造さん |
ほぉ、手帳を。
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ほぼ日 |
日記ではないんですけれど、
1日1ページになっている手帳です。
こういう物です。
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正造さん |
ほぉ、ほぉ。
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ほぼ日 |
1日に1ページという意味では、
すこし日記に似ているのかもしれません。
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正造さん |
ほぉ、1日1ページの手帳。
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ほぼ日 |
はい。
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正造さん |
なるほど、こういうふうな‥‥。
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ほぼ日 |
拝見している正造さんのノートとは、
だいぶ違いますし、
正造さんの場合、
1日1ページとも限らないようなので‥‥
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正造さん |
あればあるだけ描くので、
1日1ページではないです。
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ほぼ日 |
はい。
なので、メモのようにお使いいただければ。
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正造さん |
俺、これは、いらねぇ。
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ほぼ日 |
あ、そうですか。
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正造さん |
メモは、こういうのを使ってるから。
広告の裏側とか。
そこさある‥‥(取りに行って戻る)
‥‥ほら、これがメモ。ね。
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ほぼ日 |
おー、なるほどー。
見せてもらっていいですか?
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正造さん |
どうぞ、どうぞ。
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ほぼ日 |
‥‥こうやって日常のことを
細かくメモしたり、
スケッチしたりなさってるんですね。
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正造さん |
俺はそれでたくさんなんです。
こんなに立派な手帳にメモをするのは
もったいねぐて。
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ほぼ日 |
そんな、お気軽にお使いください。
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正造 |
いやぁ。
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ほぼ日 |
メモは、すごくされているんですね。
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正造さん |
する。
記憶っていうのは、なかなか。
昨日のことでも忘れてしまうから。
だから、かならずメモはとっとくの。
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ほぼ日 |
かならず、どんなこまかいことでも。
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正造さん |
そうです。
わたしの日記は、
2、3日分をまとめて描くこともあります。
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ほぼ日 |
そうなんですね、毎日とは限らず。
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正造さん |
そう。
その2、3日のあいだに、
なにがあったか思い出せねぇから。
だから、メモはとる。
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ほぼ日 |
ということは‥‥
57年間もつづけられたコツとしては、
「きちんとメモをとる」
ということは、あるのでしょうか?
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正造さん |
はて‥‥コツですか‥‥。
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ほぼ日 |
わたしたちは1日1ページの手帳を
つくっているんですが、
人によっては
「毎日そんなに書くことがない」
という場合もあるんですね。
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正造さん |
書くことなければ、書かなければいいです。
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ほぼ日 |
ええ、そうなんです。
たのしく使えていれば、
びっしり書かなくてもべつにいいんですよ、
ということはお伝えしてるんです。
でも、せっかく手帳が身近にあるのなら、
できるだけ親しくつきあいたいですよね。
三日坊主じゃなくて。
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正造さん |
うん。
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ほぼ日 |
そこで、
「たのしくつづける」ことの大先輩に、
つづけることのコツをうかがいにきたわけです。
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正造さん |
先輩っていうことでもないけど(笑)。
毎日書くコツですか‥‥。
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ほぼ日 |
はい。
ぜひ、メッセージをいただけますでしょうか。
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正造さん |
メッセージを‥‥わかりました。
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ほぼ日 |
お聞かせいただけますか。
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正造さん |
このカメラを見ながらしゃべればいいですか。
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ほぼ日 |
よろしくお願いします。
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正造さん |
書くコツっていうのは、
まず、「記憶より記録」ということです。
忘れないつもりでも忘れますから、
メモをとって、それをあとでまとめる。
そういうようなことで、
わたしはずっと、
がんばって書いておりますよぉ。
そういうことです。
あとは、そう、がんばることです。
「これで終わりだ」
っていうような、悲観的なのはダメだな。
前向きに。
死ぬまで描けるならば描いてみる!
そういうような覚悟でがんばってるわけさな。
人がなんと言おうと、
描けるうちは描いてみる。
わたしは、そういうふうに描いていますよぉ。
目が見えなくなるかもしれねぇ。
耳が聞こえなくなるかもしれねぇ。
でもいまのところは、
ちゃんと助けてくれる人もいるから、
日記を描くことができています。
ひとり暮らしだけれど、
ひとりではとてもできねぇ。
‥‥なんだか話が、
コツじゃねぇことになってしまいましたが、
そんなところです。
話がなかなか‥‥申し訳ねぇです。
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ほぼ日 |
いえ、ありがとうございました。
なんというか‥‥
とても大切なことをうかがえた気がします。
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正造さん |
だったらいいんですけど‥‥。
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正顕さん |
(見守っていた正顕さん、
ゆっくり歩み寄って‥‥)
わたしの親父もそうなんですけどね、
正造さんは「記憶より記録」っていうのを、
強い信念のように持っているんですよ。
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ほぼ日 |
そうなんですか。
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正顕さん |
だから、「記録魔」なんです。
ほんとにもう、なんでも書きとめて、
どんな写真も捨てないし。
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ほぼ日 |
そうですかぁ。
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正顕さん |
ほら、これとか、びっしり。
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ほぼ日 |
わああー‥‥すごい‥‥。
‥‥ん?‥‥あれ?
正造さん‥‥‥‥それは‥‥。
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正造 |
いやぁ、
わざわざ来てくださったんだから(描いている)、
ちょっとやってみようと思って‥‥。
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ほぼ日(山下) |
そ、それはぼくですね‥‥。
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正造 |
女の人も描かないと。
あなたは、青森は初めて?
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ほぼ日(甲野) |
はい、初めてです。
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正造さん |
秋田美人みたいだな(笑)。
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ほぼ日(甲野) |
出身は新潟です。
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正造さん |
ああ、新潟ですか、そうですかぁ‥‥。
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ほぼ日(甲野) |
わあ‥‥。
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正造さん |
カメラの人も、ちゃんと描きますよぉ。
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ほぼ日(田口) |
恐縮です。
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正造さん |
あなたも、いい男ですね‥‥。
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ほぼ日(田口) |
ありがとうございます‥‥おおー‥‥。
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正造さん |
こんあんふうに、ね。
あなたたちのことも
日記さ描くかもしれないから、
メモをとっておきましたよ。
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ほぼ日 |
ありがとうございます、光栄です。
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(つづきます!) |