「窓」は建物や風景の中の一部で、
あんまり主役になる存在ではないですよね。
その脇役の目線でいろんなことを見るだけで、
見え方が変わることって
こんなにたくさんあるんだな。
そんな体験ができる展覧会でした。
私が一番驚いたのはこの作品でした。
岸田劉生
麗子像(麗子五歳之像)
1918年
油彩・キャンバス
教科書にも出てくるとても有名な作品です。
教科書だけではなく、近代美術館さんで
実際になんども見たことのある作品です。
この作品は
「麗子を描いた肖像画」ではなく、
「額縁に入った麗子の肖像画を描いた絵」
なんだそうです。
「え!そうだったのー。」
心の中で叫びました。
そう思って作品と向き合うと、
今まで感じた感想と違った風に見えるから不思議です。
描かれている物に注目するのでなく、
窓=作品の枠に注目してみる。
作る側と見る側との境界。
描かれたものと見せられる側との境界。
そこに注目したらまた違った感じ方が出来る。
新しい見る方法を教えてもらった展覧会でした。