※会期途中で臨時休館になっていましたが、
6月9日より再開、
会期は9月22日まで延長されました。
【日時指定予約制】での入場です。
くわしくは公式サイトのご案内をご確認ください。
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展覧会のご紹介をする前に
お伝えしたい三菱一号館美術館の
好きなポイントがあります。
それは「室内の壁の色」です。
行ったことがある方はわかると思うのですが
くすんだグレーのようなピンクのような
なんとも言えない色をしています。
これが大好きなのです。
ふつう、美術館の壁というと白だと思いますが
この色だと、
なぜかはわかりませんが
かかっている作品が輝いて見える気がします。
見るお手伝いをしてくれる色だなと思うのです。
さて、本題の「画家が見たこども展」について。
印象派のつぎの時代、
19世紀末パリで前衛的なグループだった
「ナビ派」とよばれる画家たちの作品が並びます。
この時代は日本の絵画や工芸品が欧米に
影響を与えたといわれる、
いわゆるジャポニスムの時代でした。
今回はそのナビ派の画家が描いた
「子ども」をテーマにする作品ばかりが並びます。
「子ども」ってどんな存在だろう。
ただただ優しくて純粋、
生きる力そのもの、
いたずら好きで小悪魔っぽい、
いろいろな見方ができることを
むずかしくなく身近な視点で
捉えようとしたんだなと感じます。
私がこの展覧会で一番心を持っていかれたのは、
ピエール・ボナール美術館から来ている
ボナールの『乳母たちの散歩、辻馬車の列』です。
何番目かの展示室に入って
ふと振り返ったらこれが目に入った瞬間に
「うわぁっ」と心の声が出ました。
日本の影響もあるのか、
4枚のリトグラフが屏風になっています。
ギザギザと。
大きさも屏風サイズです。
ぜひ実物をみてほしい一作です。
手前の、走り込んできたような子どもたちと
奥に佇むおとなたち、
デザインチックに上部に並んだ馬車の列が
非常にうつくしく、たのしく
ボナールの「欧風浮世絵」とでも言えそうな
二次元で風俗的な絵を堪能しました。
もう一つは、やはりヴァロットンの木版画です。
イラスト的にかわいいだけで見ていられるのに
「えっ!これってどういう絵?」
と、あちこち謎が多くて
一筋縄じゃいかない系の作品たちです。
見ているうちにどんどん好きになってしまいます。
これは三菱一号館美術館の所蔵なのです。
借用品と合わせて、
豊富な所蔵品も織り交ぜて見せてくれる
三菱一号館美術館。
あらためて、ファンです‥‥!