※この展覧会は会期途中で閉幕いたしました。
また、会場の国立新美術館も現在休館中です。
くわしい情報は公式サイトをご覧ください。
「ブダペスト―ヨーロッパと
ハンガリーの美術400年」展は、
ハンガリー最大の美術館である
ブダペスト国立西洋美術館と、
ハンガリー・ナショナル・ギャラリーの
絵画、素描、彫刻などの名品130点を
見ることができる展示です。
両館の作品が日本で見られるのは
実に25年ぶり!だそうです。
そんなブダペスト展の
メインビジュアルとなっている作品
《紫のドレスの婦人》を
公式サイトではじめて見たときは、
思わず数秒間、
じっと見入ってしまいました。
真っ白なキャンバスだったとは思えないくらい、
絵の中には空間が広がり、
描かれた草木からは
照らされている日の暖かさを
感じることができます。
そんな風に絵を眺めながら、
高校生のときに、
授業で油絵を描いたことを思い出しました。
白いキャンバスに
絵の具の色を、重ねて、重ねて、
離れて見て、近づいて見て、
乾くのを待って、また色を重ねて‥‥
そんな地道な作業を繰り返しながら、
ただの絵の具の重なりは、
「絵」に変わっていくんだなあと、
当時、そんなことを思っていました。
画材ということから解き放たれて
空間や質感をまといながら
「絵」としての魅力を感じさせてくれる
ブダペスト展の絵画たち。
この筆使いを間近で見てみたい、と思いました。
ですが、私が気づいた頃にはもう遅く
国立新美術館で行われていたブダペスト展は
新型ウイルスの影響で、閉幕となっていました。
見に行けず残念に思っていたのですが、
公式サイトでは特別に
会場風景が公開されているようです。
お客さんがいない会場風景を見ていると、
美術館を貸し切ったような気分をすこし味わえます。
でもやっぱり
《紫のドレスの婦人》の紫色、
生で見てみたかったなあ。
またいつか、
作品たちと直接会える日が来てほしいなと、
心からそう思います。