高松次郎、若林奮、李禹煥と聞けば、
日本の現代美術を語る上で欠かせない3人。
これは!見に行くしかない!と
展覧会のチラシを見て気づきました。
みなさん同い年なんですね。なんと豪華な同級生!
影の作家の高松次郎、
金属彫刻の若林奮、
モノ派の李禹煥。
それぞれ代表的なキャリアとはまた違った
「版画」に焦点をあてるという点も
気になるポイントです。
この展覧会は、
4月18日から6月7日まで、
世田谷美術館で開催予定でした。
残念ながら、新型コロナウイルスの影響で
開催が中止になってしまい、
まぼろしの展覧会となってしまいました。
3人の同級生の競演をみることは出来ないし、
なぜ版画がテーマなのかの答えを見つけることが出来ない。
とがっかりしていました。
でも、開催に向けて準備されていた
美術館の皆さまの努力の軌跡の図録があります。
図録にはじめに掲載されている
館長さんのあいさつは、
「久しく熱望していた展覧会が、
こうしたかたちで実現するに至ったことを
率直に喜びたい。」
という一文ではじまります。
これだけの準備をするためには
どれほどの時間と労力かかったのだろうと
思うと胸が痛みます。
けれど、ここまでの用意があったからこそ
この1冊の本が手にすることが出来て、
行くことが叶わなかった展覧会の
作品をみることができました。
たくさんの作品の図版とともに、
学芸員さんによるとても丁寧な解説。
さらには、作家たち自身による
制作についてのことばがたくさん綴られています。
3人とも、版画には精力的に取り組んでいて、
版画を通して、創作の可能性を探り、
表現の幅をひろげたのですね。
図録読むことで、
私はなんとなく知ってるつもりでいた
3人の作家さんについて知ることが出来ました。
やっぱり実際に見てみたかったなー。
本当のところはそう思います。
だから、せめてじっくり読み込もうと思います。