ほぼ日カルチャん

誕生65周年記念 ミッフィー展

ミュージアム

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雪の日の一日を描いた美しい青

さゆか

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開幕が3ヶ月延期され、
首を長くして待っていた
誕生65周年記念「ミッフィー展」に
やっと、行くことができました。

まず、
会場となる松屋銀座に到着すると
大きなミッフィーちゃんのお顔が!

実はこれ、5年前の60周年記念展の際にも行われた
特別ラッピングなのです。
これを見て、
「ああ、銀座にミッフィーちゃんが帰ってきたんだなあ」と
興奮は高まります。
ぜひ、会場に入る前に
見逃さないでほしいポイントです。

▲入場チケットにはある仕掛けが‥‥

今回の原画展での一番の見どころは、
今まで1枚しか日本に来たことのなかった、
『ゆきのひのうさこちゃん』の原画が
はじめて一堂に会するというところです。

この作品は、ディック・ブルーナさんの
初期の4部作と呼ばれるうちのひとつで、
後期の作品がフィルムや色紙を使って
彩色されているのに対し、
『ゆきのひのうさこちゃん』は
ポスターカラーで塗られています。
ブルーナさんの筆さばきが目の前で見られる
大変貴重な作品です。

私は、
「うさこちゃん」シリーズの中でも
特に、この雪の日の一日を描いた作品が
一番好きです。

ブルーナさんの作品の特徴といえば、
“ブルーナカラー”と呼ばれる6色のみで
表現されているという点です。
そして、ミッフィーちゃんの背景に塗られる色は
常にミッフィーちゃんの「きもち」を
表しています。
赤は、お父さん、お母さんと一緒のときや、温かくて幸せなとき、
緑は、安心しているときや自然が描かれているとき、
黄色は、喜んでいるときや、楽しいとき、
そして青は、悲しいときなどで使われています。

『ゆきのひのうさこちゃん』では
ほとんどの絵の背景が
雪の白と、空の青で表現されています。
しんしんと降る雪、
はじめて見る白い世界、
楽しい雪遊び。
雪の日の静かな情景を描いたその青は、
他の作品にはない大事な役割を持っているなと思います。
寂しさや暗さではなく、
雪の神秘的な美しさが表現されているところがきれいで
大好きな作品です。

こんなに思いが溢れるのに、
まだまだ展示は序盤であることに驚きです。
この後にも、5つのお話の原画と、
ブルーナさんの創作のメモやスケッチ、
そして、ブルーナさんと交流のあった
日本の絵本作家、児童文学者、
翻訳家の方たちが明かす貴重なエピソードが
満載に展示されています。

“with”をテーマに構成された65周年記念展は、
大切な人と一緒に見たくなる、
そんなあったかい展覧会でした。
私は、
はじめてミッフィーちゃんの絵本を手にした
幼い日の私と一緒に展示を見ているような心地でした。

ブルーナさん、ミッフィーちゃん
ありがとう。

※入場には、
日時指定券の購入、
もしくは日時指定入場整理券の発券が
必要ですので、ご注意くださいね。

基本情報

誕生65周年記念 ミッフィー展

会期:2020年7月23日(祝・木)〜 8月10日(祝・月)
会場:松屋銀座 8階イベントスクエア

入場はすべて「日時指定制」です。
くわしくはこちらをご確認ください。

開場時間:10時~20時
(7月26日(日)、8月2日(日)は19時30分まで)
※最終日は17時閉場
入場は閉場の30分前まで

公式サイトはこちら