ほぼ日カルチャん

DOUBLE FANTASY – John & Yoko

ミュージアム

0131

ジョンとヨーコ

さゆか

0131

2020年は
誰にとっても忘れられない年となりました。
そんな年の最後に
私は展覧会場で『IMAGINE』を聴きました。
素晴らしい展示だったのでご紹介したいと思います。

ジョン・レノンの生誕80年を記念した展覧会
『DOUBLE FANTASY John&Yoko』展が
ソニーミュージック六本木ミュージアムにて開催中です。
ジョンと、妻のオノ・ヨーコの人生を
追体験するこの展覧会は
ビートルズ解散後のジョン・レノンの活動に
焦点をあてたもので
ビートルズの曲が好きな私にとっても
初めて知ること、初めて見る映像ばかりでした。

ビートルズが好きな人たちから
あまり良く思われていないヨーコのことを
私も先入観だけで
そのような印象を持ってしまっていました。
ですが、会場で数々のエピソードを読みその考えは変わり
その偏見こそが間違いなんだと
ジョンが正してくれました。

この展覧会を訪れ、
私はもっとジョンのことが好きになり、
そして、ジョンが愛したヨーコのことも
好きになりました。
”家庭”を知らずに生きてきたジョンが
ヨーコの存在ではじめて家庭を持つことができ
平穏な日々を手に入れることができたんだと気づき
胸が熱くなりました。

ハネムーンの代わりに行ったパフォーマンス「ベッド・イン」で使用されたギター

『GIVE PEACE A CHANCE(平和を我らに)』や
『POWER TO THE PEOPLE(人々に権力を)』など
ジョンが書く歌詞はとてもわかりやすいです。
それは、伝えたいメッセージが難しくないからです。
しかし、平等を祈り、平和を願うこと、
ただそれだけのことが、
一番難しくて、遠い道のりなのだと、
40年以上前のジョンの言動を読んで思いました。

しばし理想主義的で夢想家と言われてしまうジョンですが、
気持ちは隠さず、真っすぐで
やきもちも焼くし、皮肉も言うし、
それでいてヨーコのことをすごく愛していた。
世界中どこにでもいるカップルと同じように
ただ一人の女性を愛していたのだということがわかる
そんな展覧会です。

『IMAGINE(想像してごらん)』のなかで
ヨーコが窓を一枚一枚開けていくシーンがあります。
真っ暗だった部屋がどんどん明るくなり
ピアノを弾くジョンの姿が照らされていきます。
その様子が、ジョンを常に導いてきた
ヨーコという存在そのもののようで、とても美しい映像です。

『IMAGINE』は
世界が危機に見舞われるたびに各地で歌われてきました。
ピアノで静かに歌われるからこそ
そのメッセージ性が際立ち、今もなお色褪せることはありません。
会場で『IMAGINE』を聴き、
ああ、今こそジョンに歌ってほしい時だな…と
すこし寂しくなってしまいました。

自分で考えるより前に情報が目に入ってしまう現代で
想像力はどんどん薄くなっている気がします。
ジョンはもういないけれど、
残してくれたメッセージの数々を忘れずに、
「想像してごらん」と心のなかで唱えたいです。

最後、展示室を出たところに、
ヨーコの作品『Wish Tree』がありました。
短冊に平和への願いを書いて木に結びつけることで
誰でもヨーコの作品に参加できます。
こちらは、展示終了後にアイスランドにある
「IMAGINE PEACE TOWER」に永久保管されるそうです。
ぜひ帰りに、願いや思いを綴ってみてください。

会期は延長し、
2/18(木)まで開催されることになりました。
とても濃密な展示で私はみっちり3時間ほど会場にいました。
素晴らしい展覧会だったのでまた行きたいです。

出口を教えてくれるジョンのイラスト「OWARIMASU」

基本情報

DOUBLE FANTASY – John & Yoko

会期:2020年10月9日(金) ~ 2月18日(木)
会場:ソニーミュージック六本木ミュージアム

休館日:12月31日・1月1日

開場時間:
日~木曜日:10時~18時
金・土曜日:10時~20時
祝日:11月3日(火)、23日(月)10時~18時
1月11日(月)10時~20時
※最終入場は閉館30分前まで

チケットについて詳細はこちら

公式サイトはこちら