ほぼ日カルチャん

法隆寺宝物館

ミュージアム

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建物の裏にまわる。

モギ

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去年の秋くらいのある土曜日に、
このまま一日、ネットフリックスをみているのもいいけど、
なんとなくそれだと虚しくなるかもなとおもって、
とりあえず、上野の東京国立博物館に向かった。

でも、その時にやっていた特別展には入れなかったのだ。
というのも、このご時世というものは、
展覧会には事前予約が必要なのだ。
このことに、まだ慣れなくて、
人気のそれの枠はすべて埋まっていた。

仕方ないと言っては申し訳ないけれど、
正面入口入ってすぐの「表慶館」にはじめて入って、
開催されている展示を見た。
まじめな‥‥展示だった。

そして、表に戻ると思っていたら、
出口が表玄関ではなくて、
裏側に出ちゃうという順路だったのだ。
ちょっとびっくりした。

建物から、「ぺっ」という感じで
放り出されたところの目の前に、
すごく直線的な設計の池と建物があった。

金沢の鈴木大拙館によく似ているなあと思って
あとで調べてみたら、
同じく、谷口吉生さんの設計の建物だった。
自分で気がつけたのがちょっとうれしかった。

そこは、ほとんど誰も歩いていないようなエリアで、
看板が手前にあるわけでもなくて、
ほんとに、それが何の建物なのだかさっぱりわからない。
近づいていって、
ようやく「法隆寺宝物館」だということがわかる。

法隆寺宝物館? 法隆寺?
とおもいましたよ。
ここは東京、それは奈良にある寺では?
由来をみてみたら、
法隆寺から皇室に献納され、戦後国に移管された、
という宝物が展示されている場所だった。

一歩建物にはいって、
メインの展示室の手前に飾ってあるものをみて、
「こりゃ、大当たりだ」と感じた。
だって、迫力がもう段違いだったんだもの。

展示室に進んでみる。
美しい展示が目に入った。
時を経た仏像の湛えている雰囲気が
すばらしく心地よい空間を作っている。
ここに写真を貼り付けるけれど、
写真では伝えきれない凄みがある。

並んでいる仏像の一つ一つを丁寧に見ていって、
自分の面影のある仏像を探すのもたのしい。
もちろん、全体をながめながら
ぼんやりするのだっていい。

わたしは、手前のこの部屋だけで
帰ってきてもいいと思っているけど、
奥には、伎楽面の小部屋(週末のみ開放)と、
2階に資料室もある。

おまけに、人影が薄い。
こんなにすごい展示なのに。

もちろん、特別展のついでにいくのでもいいけれど、
展示物の力に圧倒されるので、
単体で観に行くほうがいいのではないかと思う。
うっとりと豊かな時間を持つことができる。

ヒマを持て余しているな、
というときに、上野に行き、
ぜひ宝物を堪能してください。

そして、ついでに、動物園に行くのもよし、
アメ横に寄るのもよし、です。
アメ横によったら、
ナッツとドライフルーツの老舗、
「小島屋」に、ぜひ。

基本情報

法隆寺宝物館

場所:東京国立博物館(上野)

公式サイトはこちら