※SOMPO美術館は、
6月1日(火)から
営業を再開します。
SOMPO美術館で開催中の展覧会、
「モンドリアン展 純粋な絵画をもとめて」に行ってきました。
ポスターにもなっているコンポジション作品が
印象的なモンドリアンですが、展示のはじまりは風景画です。
深く渋く落ちついた色で描かれた
自然ゆたかな田舎の風景がならびます。
順々に絵を眺めていくうちに、
日本の東京にいながらして外国の静かで自然ゆたかな地へ
旅行にきているような気持ちになっていました。
モンドリアンが描く風景には、
みる者にどことなくなつかしさを感じさせるふしぎな魅力があります。
日本の東京で生まれ育ち、
数回しかヨーロッパを訪れたことがない私なのに
どうしてこんなにもなつかしいのだろう。
自分のなかにわきおこってくる気持ちが
ふしぎでたまらず、考えながら進みました。
洗濯物が干してある絵の前に来たとき、
自分が感じているなつかしさの理由が
すこしわかった気がしました。
人や生き物がその画面には描かれていなくても、
その景色の先に、誰かが、なにかが、生きている様子を感じる。
それが、モンドリアンの風景画の特徴であり魅力かもしれません。
今回の展示は、モンドリアンが描いた順に展示されています。
オランダ、フランス、イギリス、アメリカと生活の地を移し、
出会う人たちから影響を受けつつ、自分の絵を
描き続けたモンドリアンの足跡をたどるように、
画風の変遷を味わうことができました。
深くて渋く、けれどあたたかさのある風景画にはじまり、
グッズにもなっている、やさしくて華やかな
パステルカラーが印象的な『砂丘』の連作を描いた時期、
そして、ぱきっとした発色のコンポジション作品へと、
まさにモンドリアンの人生をまるごと知ることができる展示会でした。
独特の色づかいや筆づかいまで臨場感たっぷりに
感じられるのも、原画にふれる醍醐味です。
モンドリアンというひとりの人と、
はじめましての方も、お久しぶりという方も、
ぜひ会いに行かれてみてはいかがでしょうか。