ほぼ日カルチャん

アイノとアルヴァ 二人のアアルト

ミュージアム

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ふたつの才能がひとつのブランドに。

いわもと

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※世田谷美術館は、
6月1日(火)より
営業を再開します。

フィンランド生まれの
世界的建築家「アアルト」。

住んでいた自宅が観光名所になっているほど、
フィンランドを語るときには欠かせない人物です。
そんなアアルトの展覧会が
いま、世田谷美術館で開催されています。

まずはじめにわたしが驚いたのが
「アアルト」は夫婦二人の名字であるということ。
ずっと、一人の作家さんの名前だと思っていたのです。

アイノ・アアルトとアルヴァ・アアルト、1937 年 Aalto Family Collection, Photo: Eino Mäkinen

漫画・オバケのQ太郎を描いた「藤子不二雄先生」が
コンビだったと知ったときくらい驚きました。

展覧会では
夫の「アルヴァ」と、妻の「アイノ」が
世界的建築家になるまでの25年間、
夫婦として、建築家として活動した期間の
作品や資料をみることができます。

わたしは、
アアルトの作品から感じていた
部屋に溶け込むような、
あたたかみのあるデザインの「正体」が
この展覧会で分かったような気がしました。

アアルトハウス リビングルーム Alvar Aalto Foundation

その正体とは、
「あらゆる階級に、
質の高い生活ができる住宅を実現したい。」
「インテリアデザインを通して、
人々に芸術や技術の意識を高めてほしい。」
などのビジョンを抱きながら、
二人がデザインをしていたということです。

食事、睡眠、遊び、安全、家族を
大切にできる空間が人々の生活には重要で、
与えられた空間のなかで、
考えながらつくればそれは実現できる。
誰でもよい暮らしが叶えられる。

そんなビジョンは実際には目に見えないけれど、
作品に溶け込んでいたんだなと思いました。

マイレア邸 リビングルーム Alvar Aalto Foundation

会場では、
二人が設計した作品や資料はもちろんですが、
夫・アルヴァが描いた、妻・アイノのスケッチや
家族アルバムもみることができます。

お互いの才能を認めあって
お互いに影響を受けながら
同じビジョンを持って歩んでいた二人。
この展覧会でいちばんすばらしい作品は、
アアルト夫婦の人生そのもののように感じました。

世田谷美術館に着くまでの道のりも、
なんだか北欧の森の中を歩いているようです!
フィンランドへ旅行するような気分で
アアルト夫妻に会いに行ってください。

基本情報

アイノとアルヴァ 二人のアアルト

会場:世田谷美術館
会期:2021年3月20日(土・祝)~6月20日(日)
開館時間:10:00~18:00(最終入場は17:30まで)
休館日:毎週月曜日(祝・休日の場合は開館、翌平日休館)
※5月3日(月)は開館、5月6日(木)は休館
※日時指定予約制です。
チケットの詳しい情報は、
公式ページをご覧ください。