GALLERY CLASKAで開催されている
フィリップ・ワイズベッカー氏の作品展
「PHILIPPE WEISBECKER / in sight」に行ってきました。
わたしがこの展示を知ったきっかけは、
2020年東京オリンピックの公式ポスターです。
なにかの催しを知らせるポスターをみて
ほっとするような安心感をおぼえるのは
はじめてのことで、とても新鮮な気持ちとして
わたしのなかに残っていました。
彼のほかの作品も観られることに
すこしドキドキしながら、
ギャラリーのある目黒へ向かいました。
今回の展覧会では、オリンピックのポスターの
原画と習作をはじめ、バックパックやプラスティックのカゴ、
虫叩きなどの身近な日用品、建物など、
さまざまな作品を観ることができます。
金属でできているようにみえるけれど
木片をカラーリングしたという、
ユニークな立体作品も展示されていました。
はじめは素朴な印象をうける作品ですが、
近づいてみると、緻密な筆致の迫力に驚きます。
また、ニュアンスのある色遣いも
観ていてあきない魅力があります。
そして、今回のもうひとつの見どころは、
「HILATURAS VINAS」という作品集です。
むかし、ワイズベッカー氏が
バルセロナのガラクタ屋さんで見つけたという
紡績工場を撮った古い写真のアルバムと
彼の想像力があわさってうまれた、
工場記録のような物語のある作品です。
はたらく人は描かれていないのに、ふしぎと
工場がうごいているあたたかい温度を感じました。
会場のGALLERY CLASKAは、
マンション雅叙苑の1階にある
こじんまりとしたギャラリーです。
すべての作品を観るのに、それほど時間は要りません。
それなのに、なんだかとても居心地がよくて
ゆっくりゆっくり歩いて、長居してしまいました。
作品を通じて、作者のやさしさや
人間味あるあたたかさにふれられた感覚が、
わたしはとてもうれしかったです。