無印良品 銀座店のなかにあるギャラリー、
ATELIER MUJI GINZAで開催されている
『CREATIVE IMAGINATION』展に行ってきました。
日本各地で古くから作られている郷土玩具を紹介した展覧会です。
無印良品で郷土玩具といえば、「福缶」です。
福缶とは、日本全国の郷土玩具が数種類ランダムに入った缶のことで、
毎年お正月に無印良品で販売されています。
この展覧会で知ったのですが、福缶のはじまりは2012年のお正月から。
震災後の東北を応援したいという思いから、
東北4県の縁起物を詰め合わせて販売したことからスタートし、
今年でちょうど10周年なんだそうです。
この展覧会では、その10年のなかで無印良品が紹介してきた
全国の郷土玩具を一堂に集めています。
この展覧会でおもしろかったのは、
玩具の実物の展示に添えられた4コマのキャプションです。
私たちの手元にやってくるまでに どのような工程を経ているのか、
どんな思いが込められているのか、
職人さんたちの存在に思いを馳せることができました。
手作りのものっていいなあ、とあらためて思います。
なかでも特にご紹介したいのは、こちらの一刀彫り。
「お鷹ぽっぽ」といいます。
私が、郷土玩具を本格的に好きになったきっかけの木彫りの彫刻で
山形県米沢市で作られています。
なんといっても、このくるくるとカールした羽根がほんとうに見事です。
下から上へと刃を入れて、ちぎれないギリギリの薄さを攻めていく、
繊細な作業です。
こういった玩具は縁起物とも呼ばれ、子どものすこやかな成長を祈ったり、
作物がよく実るようにと願ったり、作られた理由はさまざまです。
そういう信仰の対象でもあった玩具ですが、今こうして並べて見てみると、
とぼけた顔や、抽象されたゆるいフォルムに癒やされます。
「なくてはならないもの」ではないけれど、
こういう小さきものを愛でる気持ちは途絶えさせたくないな、と思います。
お正月、郷里や初詣などで
縁起物を目にする機会も増えるかと思います。
ちょっとでも「かわいいな」と思ったら、
ぜひ、展覧会へも足を運んでいただけたらと思います。
全国から集められた郷土玩具たちが見られるのは
2月20日(日)までです。