この映画がなんなのか、
何の前情報もなく観ました。

ただ、渋谷パルコの映画担当のかたに
これから公開の映画の中で
おすすめありませんか？と伺っている中で

「若い監督さんなのですが、
いい映画を撮られたんです。
とても良いのでぼくらも応援したくて。
ほんとにイイんです！！」

と、熱烈におすすめしていただいた
のがきっかけでした。

佐々木は
髪はアフロで、
男友達に「佐々木！佐々木！佐々木！」
とコールされて
教壇の上で全裸で踊り狂って
女子に先生を呼んでこられるような
ふざけた男子高校生です。

しかしそのあとからの物語は
明るくはじけた
高校生活を描くものではありません。

佐々木コールも、今となっては
別のものに思えてきます。

映画を観終わって
渋谷の街を歩き始めたら、
どこかに佐々木がいるんじゃないか
という気がして探してしまいました。
いてほしいなという願いかもしれません。

なんで登場人物たちや
その感情の揺れ動きが
あんなにも繊細で
リアルなんだろう‥‥。

あとから知ったのですが、
佐々木を演じた細川岳さんが
実在の佐々木のことを映画にしたい
と監督に持ちかけたそうです。

佐々木を一番想っている細川さんが
佐々木だったのです。

だからか、と思いました。

派手な映画ではありませんが、
ふっと感じたり
じっと考えたりしながら観る
いい映画でした。

公開は11月からでもう少し先ですが
渋谷のシネクイントや新宿武蔵野館など
全国で公開されることになります。
どうぞ、おたのしみに。