トレーニング用のシューズも揃い、
結び方もちゃんとしたところで、
いよいよ走り始めるときがやってきました。
まずは自宅の近辺で走れる場所を探します。
![シェフ](images/chef.gif)
「ぼくは千駄ヶ谷だから、
週末は外苑に行って走ってみようかな?」
![べっかむ3](images/ishikawa.gif)
「ぼくは隅田川沿いを走ってみようと思いまーす」
おお、ふたりとも、
いいランニングコースがあるところに住んでますね!
まず外苑といえば、あの村上春樹さん(!)や
瀬古利彦さん(!!)も走っていた名コースで
通称「瀬古ロード」があるところですよ。
そして隅田川沿いも走りやすいコースとして有名です。
それぞれ、そのコースを「マイコース」にするのは大賛成。
ただ、走り始める前に、やっぱり、
いちどどこかで一緒に走ってみませんか。
![シェフ](images/chef.gif)
「え‥‥。にしもっちゃん、すげえ速いんでしょ」
![べっかむ3](images/ishikawa.gif)
「ついていけるわけ、ないよね‥‥」
いやいや、大丈夫です。
ふたりのペースにあわせて、
うんとゆっくり走りながら、
いろいろとお教えしたいことがあるんですよ。
![シェフ](images/chef.gif)
「それって会社の廊下とかじゃダメ?」
ダメですってば(笑)。
それより、最初のランは
日本一の有名なランニングコースに行きましょうよ。
![べっかむ3](images/ishikawa.gif)
「え‥‥、まさか、それって」
そうです、皇居一周コースです。
ふたり:
「ひえーっ!」
![マイコースは、いくつか持とう。](images/t_07_2.gif)
2人とも、自宅近所に走りやすいコースが
あるのはいいことなんですが、
毎日、同じコースを走っていると、
「必ず飽きる」んです。
絶対飽きる。こればっかりはどうしようもない。
で、飽きると、「やめちゃう」ことがある。
ぼくとしてはそれだけは避けたいのです。
飽きずに走ってもらいたい。
ふたりの「ホーム」としてのマイコースに加えて
いくつか、「あそこを走ってみようかな」と
知っているランニングコースを
もっておいたほうがいいと思うんです。
そこで、まずは皇居を走ることによって、
マイコースに皇居が加わるでしょ?
![べっかむ3](images/ishikawa.gif)
「いや、まあ、そうだけど‥‥
なんだかすごく敷居が高い感じがして」
![シェフ](images/chef.gif)
「すごく混んでるっていうし、
速い人ばっかりで怖くない?」
大丈夫ですよ、ちゃんとサポートしますし
皇居ランのマナーもお伝えします。
![べっかむ3](images/ishikawa.gif)
「ちなみににしもっちゃんの
マイコースはどんな感じなの?」
ぼくは走る距離やスピード、
その日のトレーニングテーマ、
そしてもちろん気分転換も兼ねていくつか使い分けてます。
ぼくの家の近所には
砧公園という大きな公園があるのですが、
そこには1.7kmのサイクリングコースと
3kmの芝生や土のクロスカントリーコース。
その隣にある大蔵運動公園の1kmのコースと
大蔵運動公園の中にある陸上トラックがあります。
そして、ちょっと離れたところにある
馬事公苑の外周1.6kmのコースに、
駒澤公園の1周2.1kmのランニングコース、
そして、多摩川の河川敷。
ここは30kmをまとめて走るときに使います。
![シェフ](images/chef.gif)
「シェーッ!」
リアクションが古いですよ。
![シェフ](images/chef.gif)
「そ、そんなにコースがないとダメなの?」
ダメってことはないですけど、
そのほうが楽しいんです。
探せばいろいろあるんですよ。
武井さんの家からも外苑だけでなく
東宮御所あたりも有名なコースだし、
べっかむ3の隅田川沿いも
対岸を走るだけで別コースになりますから。
![なぜ皇居って人気があるの?](images/t_07_3.gif)
![べっかむ3](images/ishikawa.gif)
「でもさ、そのなかでも日本一の人気なのが
皇居って言うじゃない?
どうして、そんなに人気があるんだろ」
皇居は1周が5kmあります。
信号にもひっかからずに5km走れる
東京のコースって、なかなかないんですよ。
![シェフ](images/chef.gif)
「5km‥‥長い‥‥」
いや、その5kmという距離が絶妙なんです。
例えば、1周1.7kmの
周回コースで5km走ろうと思えば
3周でだいたい5kmですよね。
皇居は1周で5km。
一度にまとまった距離も走れるし、
ペースやタイムを管理をするにも
5、10、15、20km、
という区切りはとても便利なんです。
それに皇居の周りには
着替えスペースにロッカー、
シャワーといった設備がそなわった
ランニングステーションがたくさんあって、
仕事終わりで走るにもすごく便利なんです。
![シェフ](images/chef.gif)
「じゃ、にしもっちゃんも皇居はよく走るわけだ」
はい。2週間に1度くらい。
というのも、毎日、一人で走っていると
ついつい楽なペースでばかり走ってしまうんです。
たまに「ちょっと苦しいくらい」のペースで走ると、
心肺と筋肉にも刺激が入って
いいトレーニングにもなるんですよ。
皇居にはワイナイナ選手のような
オリンピックメダリストから
走り始めたばかりの市民ランナーまで
いろんなランナーが走っているので
自分にちょうどいいペースで走っている人を
見つけやすいんですよ。
「あのペースは自分にはちょっときついかも」
というくらいのスピードのランナーを見つけたら
ぴったり後ろにつく‥‥と迷惑ですから、
10mくらい離れてその人を目標にして走るんです。
「ちょっときついかな」というスピードで
2周(10km)走れたら自信にもなりますし、
すごくいいトレーニングにもなりますよ。
![シェフ](images/chef.gif)
「やだなあ‥‥苦しいの嫌いだ‥‥」
![べっかむ3](images/ishikawa.gif)
「ぼくらはそこまでのトレーニングは必要ないけど」
そうですね、まだまだ必要じゃないですね。
だから、うーんとのんびり走りましょうよ。
![シェフ](images/chef.gif)
「うん‥‥で、その、皇居を走るマナーって?」
皇居外周はランニング専用コースではなく
あくまでも歩道です。
だから「ルール」と言うほどの
厳密な決まりはないんですが、それでもやっぱり
ランナー同士の暗黙の了解のようなものがあります。
まず皇居に限らず周回コースは
「反時計回り」で走ること。
皇居の場合、お堀を左に見て走ります。
そうじゃないと、ぶつかるし、
みんなが好き勝手に走ったら
歩行者も歩けなくなってしまう。
そして、追い抜く時は
「後ろ通ります」とか「右から抜きます」と
一声かけて右から抜く。
そして、「ありがとうございます」とお礼も忘れずに。
![シェフ](images/chef.gif)
「あのさ、にしもっちゃんは
そんなことってどこで教わったの?
本にはそんなこと書いてないでしょ」
これは箱根駅伝の強豪、駒澤大学の選手たちに
学んだんですよ。
彼ら、よく地元の同じコースを走ってるんですけど、
ぼくを抜いていくときにそうやっているんです。
そういうふうに声をかけてもらうと気分もいいし、
いいことはマネすればいいでしょ。
なので、「自分はゆっくり走ってるな」
と思ったら、なるべく道の左側を走るようにして、
後ろから抜きやすいようにしておくことが必要です。
そして、後ろから人が来ていることに
気付きやすくするために
ipodなどの音量も少し下げておいて
後ろの気配や声も聞こえるようにしておく。
これはレースでもそうなのですが、
ipodをつけたまま、道のど真ん中を
ゆっくり走る人がいるために、
後ろがつかえて渋滞になる、
というケースがよくあるんです。
そして、友達と一緒に走るときでも2列まで。
道幅いっぱいに走ることはランナーだけでなく、
歩行者にも迷惑ですからやめたほうがいいですね。
そういうことが、皇居を一度走るとわかるので、
とってもいいんですよ。
でも、ファーストランに皇居を選ぶのは
マナーを学ぶだけじゃないんです。
いいフォームで走りたければ皇居が最適なんです。
![シェフ](images/chef.gif)
「ふうむ‥‥わっかりました。走ってみようか」
![べっかむ3](images/ishikawa.gif)
「ちょっと不安だけど、いっしょに走りましょう」
ということで、次回は実際に
皇居を走ってみたレポートです。
あのでっかいゲストが再登場しますよー!
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