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さて、新宿シティハーフマラソン。
走ってきましたよ。
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ふたり |
わー、パチパチパチ。
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新宿シティマラソン‥‥。
国立競技場をスタートして
イチョウ並木を往復してから
外苑東通りに出て、
新宿区内のやたらとアップダウンが続く
あの、おそろしいコース‥‥。
ベイ、おそろしい子‥‥。
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月影先生ですか。
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よくわかるね。
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『ガラスの仮面』は読んでます。
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ふだんは歩くことのできない
御苑トンネルが走れるからと思って
喜んで参加したけど、
二度と走りたくないくらいの
タフなコースだったよね。
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楽しみにしていた御苑トンネルだけど、
ぼくらは足切りにあって、
走れなかった!
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あのコースはホントきついですよね。
去年も最初のアップダウンで
心が折れそうになりましたもん。
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にしもっちゃんでも、やっぱりきついの?
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そりゃ、きついですよ。
ハーフはフルマラソンとは
全く別物で走り方も全然違うんです。
フルマラソンは30km過ぎまでとにかく
楽に走ることに徹して
最後の5~8kmを頑張ればいいんですが、
ハーフマラソンは2~3kmで身体が温まったら
あとはゼーゼーハーハーいいながら、
全力で走り抜けるという感じなんですよ。
とはいえ、今回はベイちゃんの手前、
しっかり頑張って走ってきましたよ。
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1時間29分13秒?!
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こりゃ、にしもっちゃんにとっても
良いタイムなんじゃないの?
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去年は同じコースで
1時間31分かかってましたからねー。
2分短縮です。
ハーフマラソンの自己ベストです。
そしてベイちゃんがこちら!
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ふたり |
1時間46分52秒! ひえーっ!
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ベイちゃん、走り始めて3ヶ月で
ここまで走れるとは‥‥。
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練習だと、なかなかここまで追い込めないけど
レースだとこれくらい走れるものなんです。
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でもなんかベイちゃんって根性が違うよね。
おれは、むりだー。
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継続的に練習ができているので
体重も落ちてきていたことも
関係していると思いますけれど。
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ぎくっ(腹をさする)。
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30kmのレースの後、
ハーフマラソンまで
どれくらいだっけ?
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2週間でした。
その間のベイちゃんの練習とケアメニューは
こんな感じです。
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●少なくとも週5日は走ろう。
●疲れをとるために平日はゆっくり40~60分。
●週末の土日は90~2時間くらい、
これもゆっくり走ってみる。
●ジョギングの最後には8割くらいの力で
100mほどのダッシュを
3~4本入れて終わること。
●30km走ったことで、
足裏の土踏まずが落ちてきたり、
ふくらはぎが固くなっているはずなので
風呂あがりには土踏まずやふくらはぎをもんで
常に柔らかくしておくこと。 |
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けれども実際は、
30キロ走ったあとの火曜日から
ベイちゃん、風邪を引いちゃって、
風邪を直すのに精一杯だったりもしたんです。
ちょうど1週間後の日曜日に10キロ、
直前の木・金に5キロずつしか走っていないんですね。
あとの日は意識的にストレッチを毎日続けてました。
日、木はキロ6分15秒ペースくらいでゆっくり走って、
金曜日の5キロだけは刺激をいれようと
キロ5分ペースで走ったそうです。
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西本メソッド通りには練習ができず、
しっかり休養をとったという感じだね。
それでもこれだけ成果が出ているってすごいよ!
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それから、そうそう、
シューズを軽いものに変えたんですよ。
30kmのレースの後に。
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(勝負シューズのニューバランスのM1090 ) |
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これは、前のが合わなかったとか
そういうこと?
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いえ、そうではなくて、
軽いシューズにすることで
タイムを縮めたいんです。
けれどもこれって両刃の剣で、
シューズを変えてしまったために
それまで使っていなかった筋肉を
使う可能性もあるんです。
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練習してない部分を使うってことかなあ。
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軽いとペースも上がるんですが、
シューズに慣れずにいきなりペースをあげて走ると
間違いなく故障しちゃいます。
だから、この2週間も新しいシューズに脚を慣らすために
この2週間もLSDだけでトレーニングを組んでます。
ちょっとだけ違うのは、最後にダッシュを入れたこと。
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最後にダッシュ‥‥つらい‥‥。
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いわゆる「流し」と呼ばれるものです。
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流しって、そうめんとか、ギター弾きしか浮かびません!
あと精霊流し。さだまさし。
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(クールに)ちがいます。
最後にピリッと速い動きを取り入れておくことで
体や心肺に軽く刺激が入るんです。
つまり、これまでスタミナ重視で
じっくり走り込みを続けてきましたが、
最後にダッシュを入れることで
スピードの感覚を身体にいれておくのが狙いです。
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100mダッシュくらいで
スピードがつくのなら、
ぼくでもできそうだな。
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だからー、ジョギングの最後にダッシュはつらいって。
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毎日走っていると、どうしても
「身体が重い」とか、
「今日は気分が乗らないな」という日がでてきます。
そんな日はゆっくり長く走るのをきりあげてもいいです。
ただし最後にダッシュを数本いれておくと、
次の日はスッキリ走れたりしますよ。
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なるほどね‥‥。
ダッシュだけならやってもいいんだけどな。
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そのメンタリティが不思議なんですけどね。
じっさい武井さん、ジムで坂道ダッシュとか
やってますよね。
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そうそう、10秒坂道全力疾走みたいなやつ、
トレーナーがやれっていうからやってる。
けっこう楽しいよ?
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それができるのに
ジョギングが続かないんですよね‥‥。
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こらえ性がなくてね‥‥。
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それはともかく、
ベイちゃんは、あとは脚のメンテナンスです。
30kmを走っても筋肉痛にはならない身体はできたけど、
やっぱり、疲労がたまっているんです。
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そりゃそうだ。
ひと月に2本レースに出たら!
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盲点なのは、足裏とふくらはぎです。
土踏まずが落ちて偏平足みたいになっていたり、
ふくらはぎをさわってみると
ちょっと固くなっていたりします。
いくらゆっくり走っていても
最初に衝撃を吸収する足裏やふくらはぎが
疲れたままだったら、
着地の衝撃が吸収できずに
膝や足底をいためてしまうんですよ。
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ぼくが去年、湘南を走るときになった
「足底筋膜炎」もそうだった。
あれ、痛いよー。
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まさにそれですね。
足底筋膜炎は厄介な怪我でなかなか治らないんです。
最低でも3週間は走れない。
3週間走らなかったら
また、ゼロから身体を作り直す必要がありますからねー。
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はい、それがいまのわたくしです!
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さて、今回、
スタート前にベイちゃんに伝えたのは
以下のようなことです。
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●気温があがりそうだから、
朝、起きたときから、
水分をしっかりとるようにすること。
●自宅から最寄りの駅でトイレ。
最寄りの駅から国立競技場近くの駅でもトイレ。
トイレが空いているうちに
何度でもトイレに行っておくこと。
●最初の5kmまではアップダウンが厳しいから
アップをしてるくらいのつもりで自重。
●5km以降は、ちょっとペースが速いかな?
という人を見つけて、
その人にひっぱってもらうつもりでついていく。
●10km~15kmくらいできつくなったときは
ペースを落としてもピッチ(脚の回転)だけは
落とさないこと。
●歩道側だけを走らない。
道幅をいっぱいに使って最短距離だけを走ること。
●残り5kmになったら全力で。
できれば110分をきれるようにゴール。 |
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ぼくらがハーフマラソンを走ったときと違って
かなり細かいね。
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ぼくらのときは「たのしんでくださいッス」
みたいな感じだったよね!
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ちなみに水分やトイレについては、
ちょっと細かすぎる指示ですが、
これも東京マラソンのリハーサルを兼ねてのことです。
スタート直前に水を飲んでも、
それは身体に吸収されなくて
全部、汗になって流れていってしまう。
なので、朝起きたときから、
時間をかけてちびちび水を飲んでおくことで
身体に水分をためておく必要があるんです。
前回の30kmのレースでベイちゃんは
軽い脱水症状になって脚をつっていましたから
その対策をしっかりリハーサルしておこうと。
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ふむふむ。
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そして、東京マラソンの本番当日、
スタート地点付近のトイレは激混みです。
列に並んでいるうちにスタート時間を迎えちゃった、
なんてことを防ぐためにも、
会場に着く前にトイレに行く。
「トイレマネジメント」という習慣を覚えておくんです。
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トイレマネジメント!
ビジネス書みたい!
『もし宇宙部のベイちゃんが
トイレマネジメントを学んだら』
ってタイトルでアマゾンにありそう!
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ないけどね。
それにしてもここまでの指示は
どんなマラソン教則本にも書いてないかもね。
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最初の5kmは自重、っていうのは?
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去年、ぼくはこのコース。
前半の坂をなめてて、
後半撃沈気味だったんですね。
5km地点まで自重して我慢できれば、
もっといいタイムで走れたのになあ、
という去年の反省を含めて
「5kmの四谷での給水までは自重。
そこからはペースアップ!」
という指示を出したんです。
ぼくもそのとおりに走って自己ベストです。
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なるほどなー。
歩道側だけを走らない、っていうのは‥‥。
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周回コースですし、
アップダウンだけでなく、
何箇所もカーブのあるタフなコースですから、
コース図も読み込んで攻略することが必要なんですよ。
たいていみんな、歩道の左側を走っているでしょう。
でも、それが最短とは限りません。
そういうときはちょっと遠くを見て、
道路の道幅をいっぱいに使って
最短距離を探すんです。
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たしかに、
きついとどんどん歩道側に寄ってしまうよね。
歩道側は道が傾いているから
本当は走りづらいはずなのに、
なんでだろう?
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そうなんですよ。
きつくなってくるとどんどん思考が停止するから
前のランナーの流れについていこうとしがちなんです。
だからなんとなくみんなが左側に寄ってたりする。
けれど遠くを見て、
「つねに最短コースを走るんだ」
「ピッチだけは落とさないぞ」
ということを考えていれば、
冷静さを保ったまま、
走り続けることができるんです。
そうすると、身体がきつくなっても
リカバリーが可能なんですよ。
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なるほどね。
今回、ベイちゃんはハーフマラソンを
1時間46分52秒で走れたわけでしょう。
これって、1kmあたり、
5分~5分5秒くらいのペースじゃない?
1km5分40ペースがフルマラソンのサブ4だから
ベイちゃんは余裕でクリアできるんじゃない??
すごーい。
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これが、そうはうまくいかないのがフルマラソンなんです。
ただ、30kmとハーフを走ってみて、
残り3週間のベイちゃんの
仕上げ方の方針がわかりましたよ。
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というところで、また次回!
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ベイちゃんの直前3週間の仕上げとは何か?
おたのしみにー!
(つづきます!) |