その2「どうだい? 鮭の焼き漬けだよ」
- 飯島
- ジャーン。
- 糸井
-
おひつ!
おにぎり!
- 飯島
-
本に掲載した「じゃこと油揚げの炊き込みごはん」を
おむすびにしました。
天海さんにも気に入っていただいているうめ酢を
少し入れたんですよ。
- 天海
- おいしそう!
- 糸井
-
蒸してあるの?
今、ふたを開けたら湯気が立ったよ。
- 飯島
-
違いますよ。握ってここに入れたんです。
ここに入れておくと、乾燥しなくていいんです。
- 天海
-
ああ、いい匂いがする。木の香り。
なんてステキなおひつ。
- 飯島
-
秋田杉です。
曲げて作るんですよ、曲げわっぱみたいに。
木の黒いところは冬の生長で、
白いところは夏の生長なんですって。
- 天海
- 面白い! いただきます!
- 飯島
- 海苔を巻いてもきっとおいしいですよ。
- 糸井
-
天海さん、うちの海苔、
食べてなかったっけ?
- 天海
-
食べたことがないんです。
海苔、大っ好きですよ。
- 糸井
- サンプルがすこしあるかな?
- ──
- 持ってきますね、少々お待ちください。
じゃこと油揚げの炊き込みごはん
天海さんたちが食べているおむすびは、
この炊き込みごはんをにぎったもの。
ほのかな酸味があって、お酒のあとにもおすすめです。
材料 4~5人分
- 米 3合
- 水 適量(540cc)
- 油揚げ 1枚
- じゃこ 30g
- 梅干し 2~3コ
- 昆布 5cm角1枚
- 酒 大さじ1
- しょうゆ 少々
*ごぼうを一緒に炊いて具だくさんにするのもおすすめ。
つくり方
- 米を研ぎ、15分水に浸してからざるに上げ、
10分おきます。
- 油揚げはペーパータオルで油を軽く取ってから、
5mm角に刻みます。
- 炊飯器に米、酒を入れ、3合の線まで水を入れ、
じゃこ、油揚げ、梅干しをちぎって種ごと入れます。
- 昆布をのせ、しょうゆをひとたらしして炊きます。
- 炊きあがったら昆布と梅干しの種を取り、
全体をふんわり混ぜていただきます。
お好みで、おむすびにしてどうぞ。
- 飯島
-
おからサラダは、
おからをヨーグルトと牛乳を混ぜて、
チンか蒸すかして、
塩とマヨネーズとオリーブオイル、
そこにさつま揚げときゅうりを混ぜるんです。
- 糸井
- さつま揚げも、ちょっと甘みとして参加してる。
- 天海
- ごちそうだ!
- 飯島
-
おからって乾燥しているので、
マヨネーズがいくらでも入っちゃうんですよ。
- 糸井
- 煮汁がない分だけ、何かを吸い込むんだ。
- 飯島
-
はい。けれどもそれではカロリーが気になりますから、
牛乳とヨーグルトを先に混ぜて、
いいしっとり具合にさせてあげるんです。
- 糸井
-
きっとそこにたどり着くまでに、
飯島さんなりの失敗をしているんだね。
- 飯島
-
そうですね。
水では味気ないですし。
- 糸井
- なるほどね。
- 天海
-
すごい、おから。
いまはお豆腐屋さんが少ないから
おからを買うのも大変ですよね。
- 糸井
-
「○○屋さん」っていうのが、
本当になくなったよね。
- 天海
-
わたしはちょっと抵抗して、
少しでも小売店で買うようにしているんです。
- 飯島
- 分かります!
- 天海
-
お肉でもちょっとずつ買いたいときに、
スーパーではみんなパックになっちゃってるし、
野菜でも小売店だったら
「このネギはこうやって食べるとおいしいよ」
なんて教えてくれるんですよね。
おからサラダ
おからをサラダに? しかも牛乳とヨーグルトを使って?
聞くと驚きますが、食べて納得。つくったらすぐ食べて!
材料 4人分
- おから 200g
- さつまあげ 2枚(約80g)
- きゅうり 2本
- オリーブオイル 大さじ1/2
- マヨネーズ 大さじ3~4
- 塩 小さじ1/2
- こしょう 少々
- 白すりごま 大さじ1
【A】
- ヨーグルト 大さじ4
- 牛乳 大さじ2~4(*)
*おからの水分量によって、牛乳の量を調節します。水分が少ない状態だと、マヨネーズをたくさん入れてなめらかにしようとしがちですが、牛乳とヨーグルトでしっとりさせておけば、マヨネーズが大さじ3~4ですみますよ。
つくり方
- おからは耐熱容器に入れ、【A】を混ぜて加え、
ふわっとラップをし、2~3分ほどレンジで加熱します。
- 取り出したらラップをはずし、冷ましておきます。
- きゅうりは3mm厚の輪切りにし、
塩小さじ1/3(分量外)をまぶし、
しんなりしたら水を絞ります。
- さつまあげは2cm幅に切ってから、
向きを変えて薄切りにします。
- 2に3と4、オリーブオイル、マヨネーズ、
塩・こしょうを加え、味をみて薄ければ、
塩かマヨネーズ(分量外)で整えます。
- 器に盛り、白すりごまをふってできあがりです。
- 飯島
- 鮭の焼き漬けができました。
- 天海
-
なんてこと!
焼き漬けっ
- 糸井
- 焼いて漬けたの?
- 飯島
-
すこし焦げ目がつくくらいに焼いた鮭を、
おつゆにジュッと漬けるんですよ。
- 糸井
- じゃ、天海さん、どうぞ。
- 天海
- わわわ、ありがとうございます。
- 糸井
- おつゆ部分もちょっと欲しいね。
- 飯島
- あ、そうですね。スプーンですね。
- 天海
-
ありがとうございます。
糸井さんにサーブしてもらうなんて。
- 糸井
-
そうなの。ほんとは気が利かない人なんだよ、
俺わりと(笑)。これは宝塚を観たおかげですよ。
- 天海
- やったー!
- 糸井
-
宝塚の男役が、
娘役に対して理想の男を振る舞うじゃない?
「それはいいね」って言ってたら、
ちょっとそういうことをなんかこう、
やってみたくなって。
(わざと低い声で)
「どうだい? 鮭の焼き漬けだよ」って。
- 天海
-
(迫力のある声で)
「食べてみるかい?」
- 一同
- おおおおおお。
- 飯島
- 良かったら山椒をどうぞ。
- 天海
- 山椒、大好きです。
- 糸井
-
うな重を食べてる時みたいな
おいしさが混じるよ。
- 天海
- 山椒かけたらよけいに!
- 飯島
-
山椒は、脂を消化してくれるので、
うなぎ以外にもお肉とかキンピラとか、
食材に脂が多かったり、
調理に油を使う料理によく合うんですよ。
- 天海
- メモ、メモ。
鮭の焼き漬け
「焼いて」から「漬ける」から「焼き漬け」。
もともと新潟の料理なんですって。
出来立てもおいしいですし、冷蔵庫で冷やしても、常温でも。
材料 3~4人分
- トラウトサーモンまたは生鮭 2~3切れ
- ししとう お好みで
【A】
- 昆布だし 130~180cc
- しょうゆ 大さじ4~5
- 酒 大さじ3
- みりん 大さじ1
- 砂糖 大さじ1/2
*南蛮漬けのように酸味の強い味がお好みのかたは、
お酢を足してもいいですよ。
つくり方
- 【A】を小鍋に入れ火にかけます。
沸騰したら火を止めて冷まします。
- サーモンは半分に切り、網か魚焼きグリルで焼きます。
しっかり焦げ目がついたほうが香ばしくておいしいので、
バーナーなどで焼き目をつけても。
ししとうを入れるときは、このとき一緒に焼きます。
- 2を1に浸します。ポリ袋を使ってもいいですよ。
- そのまま2時間以上漬けておけば完成です。
(つづきます)
2017-05-17-WED