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小林 |
僕ね、その乙女であることがね、
なかなかいいんだと思いますよ。
まるっきり男くさかったらちょっとね、
「棒鱈でないとだめだっ」とかね。
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糸井 |
ていうか、男の料理っていうと、
刺身にいくと思うんだよね。
魚さばくとか。
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小林 |
あぁー。
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糸井 |
あれ、面倒くさいんだ。
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小林 |
うん。僕はもう全然作れないですよ。
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糸井 |
「俺は料理に目覚めた」
って言ったらみんないい包丁買うよね?
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小林 |
ああー。
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糸井 |
いい包丁買って、いいまな板買って、
いい魚仕入れてきて、
「俺が今さばくから」っていうところに行くけど、
そういう趣味がまったくないんで。
あのぅ、自慢したくないんだよ、あんまり。
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小林 |
いや、でもなんかね、レシピ的には、
『クウネル(ku:nel)』という
女の子がよく好きそうな
あの雑誌の世界に近いですよ。
ジャム作って黒豆作ったら完璧ですよ、もう。
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糸井 |
だって、喜ばれるじゃん、そのほうが。
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小林 |
喜ばれるし?
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糸井 |
うん。
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小林 |
黒豆を好きそうな人たちに囲まれて、
「おいしい〜!」とか言われてそうですよね。
棒鱈作ってって、「おいしい」っていう
おとっつぁんあんまりいないでしょう?
こんなふうに手叩く人?
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糸井 |
それはそうだ、それはそうだ。
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小林 |
「うん!」とかって言うくらいで。
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糸井 |
まぁね。
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小林 |
だから、狙いなんじゃないか
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糸井 |
あ、カレー皿が届いた!
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── |
きょう、カレーなので、
やっぱりこのカレー皿で
食べていただきたいと‥‥。
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糸井 |
偉いねぇ、うちの人たち。
まぁ、見ろや、兄ちゃん、と。
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小林 |
はぁ、はぁ、はぁ。
それは全部大きさ同じなんですか?
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糸井 |
同じです。
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小林 |
(マネジャーさんに)
見て気に入ったら、一緒に買ってやるぞ。
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一同 |
(笑)。
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糸井 |
いいねぇ!
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── |
カレー、これで食べましょう。
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糸井 |
うん。せっかくだから。
裏、見て?
「ほ+土」って書いてあるの。
「ほぼ日」と「土楽」っていう意味。
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小林 |
あ、そういうことなんだ。へぇー。
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糸井 |
いわば共同開発。
なんとなく予感はあるでしょう、
(スプーンでカレーが)
すくいやすそうだなっていう。
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小林 |
そうですね。ここのカーブとか。
深さといい、なんかちょうど集まるし。
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糸井 |
ここに至る歴史がやっぱりあってさ。
途中で、それじゃだめだとか、
ああでもないこうでもないやって。
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小林 |
もともとこの人が作った
カレー皿っていうのは
あることはあったんですか?
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糸井 |
ないの。
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小林 |
かつては。
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糸井 |
俺らが考えた。
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小林 |
いやいや、別のカレー皿。
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糸井 |
ない。
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小林 |
これは考えた、カレー皿でしょう?
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糸井 |
そう。
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小林 |
でも、その人窯元だから。
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糸井 |
ない。
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一同 |
(笑)。
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小林 |
一応。
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糸井 |
ない。
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小林 |
作ってみましたっていうのはなかった?
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糸井 |
ない。
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小林 |
なかった?
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糸井 |
ない。
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小林 |
へぇー。
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糸井 |
カレー皿っていうコンセプトそのものを
俺たちが考えたんだよ。
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小林 |
なるほど。
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糸井 |
なっ。
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── |
なかったです。土楽さんには、
本当になかったです、カレー皿は。
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小林 |
へぇー。
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糸井 |
なんか疑ってるんでしょう(笑)?
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小林 |
いやいや、もっとこう、
薄手というか、そういうさ。
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糸井 |
ない。
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小林 |
八寸皿とかそういうやつは?
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── |
もちろん普通のお皿はあるんですよ。
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小林 |
皿はあったんですね?
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糸井 |
世の中に皿はあるよ、いくらでもね。
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小林 |
うん。
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糸井 |
でも、「あなたはカレーに何を使ってますか?」
って言ったときに、スープ皿か、
もっと平らな皿か
どっちかを使ってるんですよ。
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小林 |
なるほど。
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糸井 |
それは全部流用なんですよ。
だから、カレー用の皿が
あったらいいのになって。
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小林 |
なるほど。
カレーのことを考えてあげた、
っていう感じですよね。
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糸井 |
そうだね。
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小林 |
ねぇ。
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飯島 |
焼いたそら豆です。どうぞ。
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糸井 |
ありがとう。
焼いてあるの?
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飯島 |
生のまま焼きました。
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糸井 |
へぇ〜。
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小林 |
鞘つきのまんま?
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飯島 |
いえ、剥いてから焼いて、
じゃこをカリカリに焼いたものと、
京都で買ってきた青山椒を
少しだけかけてみました。
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糸井 |
ふぅうん。
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小林 |
ニシキ(錦市場)なんかで。
実山椒とかっていって
佃煮みたいに売ってるやつですか?
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飯島 |
いえ、これ、乾燥です。
ミルで挽いて使うんですよ。
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小林 |
山椒好きなんですよ、京都って。
京都でうどん食べに行くと‥‥。 |
糸井 |
ああ、山椒かけるね。
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小林 |
七味は使わないんですよ。
一味と山椒なんですよ。
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糸井 |
薫ちゃん、そういうさ、
何か自分でするとかっていうのは、
自分の体を鍛える以外、してたことあるの?
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小林 |
ないんですよね。
料理以外にやったことないんですよ。
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糸井 |
酒を飲んでたんですか?
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小林 |
そうですね。
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糸井 |
ほとんどの時間?
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小林 |
うーん。
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糸井 |
ふぅん。
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小林 |
酒は今でも本当にもう必ず飲んでますね。
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糸井 |
酒を飲むっていうのは、
酒を飲んでるわけ?
何してるの?
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小林 |
飲まれてるときもありますよね。
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糸井 |
くくくくく(笑)。
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小林 |
よく使う言葉ですけど。 |
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(つづきます) |