飯島食堂へようこそ。おでかけ編 キッチンツール選び、ごいっしょに 重松清さんと、かっぱ橋。
かっぱ橋道具街とは
LIFE

その5:洋包丁と和包丁@ヘンケルス、釜浅商店
── ひきつづき、ヘンケルスで
包丁を見ておりまーす。
重松さんと飯島さんが、
すっかり本気モードです。
重松 これが三徳包丁?
お店の人 はい、そうです。
飯島 切れそう!
お店の人 切れますよ。
使えば使うほど手に馴染んでくるっていう、
特殊な素材なんですけども、
工場では1個ずつ手磨きしてるんです。
光沢を出すのに、何か上に塗るんではなくて、
削ってここまでつるつるにしてあるんですよ。
重松 そうか、そうか、塗って作ったんじゃないのね。
お店の人 はい。もうそれこそ、17工程ぐらい、
削る工程がありまして、
それを職人1人ひとりが
1本ずつ調べてますので。
飯島 これ、ずっと使ってると
どういう変化を?
お店の人 刃がちびてきますが、
この波がなくなるっていうことはないです。はい。
これは材質の波なので。
飯島 なるほど。
お店の人 はい。あと、こういった
和包丁もございます。
── ヘンケルスで、ほんとの和包丁。面白いですね。
飯島 ちゃんとしたキッチンバサミも
こうやって見るとしっかりした値段なんですね。
何か適当に売ってるのより、
こういう方がそれはいいですよね。
── いいと思います。
僕もちょっと安いの買ったら
塗料がはげてきちゃって、
ぼろぼろしてきちゃいました。
お店の人 あと、硬い物を切る用に
出刃は用意してほしいですね。
幾ら切れる包丁でも、硬いもの、
たとえば生のカボチャとかを切ってしまうと
刃が薄れてしまったり、
欠けてしまったりする原因になりますので。
重松 カボチャは大変ですもんね。
お店の人 はい。そのときのためにやっぱり
しっかりした包丁を1本、
ご用意された方が便利だと思います。
片刃の和包丁もよいですし、
それではまっすぐ切りにくい方向けに
洋出刃というものもございます。
飯島 なるほど。使い勝手よさそうですね。
いろいろお聞きできてよかった。
ありがとうございました。
お店の人 またぜひよろしくお願いいたします。
── あ、アップルコアラーがある。
ドイツならではですね。
リンゴの芯を取るナイフ。
焼きリンゴとか作れますね。
芯抜いて、そこにバターと砂糖とラム酒落として
オーブンに入れればもう焼きリンゴできちゃう。
ああ、焼きリンゴ。
オーブンあったらいいなぁ。
あのデッカいオーブンあったら
作れるな(ぶつぶつ)。
お店の人 ありがとうございましたー。
── お邪魔しました!
飯島 次は釜浅商店に行きます。
重松 今度は何のお店なの?
飯島 鉄のお店です。
重松 鉄器なんだ。
飯島 ごらんになったら、
鉄器、欲しくなりますよ。
── 鉄器って、なぜか、ぐっときちゃいますよね。
重松 居酒屋モードに入ってくる、
俺の心が。
飯島 和包丁も売ってますよ。
重松 おー。
飯島 着きました。お邪魔しまーす。
重松 おっ、囲炉裏!
お父さんというのはね、必ずね、
家を建てると暖炉にいくか
囲炉裏にいくかなんだよね。
どっちかはほしがるんだってね。
飯島 ああ、暖炉もいいですね!
重松 そう、必ず奥さんから暖炉にしてって
言われるんだよ。
── 僕、これ使ってます、
ロッジの鉄のフライパン。
重松 何かアウトドアな感じがするね。
── はい、ダッチオーブンのメーカーです。
アウトドア用。超重いです。
重松 (持つ)う、ほんとだ。
筋トレだ。
── キャンプの焚き火でがんがんやって、
蓋の上にも薪を置くんです。
そうすると上下でオーブンになる。
飯島 この急須もいいですね。
南部鉄器。
鉄の箸置きもある。
お店の人 その箸置きは、盛岡の方で、
お父さん、お母さんが農閑期に、
つくっているんですよ。
── おお、それ聞くと、またちょっと
好きになりますね。
重松 そうだね(笑)。
── また、包丁がいろんな包丁があります。
飯島 ここも包丁がすごいんです。
お店の人 和包丁は、職人さんが少なくなっちゃってね、
困っちゃってるんですよ。
飯島 そうですか。すべて職人さんが作るんですか?
お店の人 7割、8割ぐらいは機械で
プレスで抜いてるんですよ。
で、こっちは1000度で焼いてまして、
柔鉄、柔らかい鉄に
鋼をはっつけて伸ばして作ってるんですよ。
飯島 1000度。
職人さん、たいへんですね。
お店の人 この間も行って来たんだけどね、
血痕は飛んでるわ、火花は遊んでるわ、
空気は悪いわ。
── 過酷ですね。
お店の人 そうなんです。
── でもその割には、
ある意味、安いですよね。
お店の人 そうね、これがまたね、
小売価格がないもんでね。
── 安いですよ、出刃とかも。
飯島 だって鯵切り、3,300円。
いいですね。
── いいですね、和包丁、いいですねえ。
飯島 寿司切りって何ですか、
寿司、切るんですか?
お店の人 あの、関西の方の
箱寿司っていうか、押し寿司、
飯島 あぁ!
お店の人 あれを切るときに。
飯島 寿司切り、すごい。
── これは蕎麦ですか?
お店の人 うんと、蕎麦はね、その上。
それは中華包丁なんですよ。
── 中華包丁か、失礼しました。
お店の人 和洋中と合わせてると80種類以上、
ございます。
飯島 欲しくなりますね。
── 欲しくなります。
お店の人 片刃と両刃があるでしょ。
和食自体が切り口の料理でしょ。
これでお刺身してるんだけど、
や、いいわ、片刃で切ると。
型がぴしっとなるでしょ。
当然盛りつけがきれいになりますよね。
飯島 きっと顕微鏡とかで見たら
切れ目、切れ味が違うと。
お店の人 そうですよね。
飯島 味も全然違うって言いますもんね。
お店の人 こういうもので面取りすることによって
落とし蓋でコトコト煮ても、
和食は煮崩れしないんです。
重松 そうか、両刃だとどうしてもね。
── このディスプレイって、
壁面にくっついてるんですか?
飯島 くっ付いてます、磁石で。
── あ、よかった。恐かった(笑)。
しかし用途によって
こんなに包丁の種類があるんですね。
お店の人 駒形のどじょう屋さんなんていうとね、
そのどじょうの大きさ、並べ方によって
包丁を替えるといいますね。
── なるほど。
あっ、これは、飯島さんのと同じ鉄鍋だ。
釜浅さんで買っていたんですね。
飯島 ここで買いました。
意外に安いのよ。これで5,740円。
── 意外と安いですよね。
重松 ステーキ焼きたいね、これで。
── ああ、ステーキ。
飯島 あれ、これ、おっきいのもあるんだ!
こんないろんな大きさがあったんですね。
重松 ほんとうはフライ用?
── 揚げ鍋ですね。
── あ、あちらのお客様、包丁お買い上げですね。
お店の人 外人さん、マグロ包丁、
買われました。
飯島 マグロ包丁!
お店の人 ジョイさん、見せてあげて。
── おー、マグロ包丁。
お店の人 彼はね、包丁がとっても好きで、
日本の包丁のコレクターなの。
使うんだけど、集めてもいます。
一同 へえ!
お店の人 これがマグロ包丁。
── マグロ一尾を切り分ける?
お店の人 そうそう。
重松 こんなに長いんだ、やっぱり。
お店の人 もっと長いのもあるんですけどね。
これは、あつらえて。
── あ、今日。引き取りにいらしたんだ。
重松 すごいなあ。
飯島 これに合ったまな板も必要ですね。じゃあ。
お店の人 ジョイさん、これ、マグロ切ります?
コレクト? コレクター?
お、そうね、コレクションだね。
飯島 やっぱり日本の包丁はいいんですか?
お店の人 日本て、バランスが取れてるんだよね。
これも刀に近いんだけど、仕上げといい。
飯島 固めてるわけじゃなくて、
ほんとに切り出してるっていう?
お店の人 そうですね、山を、採掘して、
今はもう掘り出してないですけど、
今残ってるものだけですね。
どのくらいあるのか。
── コレクターがいるのもわかりますね。
飯島 どうもありがとうございました。
あら、手づくりの新聞。
『おかま新聞』ていう新聞が、
張ってありますよ。
子どもが作ったんだ。面白い。
重松 あ、そうか、
カマアサだからおかまなんだ。
学校の課題かもしれないね。

(釜浅さん、面白かった〜。
つづきます!)

訪れたお店はこちら

ヘンケルス プロナイフセンター東京
台東区松が谷 2-12-1
http://www.kappabashi.or.jp/shops/108.html

釜浅商店(支店)
東京都台東区松が谷 2-24-1
http://www.kappabashi.or.jp/shops/41.html


2009-11-28-SAT


前へ
このコンテンツのトップへ
次へ