「東日本大震災を実感していない自分は、震災とどう向き合えばいいんだろう?」
ほぼ日でインターンをしている
大学3年生のマツザキが、
あらためて震災について考えた。
メール紹介②

熊本在住の方からのメール

こんにちは、マツザキです。
引き続き、「東日本大震災を実感していない自分」
というテーマに寄せられたメールを紹介します。

今回は熊本県在住の方からのメールを
1通だけ、紹介します。
このメールは、平成28年熊本地震が起きる前に
お送りいただいたものです。

それでは、メールをどうぞ。

身近な体験から、被災した方を思いやる。
(英理さん・熊本県在住)

私は熊本市に住んでいて、
東日本大震災発生時は仕事中でした。
そこから数日は、宮城、岩手、福島、茨城にいる
被害に遭われたお客様の対応に追われました。

私が住んでいる熊本県は、
江戸時代に津波で壊滅したことがあります。
長崎県の雲仙普賢岳の噴火により、
大規模な火砕流が海まで達して、
対岸の熊本沿岸を襲ったんです。

20年ほど前に噴火したときは、
幸いにも津波は来ませんでしたが、
火山灰が降り、私の家から
普賢岳の土石流や火砕流が見えました。
中学生だった私は、いつ津波がくるか分からないので、
夜寝るのが恐かったことを覚えています。
今日寝たら、明日はこないかもしれないと思っていました。
だから、東日本大震災が起きたとき、津波の映像を見て、
「私もこうなっていたかも」と自然と思えました。

私の町は、見渡す限り
田んぼと海しかない田舎ですが、
もともとはここも江戸時代に1回壊滅して、
何もなくなった場所です。
ここに私がいるということは、
復興したんだな、と感じています。
田んぼしかないんじゃなくて、
復興して田んぼがあるわけで、
それってすごいことなんだな、と発見しました。
それからは、地元が大好きになりました。

直接東日本大震災には関わっていなくても、
台風などのいろんな災害が、熊本にもありますよね。
それらの災害の経験から、東北の方々の苦労を
思いやることはできると思います。
私も、5年経った今からでも
何かできないかと考えて、行動します。

今回紹介したメールを書いてくださった英理さんは、
今年の3月11日に公開したこのコンテンツの第1回に、
「私も、5年経った今からでも
 何かできないかと考えて、行動します。」
ということばを寄せてくれました。

その後、ご存じのように、
英理さんの住む熊本で地震が起こりました。
ニュースを見ている限りでは、余震も続いていますし、
まだまだいろんな影響が生々しく残っていると思います。
5年前、震災を実感できなかった英理さんが、
いま、大きな地震が起こった熊本で、
どういう気持ちでいるのかは、わかりません。

個人的な思いになりますが、
熊本で生まれ育った者のひとりとして、
英理さんが「大好きな地元」で、
元気でいらっしゃることを願います。

次回に、つづきます。

2016-05-11-Wed