糸井 |
「いろどり」は、これからの展開も
いろいろ考えられますね。
食材食器、さまざまなものを
ここ上勝一帯が生んでいってくれるような
可能性がありますね。 |
横石 |
たとえば、氷の中に
小さくて真っ赤な紅葉を入れて、
ワイングラスのなかに
浮かべたら、とか。
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山田 |
わあ、それはきっと、
やりたい人がいっぱいいますよ。 |
横石 |
そうめんの下に、
氷をしいて、食べていくごとに
赤い紅葉がバーッと見えてくる、とか。
秋は燃えるような柿の葉っぱ、
初夏ならあじさいの葉をコースターにして
冷たいアイスコーヒーを飲んだり。 |
糸井 |
横石さんがいつも考えるのは、
やっぱり「場面」ですね。
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横石 |
もうちょっと量をそろえることができると、
結婚式のときに花束みたいにしたり。
いろんな用途が出てきますね。 |
糸井 |
ろうそくを
葉っぱで飾ったりするのもいいね。
ところで、洋食系では、「つまもの」は、
どういう使われ方をするんですか? |
横石 |
ハーブやエディブルフラワーですが、
ぼくはあまりそっちには行かないようにしました。
うちには合わない。
日本風の、樹木類のほうがいいと思ったんです。 |
山田 |
市場の大きさが
まずは違うでしょうし。 |
糸井 |
洋食は「そんなのは料理の腕と関係ないだろ」と
言われやすいんじゃないかな。
ソースを絵のように描くイタリアンが
批判されると
「日本料理をヒントにした」って
言ったりするでしょう。
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山田 |
日本料理には、
土壌がすでにあるんですね。 |
糸井 |
洋食は、食器とかも
あんまり高いの使ってないもんね。 |
横石 |
最近、海外で日本料理店が増えてきたので、
そこでも「いろどり」を展開したらどうかと
アドバイスを受けることもあるけど、
やっぱり違います。
日本人が、紅葉や桜の木を見て
感じることは、なかなか独特です。
日本人は特別な感覚をもっているんです。 |
糸井 |
アメリカとかだと、
逆に、思い切って
鈴虫を置いちゃうくらい
するといいのかもしれないね。
「意味」にしちゃってね。 |
横石 |
そうかもしれんね。
いや、そのとおりかもしれん。
(つづきます!)
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