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アーカイブ 2010/09/05
 
レシピその125
トマト味の野菜の甘酢煮(保存食)
〜パオロと犬たち〜


日中の太陽はまだ強いものの
朝夕は秋風が吹くようになり、
とても過ごしやすいミラノです。
バカンスを終えて、
街には日焼けした人たちが
戻ってきています。

さて、今回は私たち犬仲間から、
絶大な信頼のあるパオロをご紹介しましょう。

彼は46歳。職業は自営の左官業で、
同居していたマンマが春に亡くなり、
今は犬のニーノと二人暮らしです。

ニーノは元野良犬という、
その生い立ちを彷彿とさせる、
眉間にしわがある渋めの雄犬です。
パオロのお姉さんが住む村で
放置されていたのを
彼が引き取りました。
今では人間にも慣れ、
公園の主犬の地位も獲得し、
仲間の犬たちのいさかいの仲裁にも入る
手腕の持ち主にまでなりました。

パオロは以前からドックシッターを、
人に頼まれていましたが、
このバカンスから本格的に
ドックシッターを始め、
新しい仲間を公園に連れて来ます。

彼の散歩は1日3回、
公園内で1時間から2時間かけて、
ゆっくりと過ごします。
犬たちも満足顔で走り回っています。

今日も2週間ほど預かっている
コッカースパニエルの
ローラを連れて来ました。

外で綱をはずされたことがない彼女は、
とても臆病な犬でした。
それがパオロの指令によく従い、
数日後にはすっかり慣れて、
公園を走りまわっています。

週末は海に連れて行って泳いだとのこと。
話を聞いたわたしたちは
パオロに賞賛の拍手をしたほどです。

足の毛を長く延ばし、
以前は優雅に
モンローウォークしていたローラは、
今ではどろんこで毛を固めて
喜び飛びまわっています。
そんな姿を見て
「すっかり犬らしくなった!」と
目を細めて喜んでいるパオロです。
確かに、このローラだけではなく、
パオロが預かった犬たちは、
飼い主と一緒のときより、
犬らしくいきいきとしているように見えます。

パオロのしつけ方をみていると
遠くからでも飛んで行って、
「まさに今」と言うタイミングで
しかるときは大きな声でそして短く、
ほめるときはパオロ自身の喜びを
犬のからだ中をなでまわして伝えます。

パオロの目は他の人と話しながらも、
常に犬を追っています。
いつでも彼らを見守っていることを
確実に認識させ、伝えることで、
信頼関係を作り上げているのでしょう。

パオロは犬といるときが幸せだと言います。
きっとこの気持ちが
犬たちに直球で伝わるのでしょう。


▲パオロとニーノとローラ。

さて、今回ご紹介するのは
トマトが安くておいしい時期に作る
保存食です。
お忙しい方はトマトソースを使っても
おいしく作れますので
試してみてくださいね。

トマト味の野菜の甘酢煮(保存食)

■材料

トマト:4kg(掃除後だいたい半分になる)
※トマトソースを代用する場合は2kgで。
ニンジン:300g
タマネギ:300g
ツナオイル漬け:500g
セロリ:300g
マッシュルーム:300g
いんげん:300g
パプリカ:300g
カリフラワー300g
フェンネル:300g
砂糖:大さじ1
塩:大さじ2
ワインビネガー:200cc
オリーブオイル:250cc
ビン:今回は500cc前後入るビンを
   12個使いました。
(ビンは煮沸消毒した耐熱性のものを
 お使いください。)





■作り方

(1)トマトは湯むきして、
皮と種のかたい部分を取り除き、
あらいみじん切りにして
鍋で5〜10分煮てトマトソースを作る。



(2)マッシュルームはスライスし、
それ以外の野菜は小口切りにする。



(3)トマトソースの中にかたい野菜
(ニンジン、タマネギ、セロリ、フェンネル)
を入れて、中火で10分煮る。



(4)残りの野菜を全て入れて5分煮る。



(5)塩と砂糖を加える。



(6)ビネガーとオリーブオイルを加える。



(7)ツナを加える。
木ベラで混ぜながらほぐし、5分煮る。



(8)味見して、物足りない場合は、
塩、砂糖、ビネガーなどで、
好みの味に整える。
(好みでナツメグを加えてもよい)



(9)煮沸消毒したビンに詰める。



(10)ビンのフタをしっかりとしめ、
ビン同士があたらないようにフキンをはさみ、
ビンがひたるくらいの水を入れた鍋に
ぎっしりと詰める。
中火にかけ、沸騰したら弱火にして10分煮る。
(ビンづめについてくわしくは
 レシピその25「トマトの保存食」
 ご参照ください)

出来上がりです。

アンティパスト(前菜)にも
ブルスケッタ(軽食)にも
いざというときにとても重宝します。
どうぞ試してみてくださいね。


 
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