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アーカイブ 2020/06/21
 

レシピその369
フレニャッチア アスパラソース味
〜バッバの思い出。〜


私はなるべく外出を控えている状態が続いています。
昨晩の豪雨は収まり、今はシトシトと五月雨です。
家の中にいて、この天気。
このシチュエーションは私好みで、
ゆっくりと物思いにふけることを楽しみます。
日頃、コロナで、日本で暮らす母や、
こちらの老人たちを心配しているせいか、
物思いにふけるときも、
やはり母やバッバに思いを馳せます。

レシピ1でご紹介したバッバ。
私にとってはまさしくイタリアの母でした。
朝から晩まで行動を共にしていたので
まるで一軒の家に住んでいるかのようでした。
バッバの家の居間と我が家の居間は、
壁一枚で繋がっていましたので
「この壁を壊したらどうだろう」と
真剣にバッバと話して笑ったことを
懐かしく思います。

お昼寝もバッバのベットで一緒にしました。
そのときのシーツが、
彼女が結婚したときに親戚中で
綿から糸を紡ぎ、織り、手縫いで仕立てて、
刺繍をしているもので、
そのストーリーを聞きながら、
みんなの想いが詰まっているシーツに包まれ、
繊維の織り合っている素朴な風合いを肌で感じ、
そしてバッバの香りで満ちているベットに入ると
安堵感を感じて快い眠りにつけました。
最高に贅沢な時間でした。

考えてみると、
私達はリエティで初めての日本人でした。
訳も素性もわからない東洋人が、
隣に引っ越してきたその日、
バッバは労をねぎらうブロードを届けてくれ、
その後も毎日を迷わないように私と一緒にいてくれた。
どこかで迷える私の気持ちを悟ってくれたのでしょう。
どんな人にも母性でたずさわる
バッバのマンマの心意気と懐の深さには、
感謝だけではなく、
敬愛と敬服の念を今も抱いています。

母やバッバに思いを馳せると、
今この状況での緊張感も、
優しい気持ちで包まれて和みます。

さて、日曜日には必ず手打ちパスタのバッバ。
まず初めに教わったリエティの郷土料理
Fregnaccia(フレニャッチア)です。
レシピ3でご紹介しましたが、
今回はバッバの味に
ファンタジーを加えて楽しみましょう。


フレニャッチア アスパラソース味

■材料(2人分)

○フレニャッチア

卵:1個
小麦粉:120g
水:卵の殻を半分にしたものに2杯




○アスパラソース

アスパラ:240g
パンチェッタ:160g(今回は角切り)
オリーブ:10個
ドライトマトのオイル漬け:5個
(飾り用に1個使う)
ニンニク:1欠片
EVオリーブオイル:大さじ2
塩:適量




■作り方

○フレニャッチア

(1)フォンターナにした
小麦粉の真ん中に
卵と水を入れてかき混ぜる。



(2)ひとまとめにして
15〜20分くらい練る。
※ここまでフードプロセッサーでもできます。



(3)丸くしてラップに包んで
30分以上おく。



(4)手でのばす。



(5)麺棒でのばしていく。



(6)5mmくらいの厚さにする。



(7)生地をクルクル丸めて、
三角に切っていく。



はい、出来上がりました。



○アスパラソース

☆下準備


・アスパラの先の方(100g)と
足の方(140g)に分けて
足の部分を数センチに切る。



・ニンニクは潰して芯をとる。
・アスパラの先の方は斜めに切る。
・オリーブは半分に切る。
・ドライトマトのオイル漬けは粗みじん切り。
飾り用は千切りにする。
※ドライトマトの場合は湯に数滴お酢を入れて
2、3分ゆでてやわらかくする。





■作り方

(1)パスタ用に塩入りの湯を沸かし
アスパラの足の部分だけ入れてゆでる。



(2)フライパンにEVオリーブオイルと
ニンニクを入れて香りを出し、
パンチェッタを入れて炒める。



(3)パンチェッタの油が出たら
オリーブとドライトマトを入れて
数分炒めて火を消す。



(4)よくゆでたアスパラとゆで汁を
アスパラが隠れるくらいに入れて
バーミキサーでソース状にする。



(5)ソース状になったところ。



(6)(1)の湯に
アスパラの先を入れて軽くゆでる。



(7)フレニャッチアを入れて
上に上がってきたら火を止める。



(8)(3)のフライパンを火にかけ
フレニャッチアとゆで汁を少し入れて
味を馴染ませる。



(9)アスパラソースを加えて
全体に混ぜて
塩梅を見て出来上がりです。



はい、盛り付けましょう。
ドライトマトの千切りを
味のアクセントに置きましょう。



チーズと好みでコショウをどうぞ。
春の息吹を感じる一皿をお楽しみ下さいね。
Buon appetito!


 
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