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私はなるべく外出を控えている状態が続いています。 昨晩の豪雨は収まり、今はシトシトと五月雨です。 家の中にいて、この天気。 このシチュエーションは私好みで、 ゆっくりと物思いにふけることを楽しみます。 日頃、コロナで、日本で暮らす母や、 こちらの老人たちを心配しているせいか、 物思いにふけるときも、 やはり母やバッバに思いを馳せます。 レシピ1でご紹介したバッバ。 私にとってはまさしくイタリアの母でした。 朝から晩まで行動を共にしていたので まるで一軒の家に住んでいるかのようでした。 バッバの家の居間と我が家の居間は、 壁一枚で繋がっていましたので 「この壁を壊したらどうだろう」と 真剣にバッバと話して笑ったことを 懐かしく思います。 お昼寝もバッバのベットで一緒にしました。 そのときのシーツが、 彼女が結婚したときに親戚中で 綿から糸を紡ぎ、織り、手縫いで仕立てて、 刺繍をしているもので、 そのストーリーを聞きながら、 みんなの想いが詰まっているシーツに包まれ、 繊維の織り合っている素朴な風合いを肌で感じ、 そしてバッバの香りで満ちているベットに入ると 安堵感を感じて快い眠りにつけました。 最高に贅沢な時間でした。 考えてみると、 私達はリエティで初めての日本人でした。 訳も素性もわからない東洋人が、 隣に引っ越してきたその日、 バッバは労をねぎらうブロードを届けてくれ、 その後も毎日を迷わないように私と一緒にいてくれた。 どこかで迷える私の気持ちを悟ってくれたのでしょう。 どんな人にも母性でたずさわる バッバのマンマの心意気と懐の深さには、 感謝だけではなく、 敬愛と敬服の念を今も抱いています。 母やバッバに思いを馳せると、 今この状況での緊張感も、 優しい気持ちで包まれて和みます。 さて、日曜日には必ず手打ちパスタのバッバ。 まず初めに教わったリエティの郷土料理 Fregnaccia(フレニャッチア)です。 レシピ3でご紹介しましたが、 今回はバッバの味に ファンタジーを加えて楽しみましょう。
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