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アーカイブ 2023/01/22
 

レシピその433
ぶどうの絞り汁を煮詰めた「サバ」のサバドーニ
〜ボローニャの伝統料理。〜


ボローニャ郊外の小さい街に
所用がある夫について行ってきました。
ちょっと出かける、小さい旅。
そこで過ごす短い時間。
それでも、景色を愛でるだけでなく、
違う地方の空気に触れて、人に触れて話を聴き、
その地方の独特の料理に出会えます。

夫がいない間に私は短いひとり旅を楽しみます。
まず中心にある教会に行き、
そのまわりにあるバールをのぞいて、
惹かれるところに入って、
コーヒーをゆっくりいただきながら、
みんなが話す方言の音色を楽しんだりします。
それから個人店をのぞいたり、
スーパーマーケットに行く時間をもうけます。

先日はその街に唯一あるスーパーに入りました。
けして大きくない店内においてある物を見て
商品構成がミラノとは違うことに気がつきます。
まず生パスタ系のウインドウが広いです。
そして、なによりびっくりしたのは、
肉売り場のひき肉のパックの大きさ!
ボローニャラグーを作るのでしょう。
ミラノのミートソースに使うより
荒びきで量が多いです。
年末年始にみんなで食べることを
前提としているのではと思いました。
家族からのメニュー要望が
この肉を使ったソースだとしたら、
パックの大きさから、
温かい家族の温度が伝わってきました。

今回は、前回ご紹介した
栗とボローニャのモスタルダを使った
ドルチェを紹介します。
モスタルダはこの地方の田舎料理です。
時期によって乾燥栗にしたり、
栗粉を使ったり、豆を入れたり、
家庭ごとにいろいろな味があるようです。
教えていただいたものは特にシンプル味で、
欠かせないのは「サバ」です。
「サバ」とは葡萄液をゆっくりと
3分の1から4分の1になるまで
12時間以上煮詰めた物です。
自然の甘味料ですね。
モデナの友人曰く、
彼の家ではバルサミコ酢を作りますが
家用には樽に詰める前の「サバ」を
自然薬として水に薄めて
毎日健康のために飲まされていたとのことです。
昔は年月をかけて作る秘薬としても愛されてきた
高級なバルサミコ酢は
自分たちの口には入らなかったそうです。

今回のシンプルなドルチェ我が家は
朝食のブリオッシュ代わりに
たっぷりとサバをかけて頂きます。
簡単に作れますのでご一緒に作りましょう。


ぶどうの絞り汁を煮詰めた
「サバ」のサバドーニ


■材料

★生地
小麦粉:300g
卵:3個
砂糖:大さじ1
レモン、オレンジ皮のすりおろし:1個分
EVOオイル:大さじ2〜3杯
ベーキングパウダー:10g

★中身
ゆで栗:300g
ボローニャのモスタルダ:大さじ4〜5杯
※ない時はアプリコットジャムで代用
サバ:大さじ2杯〜好みの分量で




■作り方

(1)ボールに生地の材料を全て入れる。
粉の中に卵、砂糖、EVOオイル、
ベーキングパウダーを入れる。



(2)ざっくりと混ぜる。



(3)オレンジとレモンの皮のすりおろしを入れる。
※本来は(1)で入れてください。忘れていました。



(4)あまりひねずにひとまとめして
ラップをして休ませる。



(5)オーブンを180度にあたためはじめる。
中身を作る。
好みの大きさに潰しながら
ボローニャのモスタルダを入れて混ぜ合わせる。



(6)サバを大さじ2杯入れて混ぜる。
(好みの甘さで調整)



(7)混ぜたら中身の出来上がり。



(8)生地を伸ばす。



(9)数ミリの厚さに伸ばしたところ。



(10)7cm四方の大きさに切る。
そこに生地をのせて閉じる。
真ん中を開ける。
※好みの包方で色々楽しんで下さいね。



(11)両端をしっかり押さえる。



(12)オーブンに入れて
15〜20分ほど表面がこんがりするまで焼く。



(13)生地の半分は揚げる。
生地の上に中身をおく。



(14)こちらは半分に折って
しっかり口を止める。



(15)中温の油で揚げる。



(16)こんがり揚がったところ。



はい、出来上がりました。
お皿に並べてサバを好みの分量かけましょう。
さっぱり味のドルチェに
自然の甘みのサバが加わって完成するサバドーニ、
どうぞお楽しみ下さいね。
Buon appetito.


 
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