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いやぁ、しかしこの、
スパイスの刺激っていうのはすごいね。
涙がどんどん出てくるよ。
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スパイスもそうですけど社長、
うしろでタマネギをきざんでましたから。
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あ、そうかそうか(笑)、タマネギか。
そりゃあ、目にしみるわけだ。
よし、じゃあそのタマネギを炒めましょう。
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ここもやはり、ギーで炒めますか。
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そう。
すましバターで。 |
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では、熱したフライパンにギーを入れて‥‥。
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みじん切りにしたタマネギをここに‥‥。
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あ、ぜんぶ炒めないでね、
1個分くらいを生のままとっておいてください。
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そうだ、そうでした、
そういうお話をされてましたよね。
‥‥このくらいでしょうか。
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うん。
スパイスとして生のタマネギをね、
あとで入れるんです。
タマネギ臭さをわざと出すために。
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それを糸井さんは本能的にやっていたと。
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なんかカレー鼎談では、
やたらとそこを感心されましたよね。
無意識でやってたことなのに。
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では、
1個分を別にして炒めはじめますね。
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じっくりと、よろしくお願いします。
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どのくらいまで炒めましょう。
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‥‥いわゆる、飴色?
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わかりました。
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それでは、ぼくは引き続きスパイスの仕事を。
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え? まだスパイスの仕事が?
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あります。
バーミックスで砕いただけでは、粗いんです。
ですからこれを、
すり鉢でできるだけ細かくします。
(ゴリゴリ‥‥)
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それはまた、たいへんな‥‥。
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いくら「スパイスを食うカレー」でも、
あまりに粗いと、
歯にひっかかって嫌になるでしょう。
だからできるだけ、こう、
ゴリゴリと‥‥。
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糸井さん、それかわります。
ちょっとたのしそうだし。
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‥‥そう? 悪いね。
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よいしょ。
(ゴリゴリゴリ‥‥)
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じゃ、ちょっとぼくは、
座らせてもらおうかな‥‥(座る)。
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これは、なかなか‥‥。
(ゴリゴリゴリ‥‥)
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時間がかかるんだよ。
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はい‥‥。
(ゴリゴリゴリ‥‥)
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ねえ‥‥。
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(ゴリゴリゴリ‥‥)
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‥‥‥‥。
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(ゴリゴリゴリ‥‥)
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‥‥あのさ。
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はい?
(ゴリゴリゴリ‥‥)
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それってつまり挽いてるわけだよね、スパイスを。
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そうですね。
(ゴリゴリゴリ‥‥)
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たしか、使わなくなった
コーヒーミルがあったじゃない。
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(ゴリ‥)
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‥‥ためしにやってみようか。
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電動ミルを買ったので、
手回しのミルはそこにしまってますが‥‥。
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どこどこ?(立つ)
あったあった。
だからこれに、こうやってさ‥‥。
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ああー。
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これでうまくいったら最高じゃない?
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そうですけど‥‥。
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どうだ(回す)。
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‥‥‥‥お?
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‥‥あれ? 挽けてる、挽けてる!
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ほんとだ(笑)。
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答えを発表します。
これは、いい!
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いい!
これで、これでやりましょう!
これでいきます。
任せてください。
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ひゃー、
すごい発見しちゃったなぁ(座る)。
なんだー。
いままでのカレー人生は、なんだったんだろう。
そうだよなぁ‥‥要はミルだもんね。
自分の「カレー年表」に入れたい出来事だわ。
2011年 ミルの発見。
ちょっと、ツイートしておこう。
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(回しながら)ほんとにいいですよ、これは。
ものすごく早くなるわけではないですが、
すり鉢に比べたら圧倒的にラクです。
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うん(ツイートしている)。
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すごいな(回している)。
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‥‥(ツイートしている)。
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‥‥(回している)。
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‥‥(ツイートしている)。
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‥‥(回している)。
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‥‥よし(ツイート終わる)。
で?
スパイスのほうはグンと早くなったけど‥‥
タマネギはどんな感じ?
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そうですねー、
まだまだ飴色には‥‥。
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ちょいと、フライパンを持たせてもらって‥‥。
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あ、これはね、
もっとギーを足したほうがいい。
いためるというより、
タマネギを揚げるようなイメージで。
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はーい、そうそう!
いいねえー。
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余計なあぶらは、あとで取り除けるからね。
これは、いいなぁ。
タマネギいくつ分?
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大きいのを5個です。
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じゃあ、20人分くらいはできるかもしれないね。
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おおーー。
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‥‥あっ、来たな! モンスター社員!
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モンスター社員って(笑)。
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どうせ、香りに釣られてやって来たんだろう。
ちょっと手伝っていきなさい。
そうすればアリバイ的参加になって、
このカレーをつくった人になります。
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手伝いましょう(笑)、
みんなでやりましょう。
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ぼくは丸イスに座るよ。
監督的ポジションだから。
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にぎやかになってまいりました。
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いいねー。
こういうのがいいね。
なるべくおもしろく、カレーをつくりたい。
(そうですね、どうせならおもしろくつくりたい!
つづきまーす!) |