もくじ
第1回お寺の午後3時。わたしの日常。 2016-06-02-Thu
第2回どよんとした日々。これはずっと続くのか。 2016-06-02-Thu
第3回続ける覚悟。小さな変化を味わうこと。 2016-06-02-Thu

住職である夫と二人でお寺をやっている寺庭(お寺の奥さん)7年目です。
ほぼ日の塾に参加したのは、新しいことを学びたかったから。
そして、もうひとつ。
仏教者である夫との日々の会話を、私ひとりが聞いているのはもったいない!もっと皆と共有したい!そのための方法と手段を学びたいと思ったからです。

わたしの好きなもの 「日常」

担当・河村みえ

第2回 どよんとした日々。これはずっと続くのか。

わいわいがやがや、
子どもたちの歓声が響く境内。

ふらっとお散歩にいらっしゃるご近所の方。

そして、もちろん、
お参りにいらっしゃる方、
ご相談をしてくださる方のチャイムが鳴る音。

こうなるまで、
とくに、お寺に入った最初のころは、
お留守番していても、どなたもいらっしゃらなくて、
「今日、まだ誰ともお話ししていないかも・・・
あ、でもさっきお電話あったな。セールスだったけど」
なんてことを、どよーんと思う日々でした。

お出かけしたいけど、いることがお仕事だからできない。
私は、この境内にずっといなくてはいけないのね。
そんなネガティブな気分になったりしていました。

このころに感じていたこと。
「これがずーっと続く」
「毎日毎日同じ」

でも、
少し周りを見渡してみると、
朝聞こえる音も違う。
「あ、うぐいすが鳴きはじめた。へたっぴだなぁ」
「あら、だいぶ上手になってきた」

木々の景色も違う。
「あれ、いつの間にか新芽が」
「つぼみが膨らんできた」
「緑がきもちいい」
「緑の色が濃くなってきた」

空気の匂いだって、重さだって、
お掃除をしなきゃいけない場所だって違います。

こういうひとつひとつをかみしめられるようになったころ、
人に対しても、違った対応をできるようになりました。
まず、挨拶をする。
お外のお掃除を積極的にやって、
通り過ぎる人に、ご挨拶。

いつの間にか、
お散歩の人が、境内に、
ふらりと入ってきてくれるようになりました。
ある方がかけてくださったことば。
「ここにお寺があるのは、知っていたけれど、
なんだか入りにくかった。
なんだか、最近、空気が変わりましたね。」

とても嬉しいことばでした。

第3回 続ける覚悟。小さな変化を味わうこと。