わいわいがやがや、
子どもたちの歓声が響く境内。
ふらっとお散歩にいらっしゃるご近所の方。
そして、もちろん、
お参りにいらっしゃる方、
ご相談をしてくださる方のチャイムが鳴る音。
こうなるまで、
とくに、お寺に入った最初のころは、
お留守番していても、どなたもいらっしゃらなくて、
「今日、まだ誰ともお話ししていないかも・・・
あ、でもさっきお電話あったな。セールスだったけど」
なんてことを、どよーんと思う日々でした。
お出かけしたいけど、いることがお仕事だからできない。
私は、この境内にずっといなくてはいけないのね。
そんなネガティブな気分になったりしていました。
このころに感じていたこと。
「これがずーっと続く」
「毎日毎日同じ」
でも、
少し周りを見渡してみると、
朝聞こえる音も違う。
「あ、うぐいすが鳴きはじめた。へたっぴだなぁ」
「あら、だいぶ上手になってきた」
木々の景色も違う。
「あれ、いつの間にか新芽が」
「つぼみが膨らんできた」
「緑がきもちいい」
「緑の色が濃くなってきた」
空気の匂いだって、重さだって、
お掃除をしなきゃいけない場所だって違います。
こういうひとつひとつをかみしめられるようになったころ、
人に対しても、違った対応をできるようになりました。
まず、挨拶をする。
お外のお掃除を積極的にやって、
通り過ぎる人に、ご挨拶。
いつの間にか、
お散歩の人が、境内に、
ふらりと入ってきてくれるようになりました。
ある方がかけてくださったことば。
「ここにお寺があるのは、知っていたけれど、
なんだか入りにくかった。
なんだか、最近、空気が変わりましたね。」
とても嬉しいことばでした。