もくじ
第1回ととのいました!が言いたくて 2017-04-18-Tue
第2回卑怯な即興ワザ 2017-04-18-Tue
第3回「10倍なぞかけ」に挑戦 2017-04-18-Tue

本が好きです。
あと歩いている時は、
だいたいラジオを聴いています。

なぞかけの魔法

なぞかけの魔法

担当・藤村

僕は、なぞかけが好きです。
「○○とかけて××と解きます。その心は□□」
という形式の言葉遊びです。

例えば……

「南国のビーチとかけて、休日の警察官と解きます。
その心は、至福(私服)の時を過ごしています」

という感じです。
言葉と言葉が意外なところで結びつくのが、
なんともたまりません。

なぞかけははっきり言って
特に笑えるわけでもありません。
でも思わず「うまいわー」と、ほれぼれしてしまう。

そんななぞかけの魅力について、
全3回でお届けしたいと思います。
日本初(?)の難なぞかけも、最後に披露いたします。

第1回 ととのいました!が言いたくて

なぞかけで有名なのは、
なんと言っても、ねづっちさん。

即興でなぞかけをする芸は一世を風靡し、
「ととのいました」という決めゼリフは、
2010年に流行語大賞を受賞しました。

そこでなぞかけという遊びを知った方も
多いのではないでしょうか。

僕がなぞかけを好きになったのは、
ねづっちさんのブレイクの少し前、
2006年のことです。

爆笑問題さんのラジオで、
なぞかけやダジャレなどを
投稿するコーナーがあったんです。
(実は毎週のようにそこでネタを採用されていたのが、
ブレイク前のねづっちさんでした!)

僕はそこでなぞかけの魅力にハマりました。

全然関係のない言葉が、魔法のように結びつく。
ふたつの異質なものが仲良くなる、
そんなイメージを抱きました。

ラジオを聴いているうちに、
ある日、自分もやってみたいと思いました。
ねづっちさんみたいにうまくはできないけれど、
じっくり考えれば作れるかも、と。

最初に作ったなぞかけはこんなものだったと思います。
お題は漫画。

漫画とかけて、回すオモチャと解く。
その心はどちらも「コマ」がつきものでしょう。

今思うと、あまり良い出来ではないですが、
その時付き合っていた女の子が絶賛してくれました。
なんか、それはとても、うれしかった。

たぶん、
そのときの自分はドヤ顔をしていたと思います。

好きだった女の子にほめられたくて、
会うたびになぞかけを披露していました。
毎回それに付き合ってくれて、
「うまい」「すごい」とほめてくれた彼女は、
いい子だったんだと思います。

それ以来、なぞかけにハマってしまいました。

なぞかけには
いろいろな作り方があると思いますが、
僕はなぞかけをこんなスリーステップで作ります。

基本的には、
2つの言葉に共通する「同音異義語」を探すのです。

たとえば、「メール」というお題が出たとします。

STEP1
頭の中で、
メールから連想される言葉をリストアップします。

送信 送る 受信 返信 文章 読む 
無視 定型文 絵文字 顔文字 既読
打つ 迷惑 メーラー 連絡 Gmail

などかなあ……

STEP2
この中から、
同音異義語(同じ発音で意味が違う言葉)
のあるものをピックアップ!

この中だと……返信……
同音異義語で「変身」がいけそうです!

送信-痩身もありますが、
痩身という言葉はあまり使わないのでボツにします。

STEP3
その同音異義語と関連のある言葉を探し、
「○○と解く」の中に入れる

変身といえば、仮面ライダーが良さそうです。

さあ、ととのいました!

メールとかけて、仮面ライダーと解く。
その心はどちらも返信(変身)が楽しみです。

これで一丁上がりです。
想像よりも簡単ではないでしょうか?

なぞかけは、
頭の体操になって、なんだか脳にも良さそうです。
脳がうにゅってなる感じがします。
全く違うものが、結びつく瞬間が快感なんです。
あれ、お前とお前、共通点あるじゃん、って。

言葉を長くするとより、「うまく」感じます。
例えば、

機長の隣にいる人とかけて、
ファッション誌の愛読者と解きます。
その心はどちらも副操縦士(服装重視)です。

ふたつ重ねたりする技も覚えました。

お店とかけて、音楽と解きます。
その心は、どちらも店舗(テンポ)や店長(転調)がつきものでしょう。

さっきの「メール」のお題も

メールとかけて、美容外科と解きます。
その心は、
受信(受診)して返信(変身)します。

と、ふたつ重ねるとよりうまくなります。

いま個人的にはまっているのが、
「真逆なぞかけ」と名付けたものです。

これは「かけるもの」と「解くもの」を
真逆の言葉にするんです。
例えば、

のんびりしている時とかけて、
急いでいる時と解きます。
その心は、どちらも休養(急用)がつきものでしょう。

新築タワーマンションとかけまして、
ボロボロの建物と解きます。
その心はどちらも買いたい(解体)でしょう。

でも、ネットで見かけた、

好きな人とかけて嫌いな人と解きます。
その心は、
どちらも離したくない(話したくない)でしょう。

という、すごくうまいやつに勝てなくて、
悔しいなあと思っています。
いつか、これを超えるものを考えたいです。

さらに、なぞかけの醍醐味はここから。
そう、ねづっちさんのようにこれを「即興」でやるのです。

誰かにお題を出してもらって、
その場で考えて、なぞかけを披露する。
そしてこの「即興」がめちゃくちゃ難しいのです!

(つづきます)

第2回 卑怯な即興ワザ