一週間後、2019年3月3日。co*bcへ。
- ──
-
こうやってお二人が会っている姿を見られるのが
実はレアだと耳にしたのですが、お二人は普段会うんですか?
- たくま
-
動画を撮るとかイベントだとか、何かをやるぞってときだけね。
何もないときはあまり会わない。
- ──
- 同じ団体のメンバーとしてやっていても……?
- かん
- LINEで済ませちゃうね。
- たくま
- OBCが接点。かんから「曲ができた」って。
- かん
- 何も言わずにただ送るときもあって。
- ──
-
会わなくてもそのやりとりが成立するんですね。
OBC結成当初からそういうやりとりはスムーズでした?
- かん
-
どうだったっけ。OBC結成前に僕が作曲を依頼されて
たくまくんを巻き込んで、その後OBCを結成して
初めてイベントに呼ばれて。終わった後って……?
- たくま
- すぐに「曲を作ろう」って話したよね。
- かん
- そうだ、僕が情熱的だった。すぐに曲を作って。
- たくま
- 送りつけてきたの。
- かん
-
イベントの次の日に1曲作って。
1曲だけじゃ足りないってことに気がついたからね。
- たくま
-
そこからとにかく曲を作る期間がスタート。
次に呼ばれたイベントでは曲ができていたからね。
それも2人で進められるから速い。
- かん
- あとは、妥協するからね。
- たくま
- 最初の頃は妥協していなかったでしょ?
- かん
- こまかいリクエストを……。
- たくま
- かんの頭の中にさ、確固たる完成形があったわけでしょ?
- かん
- うん、その頃は。だんだん妥協するようになった。
- たくま
-
でもかんの頭の中にある「こうしたい」が、
言葉では伝わってこないわけよ。
二曲目は特に、やりとりが多かったね。
「ここでグワンと盛り上げて」とかって注文がくるの。
ぼくからも最初の頃は聞いていたよね。
作曲のときに、「グワングワンってこういうこと?」って。
- かん
- うん。
- たくま
- 聞いたけれど、聞いてもわからない。最近はもう聞かなくなった。
- かん
- ははは。今はもう、曲を作ることが当たり前になった。
- たくま
-
ぼくは形にすることが得意だからね。
でも一人でゼロから何かを作ることはできない。
- ──
-
酒井さんから「もっとこうしたほうがいいんじゃない?」って
言うことはあるんですか?
- たくま
-
いや。かんから送られてきた原曲を
形に仕上げていくのがぼくの仕事だから。
あっているかあっていないかわからないけれど形にして、
違うって言われたら変えて。
ぼくから何か言うことはほぼないもんね?
- かん
-
うん、ないと思う。映像だったら僕より詳しいから、
リクエストすることがあまりなくなってきた。
- たくま
- 言わなくなったよね。
- かん
-
どこまで何をできるのか、わからないから。
音楽だったら、こう言ったらこれぐらいまで
やってくれるんじゃないかってわかるけれど。
映像は、こういうカットが欲しいって言うくらい。
- たくま
- ああ、そうそう。パンツ投げるからって。すごい押してきたから。
- かん
- そうそう。パンツを投げたいって。
- たくま
- 事前に(笑)
- かん
- そこだけはイメージが。
- たくま
- 脱いでいる様子が欲しかったみたいで。
- かん
- 絶対これ笑うから、子どもがって。
- たくま
- それだけは撮影前からずっと言っていた。
- かん
- ははははは。
- たくま
- それもまた忘れていたら、最後に「あれ?撮ってない」って。
- かん
- よくわからないな。
- ──
-
よくわからないって言えることも大切だと思っていて。
わかっているように話してごまかししてしまうことだって
あるんじゃないですかね。わたしはあります。
- かん
-
ははは。わかってるっぽく話しても仕方ないからね。
わかったふりしてあのドラム缶の動画を語られても、ちんぷんかんぷん。
- たくま
- そうだね。
- かん
-
解説とかしてみる?
実はここの、パンツを投げるシーンが。
- ──
- OBCとしてどうしたいって言語化するんですか?
- たくま
- しないよね。
- かん
- しない。言語化するって言葉を今まで使ったことがない。
- たくま
- ないない。なになにになるぞとか、最終的な目標ってことでしょう?
- ──
-
そうです。誰かと集まって何かをやるときに、
こっちの方向へ行こう、そのためにこう行動しようと。
- たくま
- OBCは楽しいことをやろうってことだけだね。
- かん
- たまに聞かれるけどね。
- たくま
- そう、聞かれるよね。
- ──
- こういう団体みたいになりたいよねって話もなかったですよね?
- かん
-
うん。だって知らなかったから。ははは。
わからない。不勉強。
- たくま
-
他の地域を取り上げた雑誌や本も何冊か読んでみたけれど、
やっぱり違うなって思ってあまり読まなくなっちゃったね。
確かに勉強になるけど。
- かん
-
どういうことを目指しているの? って。
そこでちゃんと言えば、もうちょっと信頼を得られるかもしれない。
表向きだけでもね。「明るい未来を想像しています」って。はは。
- ──
- 最初から特にこっち行きたいねっていうのはなく?
- かん
- こういうのは嫌だねっていうのはあった。
- たくま
-
そうだね、あるね。嫌なことはしない。
たまにそういう話が出ると、じゃあ変えようかって。その場その場でね。
- かん
- うん。
- たくま
-
誰かが嫌なことを誰かが得意ならそれで済むけど、
みんなできないよってなったらやめるしかないからね。
それこそ何も言語化されていないから何も縛られるものがない。
- かん
-
『いなかでバンバン』が始まったのも正月に連絡して、
よく意図がわかっていないけど来てもらって。
- たくま
- わからない。
- かん
- 説明はしたんだけどね。
- たくま
-
くっつき虫の動画が撮りたいので、
1月2日か3日に来られませんかってね。
- ──
- でも行くんですよね。
- たくま
-
そう、行くよ。断ることもないし。
くっつき虫の動画って何?って送ったとしても、ラインではわからない。
きっと彼の中で何かおもしろいものができる確信があって送ってきた。
全く意図はわからないけれど、それは行ってみようかって。
- かん
- 言葉にするのが苦手なんです。
- ──
- こだわりたいところは共有するんですか?
- たくま
-
こだわりたいところってそんなにないよね?
つくるもののクオリティーくらい。
- かん
- ああ、クオリティーはある。気にするね。
- たくま
- 曲も動画もね、写真も。
- かん
- 声のかすれ具合とか妙に気にしちゃう。
- たくま
- かんはこだわった結果、オリーブオイルを飲んでいるから。
- かん
-
ここで録音するようになってから、
一瞬で喉がガラガラになるようになっちゃって。
- たくま
- オリーブオイルをのどに流してかすれないようにしてるの。
- かん
- 最近はお湯を流して喉を温めたり、龍角散を飲んだり。
- たくま
- ワンフレーズずつ録音することもあるよね。
- かん
- CDだとね、気になっちゃう。
- たくま
- オリーブオイルを飲んでいるときは引いたけどね。
- かん
- 最初はたくまくんが言ったんじゃない?
- たくま
-
そうだっけ。何かで観たんだな、たぶん。
潤うから。かさつかない。
- かん
- まずい。
- たくま
- クオリティーにだけはこだわりがあるね、確かに。
- かん
- 嫌でも飲む。
- ──
- クオリティーをあげることについてはお話されていたんですか?
- たくま
- 別に何もないよね。言語化しないからね、全然。
- かん
- わからないけれど、だんだん上がっていった。
- たくま
-
やり取りの中で感じるよね。これはこうでって言われると、
ああここまでやりたいんだなって。
動画とか写真はぼくが機材が大好きだから、
そういうクオリティーは上げていきたくなっちゃう。
ただ、全然わからないよ。どこに向かっているのか。
- かん
-
最近の動画シリーズで、さらによくわからないことになっている。
なんなんだろう、これは。
- たくま
- でも子どもは喜ぶ。
- かん
-
『いなかでバンバン』の音に食いついてくれて。
もう一瞬で覚えたね。
- たくま
-
そうだねえ。この前息子の同級生が
「あ、『いなかでバンバン』出てたよね?」って声をかけてきた。
- かん
-
もうちょっとまとまったら紙でお知らせしないと。
YouTubeチャンネルがありますと。
- たくま
- 小学校ならDVDにしたら朝の会で流してくれるんじゃない?
- かん
- 続けていくしかない。
- たくま
- 続けていけばなんかある。
- かん
- よくわからないけど。基本よくわからないよねえ。
- たくま
- 5年続けてきた手応えはある?
- かん
-
どうだろうね。最近は落ち着いてきているというか、
どんどん余計なことをしなくなっている。
無理せずに、できることだけ。
ありがたいことに、自分たちのことを発信してくれる人もいるし。
自分たちで配った覚えがないのに、CDが減っていく。
- たくま
-
確かに、何も気負うものがないよね。
楽しいことをやっていけば、宣伝してくれもらえるようになって。
今までは広めることをかんが担っていたわけだからね。
- かん
-
でも今までもずっと基本的には受け身だったじゃない?
ありがたいことに、出会った方から作曲やイベントの出演依頼をいただいて。
最近だと僕に月刊誌のコラム執筆のお話も。
- たくま
-
イベントもさ、出演条件ってないよね。
出演料にこだわっているわけでもなく。
- かん
- 究極、いい写真が撮れればいい。
- たくま
-
かんはやり切るよね。周りがどうであろうと腹をくくってる。
そこがすごいなって思う。
- かん
-
アウェイでこそ燃える。
第一は子どもたちと踊りに行って、子どもたちとともに影響力を広げる。
- たくま
-
そうそう、子どもたちがそれで喜ぶからさ。
「ライブが次はいつあるの?」って聞かれる、
この期待されている感じね。嬉しいよね。
- かん
- 大人になったら覚えているのかなあ。変な男の先生と踊っていたなあって。
- たくま
-
それで、キラキラした写真があったらまた違うかもしれないね。
いい表情をした楽しそうにやっている姿が残っていたら、
それをみて楽しかったんだって思うかもしれない。
- かん
- それか、黒歴史か。
- たくま
- いいんだよ。OBCはなんでもいいの。
- かん
- なんか考えてみる? OBCの行動規範とか。
- たくま
- ゆるくなっちゃいそう。
- かん
- だってOBCは概念だから。
- たくま
- 概念(笑)
- かん
-
どこかの誰かが言っていたパクリだけれど、
そのワードがいいなって。概念って何かわからないけれど、OBCも概念。
- たくま
- いいね。だから、ぜひうちらのことを言語化してほしいよね。
- かん
- うん、見てみたい。
- たくま
- 楽しみにしています。
- ──
- ありがとうございます、やってみます。
(つづきます)