私が贈りものについて考えようと思ったのは、
ほぼ日の塾で書いたエッセイ、
「私の好きなもの」がきっかけだった。
40人の塾生が、各々の
「好きなもの」について自由に書くエッセイ。
私は迷った挙句、「手ぬぐい」について書いた。
いつもバッグに入れて愛用している手ぬぐい。
タンスから出して、並べてみると、そのほとんどが人から
プレゼントされたものだと気づく。
使うたびにもらった人のことを思い出して、ホッとする。
だからこんなにも愛着がわいて、好きなんだ。
書きながらその理由がわかった。
「贈りもの」の中でも手ぬぐいって、
なんだか特別な気がした。
そんな手ぬぐいに対する愛を、
初めてエッセイに綴った数日後。
私は新しい手ぬぐいが欲しくなり、
職場近くの手ぬぐい屋へ足を運んだ。
何度か来たことがある店。
店内に並んだ手ぬぐいを改めて見渡すと
前よりも一層、愛おしいものに見えた。
新柄や限定の柄もたくさん出ていた。
どれにしようかと迷っていたとき、
あの3人のことを思い出した。
「よし、次は私からプレゼントしよう」(左から「よろけ縞」「ひしめき瓢箪(ひょうたん)」「柑橘がさね」)
そして、3枚の手ぬぐいを買った。
私に手ぬぐいをくれた3人へ、今度は
私から贈ってみたいと思った。
自分用を買いに行った足で、まさか
「贈りもの」を選ぶことになるなんて。
特になんでもない日だけど、
たまにはこういうのもいいなって。
にやにやしながら店を出た。
愛媛、岡山、広島で暮らす3人へ、
後日、手紙と一緒にポストに投函した。
自分がもらって嬉しかった
「手ぬぐいの贈りもの」、
喜んでもらえるといいなぁ。
数日後、3人から
嬉しい返事が届くのだった。
(つづきます)