いよいよ、高尾山薬王院の
飯縄大権現に出会います。
ハタナカリーダー以外の
ご祈祷初心者の面々、緊張気味。
オイカワさんのイラストが
大活躍の回でございます!
ここが、高尾山薬王院の
ご本堂です。
「うわぁ‥‥」
──
仁王門の内側に
天狗がいます。
こちら、カラス天狗。
鼻の長い大天狗。
まさに天狗がいっぱいですね。
カラス天狗。
大天狗。
──
うきうきしてしまいます。
これから、我々5人、
本堂の中で
護摩祈祷していただくことに
なってるんですけれども‥‥。
──
なんだか、すごい音が
聞こえてきましたね。
ね。
何だろう?
この音はいったい何?
あちらです。
プー。ポワー。プー。
ほら貝だ。
ほら貝の生の音、
はじめて聞きました。
ぞくぞくと、ほら貝。
総勢おそらく10人くらい?
お坊さまがたが、
ほら貝を吹き吹き、やってこられました。
あの傘の方が、
祈祷してくださるのでしょうか?
──
しばらく外で呆然と
ほら貝の音を浴び、
我にかえって
一同、本堂へ。
本堂の内部は
写真撮影禁止となっておりますので、
ここからはオイカワさんに
お願いしましょう。
はい。
ぼくの活躍するときが
やってきました。
お願いします。
──
まずは、本堂のたたみに
みんなで座りました。
そして、目の前で、お坊さんたちが
お経をあげてくださいました。
こんなようすです。
薄暗い本堂内に座る我々。
祈祷の途中で、声をあわせて
「南無飯縄大権現
(なむいづなだいごんげん)」
と7回唱えるように教えていただきましたので、
みんなでそのようにしました。
(よしっ、いまだ!)
南無飯縄大権現、
南無飯縄大権現。
全員
(はいっ、いまですね!)
南無飯縄大権現、
南無飯縄大権現。
──
ほら貝あり、
響くかね類あり、
お坊さま方の通る声が
合唱のようになって、
ご祈祷は盛大かつ荘厳でした。
ソブエさんは
「南無飯縄大権現」のところで、
思わずリズムを取られまして。
あれは、ノッてしまいますね。
──
跳ねてましたよ、正座で。
そのくらい、リズムがすごかったんですよ。
──
すこし怖かったです。
気がつけば、真ん中から火が。
そうそう、すごい勢いで。
──
あの火はどこから来たのでしょう。
オイカワさん、どんなカンジでした?
こんなカンジ。
あの炎で、
煩悩を焼きつくすんですよ。
火の粉がキラキラと舞って
きれいでしたね。
あんなにたくさんの人数で、
祈祷してくださって、
なんだかお得でしたね。
申し訳ない気持ちに
なっちゃいました。
我々5人のために。
すごかったですよねぇ。
──
護摩祈祷が終わったら、
部屋の奥に進んで、
みんなで飯縄大権現像を
拝見しました。
こちらも撮影禁止なのですが、
薬王院からお借りした写真をごらんください。
飯縄大権現立像。
木造。江戸時代の作と言われる。
暗くて見えづらかったんですが、
まんなかの像の
目が光って見えました。
光ってましたね。
──
ほかにも、まわりにたくさん
天狗や立像があって‥‥。
オイカワさんの記憶だと、こんなカンジ。
こんなカンジ。
──
最後にお清めのお香のようなものを
てのひらにそっともらって
出てきました。
なんだかとても不思議な
体験でした。
おもちろかったね。
いいものいただきましたよー。
受け取った御護摩札。
護摩祈祷後に受け取った御護摩札には、
飯縄大権現のご神体の分身が
入っていると、
お寺の方がおっしゃっていました。
──
護摩をたいたときに
お札に分身が入るのだそうですね。
はい。
家の中の高いところに、
お札のおもて面が
南か東に向くように置くといい、と
教えていただきました。
しかし、
薬王院の秘仏になっている本尊は
薬師如来です。
そういえば。
薬師如来ではなく、
お札には、飯縄大権現の分身が入っている。
そこが、とてもおもしろいところだと思います。
──
「権現」とは、民を救うために
仏様が神様の姿になって
この世にあらわれること、といいますよね。
神様の姿の仏様って‥‥?
きっとまじりあっているのでしょうね。
昔、大陸から仏教が伝来したときに、
それまであった日本の信仰と
仏教が混ざり合う、
神仏習合(しんぶつしゅうごう)がおこりました。
その結果、もともと土着の神様がいた場所に
仏教のお寺が建って、
もともとそこに建っていた施設を
奥に移築することもあったようです。
ここも、そうだったのかもしれません。
山の奥には神社があるのではないかと
ぼくは思います。
──
(資料を見る)
「本堂」のその奥には、
「本社」があるようですね。
行ってみましょう。
(つづく)
秘仏
信仰上の理由により非公開とされ、
厨子などの扉が
閉じられたままになっている
仏像のことです。
秘仏には、
全く公開しないもの
(「絶対秘仏」)と、
期間を定めて公開するものがあります。
秘仏が生まれたのは、
特定のお祭りのとき以外には
神殿の扉を開けない、
神道の影響だという説もあります。
権現
日本の神様は、仏教の仏が
仮の姿で現れたものである、
という考え方
(「本地垂迹(ほんちすいじゃく)」)
に基づいた神仏への尊称で、
「権」は「仮」という意味です。
権現にはほかに、
「蔵王権現」
「愛宕権現」などがあり、
東京の秋葉原は
「秋葉権現」という神仏が、
地名の由来になっています。
2010-09-29-WED