第2回 あんなに表情が豊かだったんだ。
シェフ
何かぼくはライブでは、
視野がものすごく狭くなってたんで、
DVD観て、あ、こういうふうに舞台が作られて
こういうふうに歌ってたのかっていうのが
客観視できてよかったです。
山下
ちなみに、
舞台美術は堀尾幸男さんなんですが、
みゆきさんからは、武士道というテーマを
託されていたそうですよ。
シェフ
それで、障子みたいな。
山下
そうそう。
でも、そのまんま和な雰囲気にすると、
みゆきさんは面白がらない人なので
いろいろ考えて、
これがあなたの武士道ですというような、
提案をしたんだそうです。
あやや
すっごいかっこよかったです。
ゆーないと
シンプルだけど。
山下
堀尾さんは、ほんとうは奥に
山が見えるようなイメージを
持っていたんだそうです。
ただ、舞台の奥行きの関係で
それは断念なさったそうだけど。
シェフ
山が見える、廃墟のような工場跡のような。
なにかこう、
厳しさがある舞台美術でしたね。
あやや
そう、工場跡にも何か見える。
ゆーないと
見える、見える。
山下
だからわりとステージへの出入りの動線が
普通じゃないですよね、
ソデからじゃなくて
奥にある扉から出入りする。
あやや
そうそう後ろからね、
すっと消えて行きますよね。
ゆーないと
うん、うん。
あやや
途中で着替えるために消えるとこ、
すっごいかっこよかった。
赤いドレス着てたときに、
後ろ振り返って、
もう颯爽とすーっと消えるように。
かっこよかった。
シェフ
ドキュメント部分に、
ステージに上がる直前のみゆきさんが
何度か映るじゃないですか。
ゆーないと
うん。
シェフ
で、直前の素のみゆきさんから
はい、どうぞって言われたときに、
ぽーんと変わって出て行く瞬間が
すごかったよね。
全員
うんうん。
あやや
そうして舞台に上がったあとは、
やっぱり表情がすごかったですね。
突然、微笑みかけたりとか。
ゆーないと
これはDVDで観れてよかったです。
よこさと
確かに、コンサートホールでは
あんなに表情が豊かだというのは
やっぱり分からないですから、
山下
よこさとさんは、昔から中島みゆきさんを?
よこさと
中学のときですね。
シェフ
1965年生まれだから、
1978〜80年あたりですね。
あやや
おませさんですね!
よこさと
え、そうですか?
シェフ
当時は、そうでもないです。
中学生ぐらいで、
ラジオを聴いたりしてると。
山下
ラジオ文化ですからね。
よこさと
79年から、みゆきさんの
オールナイトニッポンがあったんです。
あやや
あ、そうなんですか。
シェフ
なんで、全然おませさんというような
意識じゃないと思います。
いまの中学生にとって、誰かというと、
ちょっとわからないんだけど。
よこさと
でも家にステレオがなかったんで、
スピーカー1個しかないラジカセで
一所懸命、みゆきさんのラジオで流れた曲を
録音して聴いてましたね。
お金もなく。
シェフ
ダビングとかもできない時代。
よこさと
できなかったね。
シェフ
レコードを買ってきて、
そのレコードをテープに
落とせないんですよ。
だから、録音できるマイクが内蔵されてる
ラジカセをスピーカーの前に持って来て。
ゆーないと
静かにしてて。
よこさと
そう、そういう時代ですよ。
あやや
でもわたしが子供のときも
テレビでトップテンとかを
ラジカセ持ってって録音してました。
よこさと
あれ、同じ年代ですか?
山下
そんなバカな。
シェフ
それ、あり得ないでしょ。
よこさとさんやぼくと、
ひと周り、違うんだよ、あやちゃんは。
あやや
うちが、びんぼうだったのかしら(笑)。
山下
ともあれ、あの時代は、
みゆきさんを映像で見れるっていうことは、
なかったですよね。
歌ってるところを見れるなんて。
よこさと
滅多になかったですよ。
山下
なかったですよね。
よこさと
だからコンサートは行ってましたね。
シェフ
あ、すごい。
よこさと
高校1年のとき、
初めてコンサートに1人で行って、
コウノ
へえ。
あやや
中島みゆきさんてデビューはいつですか。
よこさと
1975年です。
「アザミ嬢のララバイ」で。
同年ポプコンで
「時代」でグランプリを獲ってます。
シェフ
中島みゆきさんて70年代、80年代、
90年代、00年代で、オリコンの
シングルチャートで1位をとってる
唯一のソロアーティストなんですよ。
山下
おっきなヒットを
時代毎に出しているんですね。
すごいことです。
今回の「歌旅」のラインナップを見ても、
昔の曲も織り交ぜながら、
それを古いと感じさせず、
新しい曲もたっぷり入れて、
これだけ盛り上げさせるっていうのは。
シェフ
コンサートにおける曲選びの話は、
インタビューのときにしてくださっていて、
先ず、ファンクラブの人に
何が聴きたいですかっていうアンケートを
取ったんだそうです。
ところが、
これがみごとにばらばらだったので、
それを参考にしつつ、
とにかく全部、歌ってみて決める、
という選曲リハーサルをされたんですって。
これは、今の気持ちにぴったりだねとか、
これはちょっと違うねみたいなことを。
あやや
うわー!
コウノ
へえ!
シェフ
で、このラインナップに
なったんでしょうね。
それでも歌いたい曲が多かったのか、
日替りで違う曲を
歌うコーナーもありました。
あやや
DVDの順番どおりの進行だったんですか。
シェフ
えーっと、ほとんど順番どおりなんだけど、
「日替り」が6曲あって、
1回のコンサートでそのなかから3曲を
歌ったんですが、
DVDに収録されているのが
「with」「糸」「命の別名」で
CDのみの収録が
「EAST ASIA」「蕎麦屋」
「ホームにて」ですね。
そういうちがいはあります。
あやや
私、「糸」は、
ミスチルの櫻井さんが「Bank Band」で
歌っているので知ってました。
よこさと
あれもいいですよね。
山下
あれもいいですね。
あやや
私、何ていい曲なんだろうと思っていて、
てっきり櫻井さんの曲だと思っていて。
そしたら糸井さんが口ずさんでて、
糸井さんてミスチルまで知ってるんだって
驚いたことがあって。
こうの
糸井さんが口ずさんでいたのは
中島みゆきさんのほうだったんですね。
 

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(つづく)
2008-10-10-FRI
 
協力
ヤマハミュージックアーティスト
ヤマハミュージックコミュニケーションズ
ダ・ヴィンチ
JASRAC許諾番号   9008687008Y3802


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あやや こうの ゆーないと
     


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