「ファイト!」、歌ってますよね。 |
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歌ってますね。 槇原敬之さんや徳永英明さんなど、 男性シンガーも結構カバーしてますね。 |
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あと、提供曲も多いですよね。 「宙船(そらふね)」、「本日、未熟者」は TOKIOですよね。 |
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そういう新しい曲も含め、 過去、現在までを全部通して、 2007年にコンサートをするっていうのは どういうことかってことを みゆきさんってすごく 考えてるような気がするんですよ。 何かね、久しぶりに、 強烈にメッセージのあるライブを 観てしまったなあとぼくは思いました。 もう、何か、柔なこと、許さないぐらい、 厳しく頑張るしかないんだみたいな、 こう、強ぉーいものが、あったですよね。 |
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ね。わりとこう、なんとかなるよ、 大丈夫だよみたいな曲が多い昨今、 みゆきさんは厳しいですよね。 |
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厳しい。 |
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厳しいです。 |
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頑張んなきゃだめだっていう。 アンコール前の最後の曲には 「頑張ってから死にたいな」 という歌詞がありましたね。 |
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「重き荷を負いて」ですね。 |
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すごいタイトルだよね。 中島みゆき苦手、っていうひとって こういうところで びっくりしちゃうんだろうね。 |
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でも、ちゃんと聞くと、 ちゃんと励まされますよね。 わたし「1人で生まれて来たのだから」にも 結構、励まされましたよ。 |
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うん。 |
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人が1人で生まれてくることは 1人で生きていくためなのよ、 ってメッセージ、 結構、来ちゃいました、わたしは。 |
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『歌旅』、残念ながらコンサートは 行けなかったんで、 DVDを楽しむしかなかったんですけど、 すごくいいですよね。 DVDとしても。 |
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うん、何回も観れた。 |
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ドキュメント部分が 見られてよかったなぁと思うのは、 中島みゆきさんに対する 孤高のイメージというか、 もちろん作るときには 大変な思いして 作詞作曲されてるんでしょうけども、 それをコンサートにかけるにあたって、 1回、全部、プロデューサーに預けちゃって、 自分は、歌という楽器の一部のようになって、 いい興行、公演を作るっていうところに みゆきさんという人が入っていく姿が よくわかったということなんです。 すごいフラットな感じが。 |
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そうですね。 |
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プロデューサー‥‥瀬尾一三さんという 髭のおじさんが音楽監督ですよね。 完全に裏方として、 すごい厳しかったですね。リハーサル。 |
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ね、ヴァイオリンの音の、 何かこう、細かいことを指示していましたね。 |
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そう、ビックリした。 ほんとうにこまかいニュアンスまで 指示しているから。 |
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音の終わり方が、 それだと重いだろう? なんて。 |
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新鮮でした。 厳しいのはみゆきさんなのかと思ってたから。 |
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みゆきさんはそこで 歌の表現について悩んでいる ひとりの音楽家でしたよね。 必死ですよね、中島みゆきは歌い手として。 |
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うん、うん、うん、 ビックリしました。そうなんだと思って。 |
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あれ、作り手の中島さんじゃないですよね。 |
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この『歌旅』を成功させたいっていう メンバーの1人なんですよね、みゆきさんもね。 DVDがそういう作りになってて。 |
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‥‥最後は素晴らしいですね。 |
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ドキュメントの最後ですね、 素晴らしかったですね。 交互に、2、3曲やったら ドキュメンタリーが入ってみたいな作りで、 ステージは1回の公演の曲順通りに、 ドキュメンタリーの方は 初日から楽日までを追ってくんですが、 最後の最後は、アンコールの最後の曲で 先にはけるみゆきさんを 裏のカメラが映すんです。 舞台ではエピローグのように演奏が続いている。 みゆきさんは、袖から、 ジャンパーを羽織ったまま、 しゃがんで、終演間際の演奏者たちと 観客を、本当に嬉しそうに見てるんですよね。 |
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うん。 |
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そして、1人で拍手をしてるんです。 |
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拍手してましたね。 あれは、みんなにたいする拍手ですよね。 言ってて鳥肌が立ちますが。 |
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すごかったですね。 |
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いまの世の中でがんばっている人に 本気でメッセージを伝えたい、 応援したいと思っている 中島みゆきっていう人がそこにいて、 で、ちょうどちらっと、客席で、 背広着てるおじさんが踊ってるんだよね。 |
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そう、チラっと見えるんです。 「背広の下のロックンロール」が。 「背広の下のロックンロール」という曲は、 背広を着ている男たちは、 ほんとうは願いや怒りや哀しみや悔しさや愛を たくさんかかえこんでいて、 でも、しっかりと生きている、 というようなことでしたね。 |
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DVDでは、みごとにそのロックンロールが、 見えた気がしましたね。 |
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ハイ、見えましたね。 |
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アンコールが 「本日、未熟者」 「地上の星」 「背広の下のロックンロール」。 みごとな構成だと思いました。 さらにドキュメンタリーはもう1回戻って、 最初のステージにのぼる中島みゆき、 ってところで終わりましたよね。 あの瞬間で、また観たくなるんですよね。 |
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何回も観たくなるんですよね。 |
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また観たい! |
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美術の、武士道というテーマを聞いてたから、 やっぱ勝負に出て行ってるんだっていうような 見え方もするし。 |
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自分に置き換えて見ちゃうよね。 |
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甘くないぞみたいな。 |
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自分の仕事に対する姿勢をね、 もうほっんとに、反省しました。 |
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(笑)。 |
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こんな、命を削るようにしてさあ。 |
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ほんと、削ってましたね。 |
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リハーサルのときに、 譜面に埋没するみゆきさんの横に トローチが映ったでしょう。 |
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そしてトローチがここにあって、 譜面を食らいつくようにして見ている みゆきさんが映っているんですよね。 ああ、努力なんだと思うんですよ。 ‥‥あの人、ほんとに近眼なんですね。 もう3センチぐらいまで近づいて 譜面を見てましたよね。 |
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ステージでも、近眼のままですよね。 |
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あ‥‥。 |
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あ‥‥いえ、だから、 みゆきさんはよこさとさんを 見てたと思うんですけども! |
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(笑)。 |
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フォローしなくていい。 |
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DVDを観る限り、 みゆきさんがどこを観ているかは 分からないくらい 遠くを見たような目をされてたんですよ。 よこさとさんを見ながらも。 |
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フォローしなくていい。 |
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(笑)。 |
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あれは、近眼ゆえなんですね。 |
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じっさいステージに立って、 ライト、当たっちゃうと、 目がいい人でも、 あまり客席のこまかいところは 見えなかったりもしますからね。 |
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見えないですね、多分。 でも、大きく、「みんな」のほうを 向いているわけですよね。 |
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マイクのある場所への 小さな階段の上り下りも 何度も練習されていましたよね。 |
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そう、はけるときも、 ちょっとかっこよく、 スカート、たなびかせて。 |
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『夜会』で3時間、お芝居をする人ですから、 ステージ上での記憶力と再現力は 半端無くある人なんだと思いますよ。 眼をつぶっててもできるように なってるんじゃないですかね、もしかして。 |
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うまく表示できない方は、こちらからどうぞ。 |
|||
(つづく) |
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2008-10-13-MON | |||