第1回 行ってきました、大徳川展!
シェフ
はい、感激団ですー。
永田
よろしくお願いします。
あやや
すごかったですねー。
べっかむ3
見応えあったねー。
モギ
待たれい! 待たれい!
シェフ
なにごとですか。
モギ
率爾ながら、お手前方は、
この展覧会がいかに希有な催しであるか、
ご承知であるか!
シェフ
ふつうにしゃべりなさいよ。
永田
なにしろ、ほら、モギちゃんは
骨の髄から徳川ファンだから。
あやや
ええっと、この展覧会は、
徳川御三家に伝わる貴重な品々を
一堂に集めたものなんですよね。
べっかむ3
資料では、徳川将軍家、尾張徳川家、
紀伊徳川家、水戸徳川家をはじめとする
全徳川家の至宝、300余点が集まった
史上初の展覧会だということです。
モギ
さようである!
まさに「大徳川展」の名に
恥じぬ充実っぷり!
それがしなどは、
東京国立博物館に向かう道中、
天にも昇る心持ちでござった!
永田
その、天にも昇る様子がこちらです。



シェフ
まぁ、そういうことで、
異常にテンションの高い人はほっといて、
展示内容について
しゃべっていきましょうかね。
モギ
あいや、しばらく! しばらく!
シェフ
なによ、もう。
モギ
率爾ながら、展示内容に入る前段として、
東京国立博物館のある上野公園の敷地内に
寛永寺があるという、この因縁について
触れておくべきではないかと!
シェフ
なにを言ってるんですか、この人は。
永田
恐れながら申し上げまする!
モギ殿がおっしゃっているのは
徳川慶喜公のことでございまする!
シェフ
のらないで、のらないで。
あやや
あ、そうか、今日のメンバーは
幕末ファンと一般人に
極端に分かれているんですね。
私と武井さんは一般部門で‥‥。
シェフ
べっかむ3は?
べっかむ3
なれば、それがしが、
寛永寺の歴史について
資料片手にご説明申し上げましょう。
シェフ
そっちか。
あやや
ヤバイ。分が悪い。3対2。
べっかむ3
寛永寺は徳川将軍家の菩提寺であり、
徳川最後の将軍、
第十五代将軍徳川慶喜公が
幕末に謹慎した寺としても知られております。
シェフ
よしのぶこうが‥‥なんだって?
あやや
ようするに、幕末に
将軍が謹慎してたお寺ってことですね。
モギ
朝敵の汚名を着せられた
徳川最後の将軍が蟄居あそばされていた
寛永寺のそばで、
徳川家の至宝が公開されるとは、
なんたるめぐり合わせの妙でござろうか!
べっかむ3
さらに申し上げれば、
寛永寺は彰義隊の活動拠点としても
知られる場所にございます!
シェフ
わかった、わかった。
永田
モギ殿、モギ殿、
しかも上野公園の高台には、
かの西郷隆盛の像もございますぞ!
モギ
因縁、浅からず!
江戸城無血開城の立役者のひとり、
西郷隆盛の像が鎮座する地で
「大徳川展」開催とは、なんたる皮肉!
あやや
もう、いいよー。
シェフ
「皮肉」っていえばね、
ぼくの中学のときの歴史の先生が、
なにかっていうと
「歴史は皮肉ですねぇ」って言う人でね。
あだ名が「皮肉」だったんですよ‥‥。
あやや
内容! 展覧会の内容!
さっさと内容についてしゃべりましょう!
シェフ
「皮肉」はね、ヘアースタイルが独特でね、
こう、てっぺんはハゲてるのに、
おでこの上だけなぜか白髪でね、
どういうわけか、
全体にパーマかけててね‥‥。
●権現様(徳川家康)の使用品
モギ
で、展示内容ですけどね。
シェフ
時代劇口調はもういいんですか。
モギ
面倒なんだもん。
永田
さすが「大徳川展」というだけあって、
かなりのボリュームでしたね。
べっかむ3
見応えありました。
あやや
古いのがいっぱいありましたね!
シェフ
そ‥‥そりゃそうでしょ。
モギ
そりゃ、あるよ!
「大徳川展」なんだもん!
永田
ものすごい感想だ。
べっかむ3
あははははは。
あやや
すいません、すいません。
シェフ
ええと、まずは最初のセクションに
武器や馬具、ヨロイなどがありまして。
冒頭、いきなり目を引いたのが、
巨大な金の扇子!
モギ
ここで、
すかさず写真を載せるべきなのですが、
今回、展示品の写真の手配が難しく、
不肖、ワタクシが
スケッチさせていただきました。

クリックすると、拡大してご覧いただけます。

永田
こりゃひどい。
べっかむ3
ただの黄土色の扇子だ。
シェフ
威厳もなにもありませんね。
モギ
権現様に申しわけない‥‥。
あやや
本当はもっと、勇壮で、
キンキラキンで、でっかいんですよー!
べっかむ3
資料によれば、全長221センチです。
シェフ
これは、なに? 馬印ってのは‥‥。
モギ
ようするにアレですよ、
合戦の最中に、大将んところに置いといて、
「大将、ここにいるよー」って
知らせるようなもんですよ。
シェフ
なんつう大ざっぱな説明だ。
あやや
この横のところに竿を挿すわけですね。
モギ
そう。そんでバサーっとね。
シェフ
目立つなぁ。
でも、目立つことが目的なんだよね?
永田
戦場では、士気を高めるんでしょうね。
「あそこに将軍さまがいらっしゃる!」
みたいなことが。
あやや
でも、本当に、キンキラキンですね。
もう、すごい金色ですよね。
モギ
権現様といえば、なにかと金色ですが。
べっかむ3
あの、金色の羽織もすごかったですよ。
永田
ああ、あの、ポンチョみたいなやつね!

クリックすると、拡大してご覧いただけます。

シェフ
このイラストでは
まったく伝わってないと思いますけどね。
モギ
金色の表現なんてムリだっつーの!
永田
逆ギレ。
あやや
でも、この羽織、
武井さん、絶対似合いますよ!
3人
あー、似合う、似合う!
シェフ
あ、そぉー?
モギ
シェフがまんざらでもない
反応を見せたところで
「金の羽織をまとうシェフ武井」も
イラストにしておきましょう。

クリックすると、拡大してご覧いただけます。

シェフ
‥‥‥‥。
永田
こりゃひどい。
べっかむ3
さえない。
あやや
しょぼくれチャンチャンコおじさん
みたいになってますね。
モギ
死んでお詫びを。
シェフ
死ななくてもいいけどさ、
こういうものを家康公が
本当に身にまとってたという事実が、
鑑賞するうえではものすごく大きかったよね。
あの、美術品としての価値みたいなものは、
正直、よくわからないものもあるんだけど、
そこに「誰が使ってた」みたいな価値がつくと
途端に「うわぁ!」って思えるんだよね。
あやや
そうそうそうそうそう、
「これ、使ってたんだー!」っていう。
永田
その意味でいうと、
すごかったのは、日用品ですよ。
メガネとか、鉛筆とか。
モギ
そうそう! あれはすごい!
家康公が使ってたメガネ!
家康公が使ってた鉛筆!
永田
なんか、「大徳川展」っていう
イメージからいうと、
鎧甲とか、着物とか、巻物とか、刀とか、
豪華絢爛な宝物を想像しちゃうんだけど、
じつは、メガネとか鉛筆とか、
「その人が使ってた」っていうことが
想像しやすいもののほうが、
断然、グッとくるんだよね。
シェフ
そうなんですよねー!
べっかむ3
家康公が使ってた
ハサミも興味深かったですよ。
昔のハサミっていうと、
舌切り雀に出てくるような、
U字型で、指でつまんでパチンと切るような
糸切りバサミを想像しがちなんですけど、
いまと変わらない、
ふつうのハサミでしたよね。
ヘアサロンの人が使うような、
丸い指を入れる穴があるハサミ。
モギ
あ、そうだったねー。
べっかむ3
刀や鎧甲って、いまは使わないから、
現実味が薄いんだけど、
あのハサミは、自分でもよく使う形なだけに、
すごくいまの景色と
つながってる感じがしました。
シェフ
うんうん。そのあたりの
「つながってる感」が
この展覧会の醍醐味だよね。
永田
メガネと鉛筆とハサミの
イラストはいいんですか?
モギ
‥‥いちおう描いたけど、
見ないほうがいいと思うよ。
あやや
どれどれ?

クリックすると、拡大してご覧いただけます。

永田
こりゃひどい。
あやや
ただの文房具じゃないですか!
べっかむ3
しかも、小学生が描いた文房具だ。
シェフ
この、焦げたチクワみたいなのはなんだ?
モギ
無礼な! これは鉛筆!
チクワじゃなくて、権現様の鉛筆!
永田
ていうか、ただの棒?
あやや
なにしろ威厳のかけらもありませんね。
モギ
うわーん! 権現様、ごめーん!
 
(つ、続きます‥‥)
2007-11-21-WED

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いままでのほぼ日感激団。 特別展「大徳川展」編

今回の感激団メンバー
モギ べっかむ3 あやや
シェフ 永田  





 
くわしくは、こちら

大徳川展 開催概要
会期:2007年10月10日(水)
       〜12月2日(日)

場所:東京国立博物館・平成館
   (上野公園)

時間:午前9時半〜午後5時 
   金曜日は午後8時まで開館。
   入館は閉館の30分前まで。
   毎週月曜日休館。