ホーメイ、大流行か?! 忘年会対策から、民族音楽研究まで。 |
一週間のごぶさたでした。 目指せホーメイアナ、今泉です。 第一回は くだらない内容だったにもかかわらず 皆さまからいろいろとメールをいただき、 感謝感激雨アラレでございます。 感謝の気持ちをこめて 皆さまからのホーメイに関するメールを 「ホーメイル」 と名付けることにいたしました。 え、なぜって? 理由は特に無いんですが。 その、皆さまからの ホーメイルを読んでいたところ 面白いことに気づきました。 メールですから ホーメイを文字にしなければならないのですが、 これが人によってさまざまなのです。 「ミ゛ィィ〜ユ゛〜」 (はちぞうさん) 「ヴェ〜〜〜」 (maruchangさん) 「ウイィヨヨヨヨィィィィン」 (今泉さん) あ、最後のは私がこないだ書いたやつです。 しかし、皆さん苦心していらっしゃいますねぇ。 「ミ」に「゛」って。 私が国語の先生だったら迷わず×です。 でも確かに、ホーメイを文字にするのって 難しいのですよ。 そういえば。 先日、打ち合わせのため 大掃除を終えたばかりの 東京糸井重里事務所を訪れた際、 巻上さんインタビューのテープ起こしをしていた ほぼ日のくさなぎさんが 「ああっ! ホーメイってどうやって書けばいいの!」と ヘッドホンをしたまま 突然叫んでいましたっけ。 ご本人はつぶやいたつもりだったようですが あれはほとんど叫びでしたね。 音声の文章化に慣れているくさなぎさんでも ホーメイを文字にするのは難しいようなのです。 なので、これからは 音声や映像を駆使しつつ ホーメイについて お伝えする予定でございます。 今回は ホーメイの音声が 聴けるようになっています。 ぜひ聴いていただいて みなさんも ホーメイを文字で表してみて下さいね。 ホーメイル、お待ちしております。 では本題に移りましょう。
というわけで。 えっ。あらすじが短いですか。 ほんとだ。 えー、前回までが知りたい方は 前回を読んでいただくとして、 今回です。 トゥバのこともホーメイのことも よくわからない私が行くところといえば もう巻上公一さんのところしかありません。 なんたって巻上さん、 「日本トゥバホーメイ協会代表」 ですもんね。 かくして 巻上公一さんの家を訪ねることにした私は、 10月某日、 ほぼ日アロハ・トミタさんと 東京駅の八重洲口で 新幹線の出発時間よりも ちょっと早めに待ち合わせをしました。 いざ湯河原へ! …の前に、 大丸東京店地下食品街ごちそうパラダイスへ! なんでまたそんなところへ行ったかというと、 「感心力」の取材の時に食べた 「日本橋 弁松総本店」のお弁当がおいしかった、と トミタさんに話したところ、 並々ならぬ興味を示していたので また買うことにしたのです。 トミタさんの今回の取材の裏目的は 行きのお弁当と 帰りの足湯だったらしいです。 本当はこのとき、 巻上さんへのおみやげも買うつもりだったのですが お弁当選びに夢中になって すっかり忘れてしまいました。 ダメだねぇ。 そんな脱線もしつつ お弁当もたいらげて 無事巻上さんの家に到着した私達は、 改めてトゥバやホーメイについて 教えてもらうことになりました。
朝、本場のホーメイで目覚めるというのは どんな感じなんでしょうねぇ。 そんなに気持ちいいなら ぜひホーメイをマスターして 愛する人をホーメイで起こしてあげる、なんてのは どうでしょう。 でも、子守唄代わりにやると ヘンな夢見そうですね。 ちなみに。 トゥバ元年に大きな役割を果たした 舞踏家の田中泯さんは、 映画「たそがれ清兵衛」の余吾善右衛門役で 日本アカデミー賞の 最優秀助演男優賞を受賞なさった方です。 「ああ!」と思い出す方も多いのでは。 あ、そういえば。 前回「倍音」を宿題にしたところ 本当にレポートが届いてしまいました。 なんて優秀なほぼ日学校の生徒たち。 どれどれ。 >倍音の話の前に >まずは音の話から。 >音が、空気の振動・波だって事は有名ですよね? >それで、 >その振動の速さ、振動数 >(一秒間に何回、振動しているか)が >音の高さを決めているんですよ。 >振動数が大きいほど、音(音程)も高いんですよ。 > >それで、 >倍音というのは、振動数が元の2倍、3倍、4倍‥‥ >の音の事を言う訳です。 > >音というのは、元々、色々な振動数の音が >混じっているものなんですが、 >音程がある音では、 >メインの振動数の音と、その倍音の音が、 >成分として多くなっているんです。 >‥‥ ‥‥グー。グー。グー。 ‥‥パチン!(←鼻ふうせんが割れた音) はっ。 いけない。あまりに優秀なレポートなので ついうっかりウトウトと。 生徒さんが優秀すぎて 先生ついていけません。トホホ。 (玉井さん、宿題のご提出ありがとうございました) ええと、ダメな先生なりに 倍音について頑張って説明してみると。 ピアノの真ん中辺りの「ラ」の鍵盤を ポーンと叩くと 当たり前ですが「ラ」の音が出ますね。 この真ん中へんの「ラ」は 周波数440Hz(ヘルツ)の「ラ」です。 周波数ってなに、という疑問が湧いてきますが それは置いといて。 実はこのピアノの真ん中へんの「ラ」を 叩いたときには、 440Hzの倍の周波数の音が 一緒に鳴っているんだそうです。 つまり、 2倍の880Hz、3倍の1320Hz、 4倍の1760Hz、5倍の2200Hzの音も 一緒に鳴っている、ということなんですね。 ちなみに、周波数が2倍になると 音は1オクターブ上になります。 440Hzの2倍の880Hzは 1オクターブ上の「ラ」、 その1オクターブ上の「ラ」は 880×2で1760Hz、になりますね。 ちなみに3倍の1320Hzは「ミ」 5倍の2200Hzは「ド#」になります。 え、ちょっとお待ちなすって。 「ラ」も「ラ」以外も そんなにたくさん一緒に鳴っているって何? 「ラ」は「ラ」じゃないの? そのお悩みもごもっとも。 実際には、何も混じっていない音は (これを純音といいます) ピーという単純な音になるそうです。 耳の検査の時に ピーという音を聞かされますよね? あんな感じの音。 あと、テレビの番組が終わったあと いろんな色の縦じまが画面に出ているときに 鳴っているピーという音も純音です。 (あれは1000Hz、つまり 1KHzの音なので 放送業界では 1K、いちケーと呼ばれています。 あら、これってオトナ語?) でもピアノの音は もっと複雑に、深く聞こえますよね。 実は、楽器に限らず、人間の声にも いろんな倍音が 複雑に混ざっています。 だから、同じ高さの音でも 楽器によって、人によって 音の感じ、音色が違うのですね。 そして、ホーメイやホーミーは、 元々の音と一緒に、 含まれている倍音を 口の中で強調して響かせることで 同時に複数の音が出る、ということらしいのです。 ああ、もう、先生いっぱいいっぱいです。 皆さんおわかりいただけました? しかもこの説明、かなりざっくりなので 間違ってたらすいません。 訂正ホーメイルお待ちしております。 実際に、純音と倍音が聴けるサイトがありました。 「目で見る、音で聴く周波数分析」 http://adlib.rsch.tuis.ac.jp/~akira/soundpro/waveform.html 聞き比べてみると、違いがわかりますよ。 さてさて。 今回はたくさんお勉強をしてしまいましたね。 先生疲れちゃいました。 でもこれからが本番のお勉強です。 そう、ホーメイ実践編でございます。 はなまるアナは ホーメイアナになることができるのか? それは次回のお楽しみです。 ひとつ付け加えておくと テープ起こしをしていたくさなぎさんは、 ホーメイをどう書くか悩みつつ 「今泉さん、 どんどん上手くなってる!」と ヘッドホンをしながら叫んでいました。 これは一体どういうことなんでしょうねぇ。 ふっふっふ。 では最後に トゥバのホーメイを聴いてみましょう。 今回のホーメイフェスティバルのコンサートにも 出演する、 オンダール・モングンオールさんの 「バヤンドゥガイ」という曲です。 この方、17歳にして 第一回国際ホーメイフェスティバルのグランプリに 輝いたという、トゥバではとても有名な方です。 〜歌詞の内容〜 家畜は草を食みにゆく、オーアイオー すげの草多きバヤンドゥガイ、アイオー 共同体に所属する私の家畜が 食みにゆく、オーアイオー 恩恵深きバヤンドゥガイ、アイオー (バヤンドゥガイはトゥバの地名) ♪「バヤンドゥガイ」を聴く 次回の更新は11月17日(月)を予定しています。 いよいよ今泉アナがホーメイに挑戦します。 実際にホーメイがどのような表情で発せられているか 映像とともにお届けできるように準備中ですので、 どうぞお楽しみに!
|
2003-11-13-THU
戻る |