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私が訪れているのは
福岡県京都郡みやこ町です。
北九州市の南にあって、
大分県とも接している
ほそ長い県境の町です。
みやこ町には宿がないので
昨晩は行橋市(ゆくはしし)の
駅前のホテルに泊まりました。
お久しぶりです、みこちゃんです。
というご挨拶もそこそこに、
びっくりしました!
4月のなかばに、
「福岡県みやこ町編、終了でーす。」
とシリーズを締めていたのですが‥‥
終了ではありませんでした!
スソさんの心は、まだみやこ町。
というわけで、
みこちゃんの早とちり、失礼しました。
久しぶりの「ひとり古墳部。」
どうぞおたのしみくださーい。 |
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朝9時、ややどんよりした曇り空。
ホテルに
車で迎えにきてくださった川本さん。
「実は古墳以外にも重要なものがありまして…」
と言って向かった先は
豊前国分寺(ぶぜんこくぶんじ)。
目の前には
真っ赤な三重の塔がそびえたっていました。
奈良時代に聖武天皇の勅命によって
全国68箇所に造られた寺院のひとつなの。
豊前国分寺は、天平13年(741年)に建立。
当時は「七重の塔」があったとされているのよ。
ふー‥‥。
ここの解説も久しぶり。
つたない埴輪ですけれど、
なにとぞよろしくお願いいたします。 |
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「七重の塔は、戦国時代に焼失して
これは江戸に創建されたものです」
「そうですか、新しいのですねー」
なんとなく、
横にある石仏のほうへ
目が引き寄せられていきます。
すこし怖いわ‥‥。
だって石仏は、かたい石だから。
一方、埴輪は土なの。
ぶつかったら、割れるのは埴輪‥‥。 |
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鐘楼門や弁天池を眺めながら
静かな境内を散策。
朝、こうしてきれいに手入れされた
お庭を歩くのは、
ゆったりした気分になって
なかなかいいものですねー。
まあ、きれいな景色。
すこし、ホッとしますね。
だってスソさんの写真はいつも、
「土の茶色」と「石の灰色」が多いから。
もちろんそれが「ひとり古墳部」の
いいところなのだけれど、
あざやかな景色はやっぱりきれい! |
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さて、再び塔の前。
川本さんが鍵を開けて
中へ入っていきます。
薄暗いのですが、
なんとなくにぎやかな気配が...
柱まわりにやたらと彫り物が
施されています。
これって職人が
勝手に彫ってしまったのでは?
と思ってしまうような自由奔放なもの。
隅のほうに奈良時代の瓦が
ひっそりと置かれてます。 |
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塔を出て、隣の案内所へ。
奥に資料展示室がありました。
出土した古い瓦が並んでいます。
そっか、川本さんは
国分寺があったみやこ町が
かつては北九州の重要な拠点だった
ということをあらためて
伝えたかったのですね!
「近畿地方系」「太宰府系」
「朝鮮半島系」があることから、
創建当時には
北九州と近畿や大陸との交流が
あったことがわかるのです。 |
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国分寺を出発し、車で5〜6分ぐらい。
住宅地の中、ちょっと脇道に入っていきます。
その突き当たりに
ピラミッドみたいな古墳が!
彦徳甲塚古墳
(けんどくかぶとづかこふん)は、
6世紀後半の円墳よ。
直径は約24mあるの。
‥‥「土の茶色」が、多くなってきたわ。 |
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角張って見えて方墳だと思いましたが、
輪郭は丸い!
登ると、
見上げているよりも高さを感じます。
ぐるっとまわりを見渡してみます。
周辺との標高差は南側で8m、
北側で6mあるのよ。
‥‥どんどん「土の茶色」が。 |
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遠くの山並みが
うっすら見えるところもあって
晴れていれば、
もっとまわりの地形との関係も
わかったのかもしれません。
七重の塔を造ったとき、
これは見えていたのかなー? |
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「じゃー次、行きましょうか」
と、川本さんの車で出発。
少しなだらかな坂を登ったところで
すーっと、その車は止まりました。
5分ぐらいしか
乗っていなかったかもしれません。
あ、右手前方に古墳らしきものが!
甲塚方墳(かぶとづかほうふん)ね。
6世紀後半に築造された、
九州最大の方墳です。
約43m×35m、高さ9mという大きさなの。
正確に、東西南北に面して
造られている古墳よ。 |
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「ここは中に入れますよー」と川本さん。
横穴式石室の入り口に向かっていきます。
手を広げて迎えてくれる開口部の石積み。
この形は熊本のオブサン古墳の形に
似ているなあ〜。
近づくにつれ、
ぐんぐんと石の大きさを感じます。
古墳の南面に、
横穴石室が開口しているのよ。
‥‥「石の灰色」も、きたわ。 |
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前室から玄室へ。
私は以前、
何度か石室で頭を打ったせいもあって
しゃがんで慎重に歩くのが癖になっていますが、
川本さんは慣れた様子で
スタスタと中に入ってしまいました。
広い! 天井も高いです。
下の方は四角く切り出した
大きな石をドンと置いています。
でも、上の方は小さい石を挟んだりして
苦労のあとが見えます。
玄室は正方形に近くて、
一辺約3.7m、高さは4.4mもあるのよ。
古くから開口し盗掘されていて、
出土品は少ないんですって。
‥‥それにしても、石。 |
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床は小さい丸石が敷き詰められています。
と、おなじみの景色が続きますが‥‥
それぞれの古墳に、
それぞれの個性があるのです。
スソさんが撮ってきてくれた写真から
微妙な違いを味わってくださいね。
それが「ひとり古墳部。」の醍醐味!
それに、土と石のこの景色、
やっぱり私は落ち着きます。
だってみこちゃん、出土物だから。 |
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風通しの良い
気持ちよい場所にある古墳です。
ぜひ、古墳の上に登りたい!
今回はこのあたりで。
最後にクイズです。
「このあとスソさんは、大人なのに、
古墳の上に登ろうとするでしょうか?」
‥‥みなさん大正解です!
次週、
「古墳に登るスソさん」をおたのしみに!
土と石の、
いつもの景色でお待ちしていますね! |
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