あーちん | これ、描いてきました。 | |
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谷川 | あ、『すき好きノート』だ。 見せて、見せて。 ※『すき好きノート』‥‥ 谷川俊太郎さんと安野光雅さんが企画した、書き込む本。 好きなものや好きなことを谷川さんのガイドにそって、 字や絵でうめていくと1冊の本ができる。 左から開くと、こどもの「すきノート」で、 右から開くと、おとなの「好きノート」になっている。 |
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あーちん | はい。 | |
谷川 | きれいに描いてるね。 (ページをめくりながら) 緑茶が好きなんだ。 |
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あーちん | うん、好き。 | |
谷川 | ふぅん。 あと、おふとんが好きなんだ。 |
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あーちん | はい。 | |
谷川 | 何月何日生まれだっけ? | |
あーちん | 11月12日。 | |
谷川 | ということは、何座? | |
あーちん | さそり座。 | |
谷川 | さそり座かぁ。 ぼくも、布団に入るのがすごい好きで、 いて座だから好きなのかなって 思ってたんだけど、ちがうんだ。 さそり座でも、布団に入るの好き? |
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あーちん | うん、好きです。 | |
谷川 | いやぁ、すごいね、ちゃんと描いてる。 大人のほうはまだ書いてないんだね。 見せてくれて、ありがとう。 |
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あーちん | え? あーちんが持ってかえるの? | |
谷川 | あれ、くれるの? | |
あーちん | そのつもりだった。 けど、後ろのおとなのページ書いてない‥‥。 |
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谷川 | じゃあ、おとなのほうのページも お母さんが書いて、それからもらおう。 この本を担当したひとに見せたいなぁ。 こんなにきれいに描いてあるの、 めったにないからさ。 それで、また返すよ。 |
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あーちん | わかった。 | |
谷川 | うちには絵本がいっぱいあるんだけど、 見てみる? |
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あーちん | 見たいです! | |
谷川 | じゃぁ、こっちに来て。 (ふたりで書庫に移動) |
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あーちん | わぁー、絵本がいっぱい! | |
谷川 | 気に入ったのがあれば、 持ってっていいよ。 |
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あーちん | えー、ほんとに? いいんですか? ひゃー。 |
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谷川 | ゆっくりえらぶといいよ。 | |
あーちん | (数分後) これと、これにします。 |
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谷川 | はい、どうぞ。 『くまお』がこんなふうに本になったときにさ、 このひとには読んでほしいなって、 思うひとはいる? |
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あーちん | あ、いま、 変なこといおうとしちゃった。 「自分」って。 |
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谷川 | そうか。 | |
あーちん | うーん、 とくにこのひとに読んでほしいっていうのはないかも。 本屋さんに並んでたらうれしいな。 そしたら、『くまお』を知らないひとにも 手にとってもらえるかもしれないから。 |
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谷川 | サインは、考えてる? 「サインしてください」っていわれると思うよ。 |
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あーちん | あー。 考えてなかった。 |
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谷川 | サインがほしいっていうひとが増えるとさ、 一生懸命書いてるとくたびれちゃうから、 かんたんにパッと書けるやつがいいね。 |
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あーちん | そっかー。 | |
谷川 | ぼく、前までは フルネームをていねいに書いてたんだけど、 このごろはエコサインにしたんだ。 さっきの本、ちょっと貸してくれる? |
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あーちん | はい。 | |
谷川 | (本にサインを書いて) ほら、こんな感じ。 |
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あーちん | わぁ、ありがとうございます! サイン、考えよう。 |
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谷川 | そうするといいよ。 ‥‥いま、ほっぺたが すごくキュッってなってた。 ほっぺた、よく伸びる? |
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あーちん | あーちんのほっぺたは、 すごく伸びるし、やわらかい。 |
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谷川 | 自慢のほっぺただ。 | |
あーちん | そう、自慢のほっぺたなの。 (谷川俊太郎さんとあーちんの対談は、 これでおしまいです。 最後まで読んでいただき、 ありがとうございました。) |
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2013-11-22-FRI