燕が去ったあと
雁(がん)が来るんですよね。
「がん」と「かり」って
違いがよくわからないんですが。
一緒ですよね?



一緒です。
── 家禽になると「ガチョウ」ですよね。
グース。
仲間には「鴨」がいますね。
ダック。
冬鳥ですから、秋が深まってくるという
印象がありますね。
ほかに、旬は「木通(あけび)」。
そして「北寄貝(ほっきがい)」
「零余子(むかご)」。
零余子ごはんもおいしいですよねえ。
零余子ごはん!?
それ、知りませんよ、ぼくは。
炊き込みご飯ですよー。
── 零余子は、山芋や自然薯の
葉の付け根にできる球状の芽ですよね。
ちっちゃいコロコロした、芋の子みたいな。
ごはんといっしょに炊くとおいしいですよ。
── でも家の食習慣にはなかったです。
わたしも、大人になってから食べました。
── そして北寄貝。これも‥‥
北寄も大人になって
寿司屋に行くようになってから
食べるようになりました。
子どもの頃は食べなかった。
家庭ではちょっと。
福島県の浜通り地方では
「北寄カレー」が名物だったんですよ。
また食べられるようになるといいですね。
── いずれまたそういう時が来るといいですね。
そして「木通」。



木通は子どもの頃
高尾山にハイキングに行って
初めて食べました。
── 今回は大人の食べ物が多いですね。
果物屋さんにそんなに並んでなかった。
京都にもなかったです。
── いまだに味や印象が思い出せません。
ところが高尾山あたりに行くと売店で売ってて。
── あ、売ってるんですね。
どんな感じなんですか。
バナナみたいなんですよ、肉をだすと。
味もちょっとバナナみたいに甘くて、ほっこりしてて。
ただ種をぺっぺっと出さないといけない。
── 種は食べられるものでは
ないのですね。
紫っぽい色なんですか、これは。
あ、花が紫でしたっけ。
花と実の皮は紫で、中身は藤色っぽい感じです。
── 見つけたら食べてみます!
ところで季節のたのしみとして
「きつねの嫁入り」が紹介されてますね。
天気雨のことですか?
そもそも「狐の嫁入り」は
狐火が一列になっているようすを指すんです。
地方によって見られると言われる時期は異なるんですけど。
── 怪奇現象!
天気雨のことを
きつねの嫁入りって言うのは、
その時にきつねが嫁入りしているという
言い伝えがあるんですって。
このあと虹がセットっていう
イメージがありますよね。
── そういえば、江戸型染めの作家に
浴衣を頼んだことがあって。
おお、渋いですね。
── リクエストはね、迷彩っぽい柄。
江戸にも迷彩っぽいのあったんじゃないかと探したら、
きつねの嫁入りの行列を
雲の間から見てる、っていうデザインがあって。
ところが仕上がってみたら、
きつねがぜんぶ狸に化けてました。
化かされました。
たぬきの嫁入り!
── さて次回は「菊花開(きくの はな ひらく)」です。
10月13日にお会いしましょう。
2012-10-08-MON

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