── おたよりいただきました。

青森県人です。
きりたんぽは好きでよく食べます。
そして、鍋に入れる鳥は比内地鶏です。
比内鶏は国の天然記念物ですよ。
きっとおいしいでしょうけど、でした。

わ、ぼく、「比内鶏」と言ってましたね。
── きりたんぽ鍋をおいしくする
食材となるのは「比内地鶏」なんですね。
失礼いたしました。
おたよりくださった武田さん、
ありがとうございましたー!
ということで、今回は「水始涸」です。
この季節は、コレですよ、コレ!
「松茸」ですね(笑)!



── まつたけ~~~!
それに「生姜」「落花生」「金木犀」。
いい季節ですね。
口に出して言うだけでもおいしそうです。
松茸は、大人になってから食べました。
子どもに食べさせるもんじゃないですね。
どうであれ、これは。
季節に一回か二回、
松茸ご飯が出た時の
盛り上がりはものすごかったです。
おっ、やっぱり。
── おうちで?
そうです。
── さすが京都。
子ども心にも、あの香り、好きでしたか?
あのほわっとした感じ。
好きでしたよ。
そもそも味つけご飯がおいしい。
だから、逆に、
「やきまったけ」とか
食べたことなかったですよ。
「土瓶蒸し」もしてなかったなあ。
ああ、なるほど。
大人の酒のつまみですもんね。
でも、香りがいちばんよく出るのは
ご飯に入れることかもしれないですね。
── いま京おとこさん、松茸を
「まったけ」とおっしゃいました。
アクセントは、
「どんだけー」と同じですか。
ちがいます。
「マったけ(マにアクセント)」
ですね。
── 関西は「マったけ」。
「マったけごはん」ですよ。
── 発音、びみょうにむずかしいですよ。
あ、『飲食事典』によりますと
「まつだけ」になってます。
むかしは「まつだけ」と言ったんですね。
「えのきだけ」とかと同じですね。
── 昨秋、きのこ狩りに行ったんですが、
もう季節の終わりぐらいで、
松茸も出ると言われていたんですが。
見つかるものですか。
── それが、山って、管理してても
誰かが勝手に入ってとられちゃうんですって。
それでも、山を歩いていると、
フッと香りがするんですよ。
松茸の。
でも場所がわからないんですよ。
あ、香りがするんですか!
── するんです。
でもすぐに逃げちゃう。
山でも香りがするんだ~。
いいなあ、いいなあ。
スー‥‥ハーーーー(笑)。
── 「香り松茸」って言うけど、
味もいいですよね。
ぼくもそう思います。
シメジがどこがおいしいんだろう、
って不思議に思うくらい(笑)。
── ホンシメジはおいしいんですって。
滅多に採れないと言ってました。
松茸より難しいそうです。
あと、イッポンシメジって
毒茸なんですよね。
そそそそそ。
── 毒だけど食べるんですよね、抜いて。
金沢で売ってたんです。
ゆでこぼして塩漬けにして、塩抜いて食べろと。
で、塩漬けにまではしたんですが、
こわくて食べてないんです。
こんど、ぜひみんなで頂きましょうよ。
── 金沢ではふつうに食べられているようなので
大丈夫だと思うんですけどねー。
さて‥‥「落花生」。



関東ものから言うと、
やっぱり千葉産ですね。
土がついたまま売ってますよね。
── 千葉は芋掘りではなく、
落花生掘りに行くんだそうですね。
生落花生を茹でて食べると美味しいですよね。
ああー!
あれは生が手に入らないと
食べられないから。
── 大人になってから知りました。あのおいしさは。
ちなみに、落花生は、花が咲いてから
モモモモって土にもぐっていくんですって。
── あ、だから「落花生」の名が?
けっこう知らないですよね?
わたしも知らなかったんですよ。
そしたら、平凡社で図鑑とか
作ってる人いるじゃないですか。
彼らからすると
「そーんなの、小学校理科の常識だ」
って。
それ以来、うちの会社では
落花生の実のなりかたを
知ってるか知らないかが
ものすごい話題に(笑)。
「花の根元から枝のようなものが」出て
「地面に突き刺さる」って書いてありますよ。
すごいなあ!
そして「金木犀」の香る季節でもありますね。
木犀は、「金木犀」と
「銀木犀」があるんですよ。
白いのかな、銀木犀は花の色が。
この香りがするとね、秋を実感しますよね。
松茸の香りを通りすがりに感じたことはないけど
金木犀はありますものね。


トイレの消臭に金木犀って
なんでなんでしょうね、あれ。
消臭剤のにおい、
金木犀が多いですよね、確かに。
なんなんだろう(笑)。
── くみ取りの時代からですから、
強い香りの金木犀が
選ばれたじゃないでしょうか。
そのせいか、公衆トイレの横に
金木犀っていうのも
組み合わせとして多かったですね。
── 金木犀はちょっとかわいそうでしたね。
でもトイレの香りという時代は去り、
いまはたとえば「桂花陳酒」にしたり、
そういういいイメージになってますよ。
さて次回は「鴻鴈来(こうがん きたる)」、
二十四節気も「寒露」にうつります。
10月8日にお会いしましょう。
2012-10-03-WED

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