菊って育てるのむずかしいですよね。 子どもの頃、学校で経験しました。 |
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へえー。 |
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夏休み家に持って帰るんですよ、鉢で。 これがだいたい枯れちゃうの。 秋にみんなで持ち寄って きれいに咲いたのを みんなで並べてお祭りしましょう! ‥‥のつもりが、夏休みの間に枯らしちゃう。 家によっては親が買って持たせたりとか、 苦労をけっこうする(笑)。 |
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ちいさい頃、「菊人形展」っていうのを見に行って、 どこがおもしろいのか、 さっぱりわからなかったですねえ。 |
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菊人形こわいですよね! |
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ひらかたパークでやってたんです。 京阪の電車乗って 見に行きましたけど、 これをなぜ見るのか、っていうのが わかんなかったですね。 蝋人形よりこわいですよね。 |
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金田一耕助な感じです。 |
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── | 横溝正史の「犬神家の一族」ですね。 |
あの映画を見てから こわくなっちゃったのかもしれない。 |
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── | けれど、それ抜きにしても、 なんだかおどろおどろしいものがありますよね、 菊人形って。 |
たしかに大人になってから見ても なかなかわからない世界です。 |
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── | 生(いき)人形ってあるじゃないですか。 江戸から明治期なのかな、リアルな等身大人形。 ああいう見せ物っぽい おどろおどろしさがありますね。 |
それに、牡丹とか朝顔などの園芸家にとっては 見せ場って必要じゃないですか。 菊もそうだったんでしょうね。 |
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── | むずかしくて華やかだから 腕の見せ所なんでしょうね。 さて、この時期は、菊もそうですけど、 「小豆(あずき)」が旬です。 ちょっと和菓子屋の倅として異論があるんですけど、 本に赤飯の写真がありますが、 江戸文化圏の和菓子屋は小豆で赤飯を炊きません。 「ササゲ」です。 なぜなら、お武家様は小豆で炊いた赤飯は 小豆の腹が割れるので。 |
切腹に通じ、縁起がわるいということですね。 |
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── | と、厳しく言われて育ちました。 |
和菓子屋さんでしたら さぞかしおいしいのを 召し上がってたんでしょう。 |
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── | 蒸しおこわ、すっごくおいしいです。 炊きかたを教わったんですけど、 むーずかしくて! 「ホドを打つ」っていう作業があって、 蒸して、一回水をかけるんですよ。 |
そういえば、お菓子屋さんでお赤飯って 不思議だなと思ってたんですけど、 もともと京都はどうなんですか。 お菓子と餅屋が分かれてたって 聞いたことがあるんですけど。 |
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ああ、そうかもしれないですね。 |
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── | ああ、きっと違うでしょうねえ。 |
別のカテゴリーっていうか ジャンルかもしれないですね。 |
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── | 餅はもっと庶民的なものですよね。 上生菓子は ぜんぜん違う職人の技ですよね。 |
「出町ふたば」とか、 ああいうところが餅屋の流れだとか。 もともと別のものだったのが だんだん両方できるように 職人さんもなっていって 今は和菓子屋さんで頼む感覚ですよね。 お赤飯はやっぱり。 |
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── | そうですね。 「とらや」でも注文を受けていますね。 和菓子屋は餅米を使いなれていますからね。 |
あ、そっか。そういうことか。 技術が。 お赤飯おいしいですよね。 |
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コンビニのおにぎりでも ぼく、ついつい赤飯を選んじゃいます。 「白蒸(しらむし)」ってあります? 東京に。 |
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しらむし? ないです。 |
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赤飯の、白い版っていうか 豆抜きですよ。 これ、おいしいんですよー。 |
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お餅をつく前っていうことですね。 |
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── | 餅米を蒸すんだ。 おいしいに決まってますよね! |
味つけとかしないんですか。 |
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しないですね。 |
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甘くもしょっぱくもしないの? |
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ええ。 で、赤飯に並んで売ってたりしますよ。 |
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── | 発音はなんと? |
「シらむし(シにアクセント)」って 言うんです。 |
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全員 | シらむし!(練習) |
これはぜひ東京でも 流行ってほしいなあ。 |
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── | これはいつ食べるんですか。 赤飯のようにおめでたい時みたいな 決まりはあるんでしょうか。 |
いつでもいいんです。 |
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おにぎりの代わりみたいに? |
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そうです、そうです。 |
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── | おかずは? ごま塩で食べるんですか。 |
ごま塩ふる時もあれば、 ふつうにご飯として。 |
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── | へえー。 |
ぜったいおいしいと思う! わたし、関東もんにもかかわらず 道明寺が好きなんですよ、桜餅は。 だから、よくわかります。 やっぱり餅米のつぶつぶ! |
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── | あと、タイの東北部も餅米ですよね。 |
あ、はいはい! マンゴー乗っけて食べたりしますよね。 |
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── | サラダとかと一緒に食べたりとか。 京都にそれがあるなんて、うらやましい。 京都行った時に、その気で見たら いっぱいあるんでしょうね。 |
たぶん、目に入ってないんだと 思いますよ。ええ。 それから、豆ご飯に白蒸っていう、 いわゆる緑の豆に 白蒸の組み合わせもあります。 |
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もっちりしておいしそうです。 やっぱり餅米って、 うるち米より高級な感じですよね、 |
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── | ありがとうございました。 糯米で盛り上がってしまいましたね。 次回は「蟋蟀在戸(きりぎりす とに あり)」。 10月18日にお会いしましょう。 |
2012-10-13-SAT |