── | 二十四節気の「霜降(そうこう)」は 北から順に「霜が降り始める」と。 それで七十二候も「霜始降」ですね。 気分は‥‥もうけっこう寒くなってるけど、 冬というほどでもなく、まだ秋です。 |
まだまだ霜柱は見られませんね。 霜柱って踏んだ記憶は あるんですけどね。 歩く時にシャキシャキと。 |
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── | 雪が降らない地域だと 霜柱すら珍しいです。 ああ! でもこの季節は、 うまそうなものばかりでございますね! |
そう。やっぱり食欲の秋。 「新蕎麦」が出てきますよ。 |
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蕎麦ね。 蕎麦、テンション上がりますよ、ぼく! |
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なぜ?! 京都人が? |
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── | 京都は饂飩じゃないですか? |
いやいやいや。 うちね、「尾張屋」がどうも遠縁の親戚らしくて。 京都の尾張屋っていう蕎麦屋。 |
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── | 蕎麦屋が親戚! |
遠縁なんですけどね。 なので、ちっさい頃から 蕎麦食べてましたねえ。 |
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── | にしん蕎麦ですか? |
にしん蕎麦はね、「顔見世」をやる、 京都四條南座のところに 「松葉」という店があって。 |
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有名ですね。 |
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それとは別に尾張屋という 一応昔は宮内庁御用達だったらしいという 蕎麦屋がありまして。 |
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確かに、京都でここだ! という お蕎麦食べられるお店は そう多くはないですものね。 |
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そうですね。 京都でメジャーでいうと 「河道屋(かわみちや)」と 尾張屋という二大勢力がある。 京都駅の土産物屋とかでも その二つが蕎麦饅頭売ってるような感じですよ。 |
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なるほど、なるほどー。 |
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意外とね、京都は蕎麦食うんです。 |
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── | 意外でした。 大阪なんてぜんぜん食べないですよね。 饂飩ですよね。 |
他所者が行くと つい饂飩の方に目がいっちゃうから、 なかなか蕎麦屋に入ろうっていうことを しない‥‥。 |
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── | ぼく、祇園の「萬屋」で 九条葱饂飩を食べてしまいます。 |
ああー! あれね。 あそこ最近、 すごい行列できてますよ。 ぼく、この間行こうとして心折れました。 あとね、饂飩でおもしろいのは、 京都と大阪でびみょうに違うんですよ。 「たぬき饂飩」っていうのが まったく違うとか。 |
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── | たぬきってことは 東京だと揚げ玉ですよね。 |
関西でも京都は餡かけ饂飩みたいなのを たぬきっていうんですよ。 |
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── | ええええー‥‥。 |
蕎麦から話が離れてますが。 |
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── | 東京の人なら 「たぬき蕎麦」の話に 変換していいんでしょ、って思うけど、 きっと違うんでしょうね。 |
たぬき蕎麦ね。 |
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── | たぬき饂飩とたぬき蕎麦は また違うんじゃないですか。 |
まったく別ですね。 |
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なんで「たぬき」って いうんでしょうね、そもそも。 |
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もともとお揚げさんの 「きつね」があるから? |
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きつねに対して? とってつけた感じがします(笑)。 |
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── | あるいは揚げ玉はてんぷらのたねがないから 「たねぬき」で「たぬき」? |
蕎麦の話は盛り上がりますよね。 東京もんはもう、飽っきるほど食ってますから。 |
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── | 飽きないんですね、これが。 東京の蕎麦うまいですよ。 |
おいしいですねえ。 |
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結局どこがいいかって話で すぐケンカになりますからね。 どこの藪派かっていうところで。 わたしは池之端なんですけど。 藪の中では。 |
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── | 藪の中はくわしくないですね。 ぼくは新参者系で「ほそ川」ですね、両国の。 |
最近、いっぱいありますよね。おいしいの。 この神田の近所だと、 「眠庵(ねむりあん)」ってところに 最近行ったんですけど。 「蕎麦がき」を注文すると いきなり後ろにある石臼で ゴロゴロって。 |
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── | ええ! 挽くところから始めるの? それはすごいなあ。 |
さすがにそれは初めて見ましたけどね。 |
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── | 東京の蕎麦競争が過剰なことにならないといいんですが。 ラーメンほどではないにせよ。 |
ニッチなところで競争を。 |
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やっぱりレベルが高いですよね。 |
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確かにそうかも。 おつゆで勝負したり。 |
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この間ぼく、郡山に行って見つけた 「隆仙坊」っていう蕎麦屋がおいしくて。 「蕎麦さしみ」とかね。 初めて食べたのは「揚げ蕎麦がき」。 これね、おいしかったですね。 蕎麦がきを揚げてるんですよ。 |
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揚げ出汁とかになってました? |
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いや、ただ揚げてるだけなんですよ。 |
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── | 塩とかお醤油つけて食べるんですか? |
いやいや、そのまんま食べるんですよ。 |
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そのまんまで!? |
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おいしいんですよ、これが。 |
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この間、揚げ出しになってるのは 食べたんですけど。 ああなると、ちょっと しみちゃうじゃないですか。 そのまんま食べてみたいなー。 |
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おいしかったですよ、ええ。 わりと郡山でも有名な店みたいで。 |
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蕎麦、進化してますねえ! |
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── | 京おとこさん、 たぬきを検索してくれたんですか。 |
そうそう。 「京都では刻んだ油揚げの上から 葛餡をかけたものをたぬき」。 |
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── | もう見た目でたぬきとは呼べませんね、 われわれは(笑)。 |
揚げ玉を乗せたものは 「ハイカラ饂飩」「ハイカラ蕎麦」。 |
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── | ハイカラ(笑)。 |
ハイカラ!? |
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「大阪を中心とした 関西(京都除く)では 油揚げを乗せた蕎麦をたぬきと呼ぶ」。 「揚げ玉を入れた饂飩や蕎麦を 天かすハイカラ饂飩と呼ぶ」。 検索の結果はそう出ました。 |
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── | じゃあ、きつねは? 今の、きつねの話ですよね、 東京からすると。 |
そうですよねえ。 |
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きつねは、刻んだ油揚げをのせた饂飩です。 油揚げにはあまり味付はしませんね。 |
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── | ほぉー。おいしそう。 |
ぼく、地方に行った時も 蕎麦屋かカレー屋に 行くことにしてるんですよ。 蕎麦はちょっと ハズレがあったりしますけど、 その土地土地のおもしろいものが かならずあるっていう。 |
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── | 蕎麦自体は全国的においしくなってると 思うんですけど、 おつゆはやっぱりね、 東京に長く住んでいる せいかもしれないですが 東京のおつゆがおいしいですよね。 |
わたしもそう思いますね。 |
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ええ。 |
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── | 静岡市はなぜか「戸隠」が多いんですよ。 ぶっかけなんですけど 「磯おろし」といって 平皿に冷たいお蕎麦を盛って 天ぷらとかたまごとか海苔、だいこんおろし、 揚げ玉とかを乗っけて 甘めのぶっかけのおつゆで食べるのが わりとスタンダード。 |
静岡風? |
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── | はい。店名は戸隠ですが。 なぜ静岡にそういう店が いっぱいあるのかは謎なんですけど。 |
蕎麦って料理自体すごく進化してるけど 落語の「時そば」などは 屋台じゃないと格好つかないですよね。 |
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── | 江戸の蕎麦ってどんなんだったんでしょう。 |
『世界大百科』で調べましょう。 えーっと‥‥、 江戸初期の頃の商いは、 店舗プラス出前形式だったようですね。 流行りものになった「けんどん蕎麦」などがそうです。 |
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── | けんどん蕎麦。 |
1杯盛りきりで、お替わりをすすめず、 愛想もなくて給仕もしないので、ケチの意味で 「慳貪[けんどん]蕎麦と呼ばれたらしいですね。 |
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── | じゃあ落語の「時そば」みたいな 屋台の蕎麦は‥‥。 |
正確な記録がないみたいなんですが、 貞享の頃には,めん類の夜売りが 「煮売り」の仲間から独立した業種として 認められたそうです。 これが江戸では「夜鷹(よたか)蕎麦」、 京都では「夜啼(よなき)うどん」と呼ばれた形式です。 |
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── | やっぱり冬だけですかね、 あったかい蕎麦の屋台って。 |
夜売りの期間は、陰暦9月から雛の節句(3月3日) までだったみたいですよ。 そのうち期限は延びていくんですけど。 |
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── | 二八蕎麦ってありますよね。 蕎麦粉のなかに、2割、つなぎで小麦粉を入れる‥‥。 |
あれは2×8で16文、 つまり安い蕎麦っていう説もあるんです。 享保の半ばから万延初期までの100年間、 江戸の二八蕎麦はずっと16文だったんですって。 でも江戸後期には二八蕎麦は安いから 「駄蕎麦」の代名詞になっちゃうんですけど。 |
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一同 | おもしろーい! パチパチパチ(拍手)。 |
すべて百科事典でございますよー。 |
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── | ああ、タイムトリップできるなら 江戸の町に蕎麦食べに行きたい‥‥。 あ。 ちょ、ちょっと、おなじみの古典 『飲食事典』を見ているんですが。 「多く蕎麦を食べ、 そして西瓜を食べると 煩悶して死ぬ場合がある」と! |
食い合わせに蕎麦があるんだあ!(笑) |
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── | 「先に西瓜を食べ、 後から蕎麦を食べると害はない」。 ほんとか?! |
すごい、初耳だ(笑)。 しかも、死ぬほどの食い合わせってのもすごい! |
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── | 迷信でしょうねえ。 「また、蕎麦を多く食べて 湯を浴びると食傷して死に至る」(笑)。 |
江戸時代の俗信でしょうねえ。 この間、講談を聞いてたら 赤穂浪士の討ち入りの最後の方で 吉良邸に偵察に行ったりして 情報集めをする時に 蕎麦屋さんの担ぐのが 身を窶(やつ)すのにいいらしくて。 あの格好をしていると 怪しまれずに近くまで 行けるんですって。 |
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── | 蕎麦屋のふりをして偵察に。 |
今の屋台じゃ考えられないですよね。 |
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─── | 今の屋台、移動しないからね、 あんまり(笑)。 |
江戸時代のスパイって 蕎麦屋が多かったんじゃないかなって。 担ぎだから。 |
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風鈴売りとかね。 金魚売りとか。 |
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そうそうそう。 |
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── | 蕎麦は、店舗は変化したとはいえ、 江戸の文化がそのまま今に残っている 珍しい食材ですよね。 |
ああ、蕎麦はそうですね。 |
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── | ちょっと蕎麦で長く話しすぎましたね。 他には「鮭」「占地(しめじ)」 「胡桃(くるみ)」とありますよ。 |
鮭が出てきますかねえ! もうね。 |
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── | 「産卵のために川を遡上してくる鮭を秋味という」。 |
ちなみにもうちょい後になると 「(魚へんに厥)魚群(さけのうお むらがる)」 っていう本格シーズンが 12月にやってくるんですけど、 このへんももう食べられるってことですね。 鮭っていうと「新巻鮭」のイメージがあるんで(笑)。 |
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や、関西では新巻鮭は ぜんぜんピンと来ないんです。 |
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やっぱり「塩鰤」ですか、お正月用のは。 |
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そうですね。 鮭に対しては鰤でしょうね。 |
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─── | そうなんだー! |
でもね、いくらはやっぱり 萌えますね。 |
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いくらは食べるんですか。 |
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いくらは食べましたね。 すごく贅沢な感じがします。 |
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意外だ。 どっかで分かれるっていいますよね。 鰤文化圏、鮭文化圏っていって。 |
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── | やっぱり大井川じゃないですか。 |
常に出てくる静岡(笑)。 |
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フォッサマグナの。 |
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── | 前も言ったかもしれないけど 「おにぎり」と「おむすび」の言い方の違いと、 三角と俵型の違いも大井川だそうです。 |
越すのが大変な川っていうのは やっぱりそれなりに。 |
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── | 止まっちゃうんだね、文化が。 |
よほどのことがないと 川向こうに越えない。 |
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── | 人一人行くのがやっとで、 食文化まで背負って 行けなかったんですよ、きっと。 ところで占地(しめじ)は、 本当の占地っていうのを 食べるとびっくりしますね。 おいしくて。 |
「ホンシメジ」ね。 おいしいですよね。 |
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「大黒占地」っていうのを この間食べましたよ。 なんか、立派なの! 傘がとっても大きくって、 そのままソテーしただけで なんだかすごいいい香りが! 松茸なみの扱いを受けてました。 |
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── | 金沢の観光市場で 「イッポンシメジ」っていう、 立派な占地、秋に買ったんですよ。 それ、知らなくて。 おばちゃんが、 「食べ方知ってる?」って言うから、 おすすめの食べ方の話をしてるんだなと思って、 教えてくださいって言ったら、 これは毒があるから毒抜きしてからね、って(笑)。 |
わ!(笑) |
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── | 「え、知らないの?」って。 「これはいっぺん茹でて塩漬けにしてから 塩抜きして食べるのよ」って。 そしたら隣の八百屋のおじさんが 「ああー! それじゃダメだよ! 三回くらい煮こぼして!」 みたいなこと言ってるから怖くなっちゃって。 買ったんですけど、三回茹でこぼして、 塩漬けにしたのが冷蔵庫に入ったままです。 差し上げましょうか(笑)。 |
ええええ。 |
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あ、『飲食事典』にも書いてある! 「毒茸のイッポンシメジや ニセシメジは、占地の名を負うても他属だ」 って書いてある~(笑)! |
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── | 見た目はわかんないんですよ、これが! いくら見てもわかんない。 |
でもちゃんと調理して食べると おいしいんでしょうね、きっとね。 |
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── | そうですよね、市場に普通に売ってましたから。 いやはや、なんだかたっぷり話しちゃいました。 次回「霎時施(こさめ ときどき ふる)」は 10月28日の更新です。 ありがとうございました! |
2012-10-23-THU |