── | 二十四節気が小雪から大雪に 変わりました。 これはもう山が雪に覆われているという 状態でございますね。 目に見えて、冬であると。 しかしますます冬ならではの 食材がゆたかになっていきますよ。 |
「金目鯛」ですね! |
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金目鯛だ! |
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── | 金目鯛は確か、鯛じゃないんですよね。 |
「あやかり鯛」っていうんですって。 生物学上は鯛ではないのに 鯛の名前がついているお魚。 アマダイやイシダイもそうですね。 |
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でも、うまいっすよね。 干物とか! |
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── | 刺身もうまいんですよ、実は。 伊豆でよく食べますよ。 |
そうですね、伊豆の温泉に冬行くと ついつい金目って感じがしますよね。 |
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見た目もかわいいですよね。 |
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── | かわいいわ、おいしいわ。 高くないし。 そして、野菜は「白菜」です! 冬は白菜! さらに、「大根」! もうスターがぞろぞろ。 ‥‥地味ですけど、庶民的なスターがいる、 そんな感じですね。 |
白菜っていかにも昔から 食べられてたように思いません? じつは明治からなんです。 |
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── | ええっ! |
日本に入って来たのは。 |
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── | 白菜が明治! |
原産は中国でしたっけ。 |
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中国で昔から食べられてきたようです。 |
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── | 確かに中国の、実物を模した物で 白菜のすっごいやつとかあるじゃないですか。 |
あ、そうそうそう! 玉(ぎょく)でつくったり。 台湾の故宮にありますね。 |
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─── | 白菜、明治ですか。もうすっごい、 食べるようになってますよね、 日本の人は。 |
子どもの頃って 冬といえば白菜のお漬け物! |
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── | そう! |
鍋物にも欠かせないし。 |
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── | 白菜の漬け物って、 自分でぬか漬けやるとわかるんですけど 相当ぬか床が大きくないと 漬けられないんですよね。 |
うち塩漬けでした。 |
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── | 塩でもまとめていくつか漬けるから けっこうこーんな(大きな)樽ですよね。 |
ハイ、必要です。 ちょっとお醤油つけて ご飯にくるって。 ああ‥‥! |
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── | ああ、食べたい! 醗酵がすすんですっぱいくらいのが! |
白菜、そういえば 前にトム・ヴィンセントさんに聞きましたが、 英語で「チャイニーズ・キャベツ」って いうんですよね。 |
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ああ、やっぱり中国原産なのね。 |
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中国ですね。 |
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─── | じゃあ、中国から韓国に 行ったんですね、つまりね。 |
キムチに欠かせませんからね。 中国でも北部のものですね。 |
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海を越えなかったのかしら。 |
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── | そうそう、暑い台湾にも 「酸菜白肉鍋」があってですね。 中国北部の料理なんですって。 発酵した白菜を鍋に入れて コトコト煮て。 それにいろんな食材の出汁が 入ってるんですよ。 干し海老とかお肉とかの出汁で。 それにいろんが具を入れていくんです。 練り物だとかお肉だとか。 |
食べたことあります! 池袋の多分「永利」っていうお料理やさんで。 確かに今おっしゃった通りのものでした。 |
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── | すっごい薬味をたくさんつけて食べるんです。 ものすっごいおいしい! 台湾にはそれは伝わってますね。 あんな暑いところでは 白菜は育たないような気がしますが。 |
江戸時代以前の日本に なぜ来なかったかが不思議ですね。 絵として食べていそうな感じが するくらい、いま、なじんでますね。 |
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── | そして、大根でございます。 こちらは原産は‥‥? |
「原産、コーカサス地方。 今から六千年前にエジプトで」 と、資料にございます。 |
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── | えっ! エジプト大根! 意外です! |
日本でも古いですよ。 日本書紀にもうあると。 「おおね」。大きい根でおおね。 これが日本の歴史に登場するだいこんの はじまりだそうでございます。 |
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── | すごいですね。 |
ジアスターゼが消化を助けますよね。 資料によりますと 「日本人は刺身と豆腐と 大根の三つさえあれば 食前の貧しさを感じず 健康長寿を保ち得るといわれる」 って! |
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── | 大根と豆腐と刺身! それはいまやご馳走ですね。 |
そうですよお。 |
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── | あ、ここに 「煙にむせて死にそうになっている者に 大根をかませて飲み下せば蘇る」 そうです。 |
あっはっはは。 そんなわけがない! |
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── | なかなかいろんな迷信がうまれるほどに ポピュラーな食材だったんですね。 |
そしてやっぱり 「千本釈迦堂大根(だいこ)焚き」ですよね。 |
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── | 京都ならではですよね。 これ、大量に焚くんですね。 |
大量に焚きますよ、 すごく大きな釜で。 |
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あの大根、そもそも あんまり東京で見ない 丸いタイプです。 |
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あ、丸い大根です! 「聖護院大根」です。 |
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── | これは味つけはどうなってるんですか。 |
おでんですよ、早い話が。 |
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── | じゃあ、風呂吹きとかと一緒だ。 出汁で焚いてあるんですね。 |
うまそうです。 |
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── | 上賀茂神社にお正月に行くと 大根を焚いていて、 もらえたりしますよね。 |
あ、確かに、売ってますね。 上賀茂神社、ええ。 |
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やっぱり振る舞いのものに 向くんですね。 おいしそう~。 おいしそう~。 |
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ああ、そういう料理もありますね。 |
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── | そうか、大根はどんなふうに調理しても 当たらないから、 当たらない役者のことを‥‥。 |
一同 | 「大根役者」! |
── | 大根ってこんなに優秀なのに ちょっと蔑まれている感じが。 「大根足」とか。 大根足ってきれいだと思うんですけどね。 まっしろでね。 足首がキュッとなってる感じが しますけどね。 さてでは次回は「熊蟄穴(くま あなに こもる)」 でございます。 12月12日にお会いしましょう。 |
2012-12-07-FRI |