七十二候【第五十候 菊花開 きくの はな ひらく】

各地で菊の品評会や菊まつりが開かれる頃です。
旧暦九月九日は重陽(ちょうよう)の節句。
別名「菊の節句」といい、中国ではこの日、
菊の花を浸した菊花酒で不老長寿を祝う習慣がありました。
それが平安時代に日本へ伝わり、
宮中では高貴な人々が菊花酒を飲みながら
歌を詠み花を競う「菊合わせ」を楽しみました。
菊の花に真綿をかぶせて夜露と香りを移しとる
「被綿」(きせわた)という風雅な習わしも知られています。
あずま女 あ、ついに上ってきましたよ。
産卵のために遡上するのがこの季節。
それにしてもこの伝説こわいですけどね。
「オオスケコスケ、今のぼる」という鮭の声を聞くと
三日で死ぬ、って‥‥。
こわい、かなりこわいです。



── この季節、外に出るなと。岩手の。
あずま女 聞いてみたいですね、岩手の方に。
── 「鮭の王が眷族を連れて」。
おもしろい。
何か別の理由があるのかもしれないけど
おもしろいなあ。
さて、そんな季節の旬は、
「鱈場蟹(たらばがに)」!
出ました!
あずま女 鱈場蟹は実は蟹じゃないんですね。
── 「ヤドカリに近い甲殻類」。
── 足の本数が違いますね。
鱈場蟹は4本ずつ、
蟹は5本ずつ。
「花咲蟹」は前に北海道で食って
おいしかったなあ。
── 北海道はほんとに蟹が
おいしいですよね。
市場に行くと巨大な蟹がいたり。
エイリアンみたいな蟹を見ましたよ。
計量するのに暴れるから
ひっくり返してるすがたが、
ほんと、卵から孵ったばかりの
エイリアンみたいで!
あずま女 こわい!
── 蟹の脱皮のYouTubeがあって
それはすばらしくおもしろいです。
甲羅からぱかっとはずれていくんですけど
やっぱり足も全部なんですよね。
それもとっても気持ちが‥‥(笑)。
あずま女 ‥‥蟹って脱皮するんですね。
知らなかった(笑)。
── 脱皮したてはやわらかいから
またおいしいんじゃないですか。
ああ、ソフトシェル(笑)。
あずま女 その一瞬を狙って。
あ~~~~! また残酷な。
人間の飽くなき欲望が!
── ではすっきりと「三葉(みつば)」に。
便利ですよね、三葉。
あずま女 便利ですねえ。


── 冬の野菜は香りが高いのが多いですね。
あずま女 三葉って、何の仲間なんだろう。
── 芹?
あずま女 あ、芹ですね。
── 香りと葉っぱの形が
芹っぽいですよね。
おいしいですよね。
あずま女 うんうんうん。
── パクチーが食べられない人も
これなら。
あずま女 三葉にもちゃんと
旬があるわけですね。
なんとなく今は年中
いろんなものに入っている気が
しちゃいますが。
── 茶碗蒸しに入ってるのが好きです。
ちょっとだけ入ってるけど
すごく香りがいい。
あずま女 開けた瞬間に!
── 三葉も春菊とならぶ
ジャパニーズ・ハーブですね。
チャイニーズなのかな、
どっちなんだろう。
あ、自生しているから
ジャパニーズ・ハーブですね。
そして「鮃(ひらめ)」。
高級魚です。
あずま女 来ました、冬の鮃です。
── 家ではあんまり食べないですね‥‥。
外で食べるしかないですよね。
あずま女 ほんとほんと。
エリアってあるんですかね。
鮃の名所みたいな。
「鰈(かれい)」は「若狭鰈」って
ありますけど。
── 調べました。
長崎の平戸とか、
昆布締めは富山とか、
出てまいりますね。へえ!
‥‥鰈と鮃が曖昧だっていう話も。
「左ヒラメに右カレイ」?
あずま女 それがそうだとは限らないそうで。
── たしかヒラメのほうが目が平たいんですよね。
ヒラメというだけあって。
いっぽうカレイは砂にもぐってるので
目が飛び出てるとか。
そして季節の行事、「羽子板市」です。
いわれは「江戸時代に年末に
厄除けの羽子板を贈ることもあった」と。
そんなに古い行事ではなさそうですね。
厄除けなんですね。
あずま女 羽子板っていうものに
実用品っていうか
遊具以外の意味があったんでしょうね。
── 災いに対して「あっち行け!」みたいな。
羽根を悪しきものに見立てて。
あずま女 でもふたりで遊ぶと
厄をおしつけあって
ばば抜きしてるみたいです。
── 負けると顔に墨を塗る、
というのも
意味があるんですかね。
あれ、やってる人見たこと
ないですよね(笑)。
── 『サザエさん』の家ではやってますね。
あずま女 京都はないんですよね、
羽子板市っていうのは?
── 京都どころか、他の地方には
ないかもしれないですよ。
テレビのニュースで年末の風物詩みたいに
扱われるので、みんな知ってるとは思うんですけど、
地元にはない人多いと思いますよ。
あずま女 そっか!
── お正月が近いので、
それぞれの地方でそれぞれのたのしみは
きっと、あるんでしょうね。
あずま女 もう年末近し!
── 次回は冬至です。
「乃東生(なつかれくさ しょうず)」。
12月21日にお会いしましょう。
2012-12-17-MON
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