── | 冬至が始まりますね。 「一年でいちばん昼が短く、 夜の長いとき。」 は~、早く暗くなっちゃうんだよな~。 |
冬至というのは この日から日が長くなってくる日、 ということで。 |
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── | あ、そうか! 希望のある日なんですね。 |
そうなんです。 十二月のうちに もう春が始まるという。 |
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── | なるほどね。 |
もともとクリスマスもそうなんですよ。 冬至のお祭りっていうのがあって、 それをクリスマスにしたという。 冬至は昔から世界中で お祭りをしてたんですよ。 |
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── | 夏至祭、冬至祭はフィンランドでもありました。 北の国は もうまったく日が出っぱなしの日と まったく出ない日、みたいなことだから。 |
極端に違うんですもんね。 |
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あんまり俳句の話をしてないですけど、 この季節の俳句、好きなんですよ。 『へろへろとワンタンすするクリスマス』 っていう。 これ絶妙に良くないですか。 |
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脱力系ですよね(笑)。 |
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これやっぱりワンタンですからね。 |
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ワンタンですから。 |
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ラーメンでもないし。 |
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── | 秋元不死男さん。 |
この句を詠まれたのは昭和25年なんですよ。 戦後一挙にクリスマスっていう風習が 入って来たんだと思うんですよね。 そうそう、クリスマスのサンタクロースが 赤と白っていうのは コカコーラのキャンペーンですからね。 |
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あ、そうなんですか! |
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ええ。アメリカの。 でもみんな、もともとそうだと 思っているじゃないですか。 日本も敗戦直後、アメリカのクリスマスが なんかわけわかんないぞ、っていうなかで 一気に入ってくるわけです。 そこで「へろへろとワンタンすする」わけです。 |
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絶対サンタ帽かぶってますよ。 |
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三角のトンガリ帽。 ふふふふ(笑)。 |
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昭和のクリスマス。 さて、旬は何でしょう。 |
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── | 「河豚(ふぐ)」でございます! |
おお! |
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河豚です! |
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── | 今シーズンから 東京での河豚の規制がゆるくなったんです。 出せる店が増えたんですよ。 |
免許がゆるくなったんですか? |
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── | いえ、毒のある部分を除いたものを使って 調理して供してもよし、 という話だったと思います。 |
河豚取扱責任者みたいな そういう人がいなくても出せるわけですね。 |
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── | イタリアン、フレンチなんかでも 河豚を使ったレシピが登場するかもしれませんね。 そもそも、スーパー行くと売ってますからね。 加工したものは。 |
ああ、そうですよね。 考えてみると、こどもの頃って 河豚って言ったら一夜干しでした。 普通に家で炙って食べてました。 |
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── | そうですよ、鍋も刺身も大人になってからです。 ぜんぜん食べたことなかったです。 でも関西のボンは小さい頃から?(笑) |
いやいやいや!(笑) でも大阪の人って好きですよね。 |
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── | あ、京都は違う? |
うん。大阪の人が 河豚や蟹に燃えるんですよ。 |
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── | 「てっちり」ですか。 |
てっちり、てっさ。 |
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河豚はやっぱり関西に負けますよね。 店の数が違いますもの。 |
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そう、関西は安いですし。 |
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── | つまり、産地が西にあるから? |
そうでしょうね。下関とか。 |
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── | 『飲食事典』によりますと 「千葉県のほうでは富籤と同じで 『滅多に当たるものか』という心で 『トミ』という」そうですよ。 「関西地方では澄んで『ふく』という」。 これ、ダブルミーニングじゃないですかね。 「いずれも豚のごとく肥大するから河豚と書く」。 |
海なのに。 |
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── | 「これが遡る長江(揚子江)は 河海の区別がつかないくらいだから やや上流の南京あたりで 河豚といったのではないだろうか」と。 「我が国で食用したのは 有史以前の太古時代であったらしく 各所に現存する貝塚からは この遺骨が出土する」と。 なるほど‥‥。 河豚。おいしいですもんね。 生でも干しても。 |
大人になってから 「鰭酒」を飲んだ時は感動しました。 |
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── | おいしいですよね! |
これは大人だ、と(笑)。 |
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── | なんか変なことしてますよね。 鰭炙って、酒に入れて飲むって。 |
ジャバジャバ漬けてねえ。 |
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火をつけますよね、 上でポッって。 |
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── | ああ、つけますね。 |
香ばしい味ですよね。 |
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確かに魚の香りはするんですけど どちらかというと 鰭を一回炙って きつね色になったところを 入れるので、 ほんとに香ばしいですよね。 |
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── | さて、次は「蓮根」でございます。 これ、冬に収穫するの、 寒いでしょうねえ。 |
冷たいですねえ! |
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── | 泥沼に‥‥! ありがたいですね。 |
こどもの頃でいうと 蓮根っていうとおせち料理って 感じがしました。 |
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しましたね。 酢の物にしたり。 |
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── | 確かに冬の煮物にはよく。 五目豆にも細かく刻んで 入れたりしてましたよ。 |
ちらし寿司に入れました? |
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ああ、入れましたね。 |
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── | ああ、入れますね。 酢を通すとシャキシャキするんですよ。 通さないとホクホクするんです。 きんぴらもうまいですね。 |
おいしいですよねえ。 |
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思いだした。 おせちは縁起物なんです。 「見通しが良くなる」とか。 |
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穴を見ると! |
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── | なるほど! さて、「柚子」ですね。 この季節は柑橘が順番に 出てくるんでいいですね。 柚子は食べて良し、 風呂にして良し。 やっぱり冬至の柚子湯のところから。 「冬至には柚子湯に入り、 南瓜を食べる習慣がある」と。 |
南瓜ってただ茹でるんじゃなくて 小豆と煮ますね、確か。 冬至の南瓜って。 |
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── | そうなんですか? その習慣なかったです。 京都はいかがですか。 |
冬至、食べます食べます。 どっかの寺で食うんじゃなかったかな。 |
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またお寺ですか!? |
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── | 京都はなんでもお寺さん(笑)。 |
「ボケ封じ」なんですよ。 |
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柚子湯もありますね。お風呂の。 こどもの頃、柚子って 高いものってイメージがあったから、 丸ごとぼこぼこ入れるの もったいないなあって思ってたんですけど、 けっこう豪快に入れないと 香り出ないですよね。 |
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── | 中でほぐして ぐじゅぐじゅにして よく怒られました。 |
そうだ、思いだした! |
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── | なにをですか。 |
南瓜です。 京都は確か 「おかぼのたいたん」 っていうんですよ。 |
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おかぼ。 |
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── | おかぼって何ですか? |
南瓜のことです。 |
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── | 南瓜をおかぼ! |
「お」がつくんですね! さすが~。 |
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── | みやびー。 |
「ん」のつくものを 冬至で食べると良い、 っていうのもあるんですね。 南瓜は「南京(なんきん)」でしょう。 ほかにも人参、蓮根、銀杏、 金柑、寒天、饂飩。 旬のもので「ん」がつくっていう、 そういう語呂合わせでしょうね。 |
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── | 「お・か・ぼ」。 |
いいことば聞きましたね。 今度京都行ったら言ってみます。 |
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おかぼで通じると思いますよ。 |
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大丈夫ですかね、 料理屋で注文するときに 「おかぼ」。 |
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「おかぼのたいたん」って言えば だいたい出てくるんじゃないですかね。 |
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── | 微妙な発音が真似できないです。 おかぼのたいたん。 「た」にアクセントがあるのが。 |
「タいたん」ですね。 |
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── | 「たいタん」とか言っちゃいますね。 |
はははは。 |
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── | タいたん。 京都弁難しい! ありがとうございました。 次回は「麋角解 さわしか の つの おつる」。 12月26日にお会いしましょう。 |
2012-12-21-FRI |