この候の掲載日は大晦日でございますね。 あすはもう、新年ですよ! 年用意はすべて終わってらっしゃいますか。 |
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── | 終わっている‥‥はず! この収録、年末ギリギリにしてるんで、 じつはまだ、なにも‥‥。 それはさておき、旬の話をいたしましょう。 「甘海老」でございますよ! |
わたくしたち、甘海老の干したものを 炙っていただきながら、 このお話をしております。 |
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── | 「正式名称は『ホッコクアカエビ』。 富山以北の日本海に産し」 ‥‥案外少ないんですね、 捕れるところね、甘海老ってね。 やあ、生もうまいですね。 |
生いいねえ~。 |
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── | ワタがすごく好きですけど。 |
チュルンって最後。 |
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── | 嫌がられるんですけど。 あれを醤油に溶かして 肝醤油みたいにしてもうまいです。 それで刺身をいただく。 |
それは、技だー。 真似しよう。 |
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── | ワルい味がします。 |
あと旬は何ですか。 |
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── | 「金柑」。 |
金柑ね。 |
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冬だな~。 |
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── | 金柑って丸ごと食べますよね。 |
うちは砂糖煮がもっぱらでした。 |
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── | 金柑煮るのって 皮が破れたりするので難しくて 針でぶすぶす刺すのをやれと 言われたりとかしながら? |
そう、ぱーんって破裂しちゃうの。 |
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喉にいいですよね。風邪に。 |
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金柑煮てるにおいが、 すごいいいにおいなんですよ。 マーマレードの感じですかね。 |
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── | 「柑橘類では最も小さい」と。 生食もおいしいですよ。 |
甘いですよね、想像以上に甘い。 |
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── | 本当においしいですよ。 蜜柑は全部皮食べられるって 言いますけど、 金柑はたしかにそうですね。 |
温州蜜柑の皮は けっこう抵抗ありますよね。 干して陳皮になってれば別ですけど。 |
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── | そして「慈姑(くわい)」で ございますね。 |
お正月ですねえ。 |
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正月しか食わないですよね、これ。 |
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── | 慈姑はふだんはねえ。 でも冬の中華料理の炒め物に 入っていたりしますよね。 |
これ、こどもの頃は 何がうまいんだか さっぱりわかんなかったです。 今となってはおいしいですけど。 |
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うん! これでも、芽が取れちゃうと 縁起が悪いからダメって。 おせち料理としては。 |
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「芽出たい」ですからね。 |
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── | 「めでたい」! だからお正月なんですね。 |
慈姑農家って、この季節に かけてるんでしょうね。 |
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── | 「京阪地方にはやや小さくて 楕円形の『姫慈姑』『豆慈姑』が 多く栽培される」と。 |
ああ、姫慈姑ね。 |
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当たり前のように今 「ああ、姫慈姑ね」って 言いましたね(笑)。 |
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── | 知らな~い。 |
知らな~い。 どんなんでした? 姫慈姑。 |
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や、サイズの問題ですよ。 |
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あら、じゃ、最近 日本料理屋さんで出てくる こんなちっちゃいの、 あれが姫慈姑かしら。 |
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か、豆慈姑ですかね。 |
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お正月に食べるのより小さいですね。 なるほどー。 |
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── | 季節のたのしみは「七福神」と なっております。 正月ならではのアイドルグループみたいな 感じですよね。 |
そうですね! 正月しか出てこないですね。 |
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── | ねえ、彼ら。 「七福神巡り」します? |
京都もありますよ。 「都(みやこ)七福神」とか。 |
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ほおー。 わたしは「向島七福神」とか 行きました。 |
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── | 多分ね、調べれば渋谷区とかでも あると思います。 七福神言えます? 毘沙門天。 |
全部言えるかしら。 弁財さま、大黒さま、 布袋さま、恵比寿さま‥‥。 けっこう忘れられがちなのが 寿老人。 |
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そして福禄寿! 福禄寿、寿老人あたりが 脇役な印象なんですよね。 布袋さんに似た人って たまにいますよね(笑)。 |
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── | います。普通のおじさんに。 やっぱりあれですか、 初夢に宝船に乗った七福神をこう、 枕の下にしのばせて寝たりします? |
やったことないんですよ。 あとなんだっけ。 なすびとか。 |
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── | 「一富士二鷹三茄子」。 |
を、見るといいんでしょう? |
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── | でも、そんな夢を見たためしは ございませんけど。 三題噺みたいで難しいですよね、その夢は。 |
茄子は確か、那須与一からきていて 語呂合わせなんですよね。 |
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あ! そうなんですか!! |
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── | 源平合戦の。扇を。 |
縁起が良い、武運長久。 |
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初夢って二日の日に見る夢ですよね? |
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それとも一日の夜寝る時ですか。 どっちですか。 |
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── | あけましておめでとうございます! って言った後に寝たら、 初夢ってこと? |
そうです、そうです。 |
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── | じゃあ、元旦でもありえる? |
うん? |
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三十一日の夜じゃないですよね、 最低限。 |
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じゃなくて。 |
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── | でも、元旦になってから寝てもダメ? |
初夢について語るのは 二日の朝なんじゃないですか。 |
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── | ああ、なるほど、なるほど。 そういうことですか。 |
うん。 |
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昔の人はね、早寝早起きだから。 そうか。 朝になるっていう感覚がきっと 一日が始まるのが朝だっていうのが 気配があるじゃないですか。 明けなんとやら。 |
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日の出とともに一日でしょうね。 |
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── | ね。だとすると、一日に明るくなってから あけましておめでとうございます! って言って、寝て。 |
二日の朝に。 |
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── | 調べました。 江戸時代では大晦日から元旦説、 元日から二日説、 二日から三日説の 三つがあらわれた、と。 |
ええっ! |
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え。 |
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── | 「元日から二日説は、 大晦日から元日にかけては 眠らないという風習ができたため」。 そうか。除夜の鐘聞いたり、 お参りに行ったりするんで この日だけは宵っぱりなんですね。 いろいろ説があるけど、 「おおもとを言うと、 あんまり関係なく 節分から立春の間の夜だったら 初夢と言う」と‥‥(笑)。 |
おおらかでいいですね。 |
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── | これぐらいおおらかに行きましょう。 いい夢、これが初夢! みたいに。 |
自分で決めた方がいいですね。 |
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ですね。 あんまりよくない夢見たらリセット。 |
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── | これ違う! |
初じゃない! と。 |
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そうしましょう。 みなさま、よいお年を! |
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よい初夢をごらんください。 |
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── | ありがとうございました。 次回は「芹乃栄(せり すなわち さかう)」。 1月5日にお会いしましょう。 |
2012-12-31-MON |