── | ああー! もうちょうちょが! |
全般的に春っぽい四文字ですよね。 |
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うらやましいですね、ホカホカ。 まだお花見は‥‥早いかな。 |
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── | お花見にはまだ寒いですね。 |
旬の食材は、またいろいろありますね。 |
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── | 「浅蜊」! |
また貝だ。 |
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── | 前に話しましたが、 「深川めし」の浅蜊ですね。 「江戸時代、深川の魚河岸沿いの 屋台で、時間を惜しむ 漁師たちのために」と。 |
ぶっかけ飯ですね。 |
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── | あずま女さんはそういう言い方が とっても江戸っ子ぽいですよね。 あ! 「当時は、煮汁をご飯にかけただけの ものであったという」。 身はどうしたんだろう。 |
佃煮などに されたんではないでしょうか。 |
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── | ああー、そうかもしれませんね。 深川めしって、 『鬼平犯科帳』的なものに よく出てきますよね。 |
はい(笑)。 |
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── | 食べに行ったことありますよ。 深川までわざわざ。 |
どうでした? |
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── | おいしかったです、やっぱり。 |
ぼくも去年、深川で食べたなあ。 美術館の手前かなんかに‥‥。 |
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── | ああ、都現美ですね。 |
深川めしの巨大なPOPみたいなのが、 普通にあるんですよね。 「深川めしストリート」と言っても いいくらいお店がありますよね。 |
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── | 楽しいですね。 ひじょうに簡潔なものですけど、 出汁がきいて、うまいです。 |
なんとなく、食べると ちょんまげ気分になれるんですよね。 |
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一同 | わはははは。 |
── | 最近の浅蜊はちゃんと砂出しをして売っているので、 拍子抜けなくらい、全然砂をはかないですね。 |
浅蜊って「漁る」からきてるんですね。 |
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漁る、砂を漁る。 |
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── | なるほど! 昨今は潮干狩りも蒔いてますしね。 |
そうそうそう。 「浅蜊ロンダリング」なんて ことばがありましたよね(笑)。 |
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── | そして「芹」です。 スーパーでも見かける時期になりましたね。 おいしいですよね、芹も。 |
これも水のきれいなところのものですね。 鴨鍋によく合います。 |
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ああ、確かに、確かに。 おいしいですよね。 シャキシャキッとね。 |
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ただ、不思議なのは、 なんで鴨と芹という組み合わせに 至ったんだろうって。 |
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確かにそうですね。 食感ですかね。 |
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苦みですかね。 |
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苦み、うーん。 |
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── | 合うといえば、春の香りの強い和野菜は パスタ全体に合います。 ハーブだと思って使えば、 ペペロンチーノ系に本当によく合います。 |
なるほど! |
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── | これご存じでした? 「『芹摘む』という言葉には 『思いが通じない、物事が叶わない』 という意味がある」 |
なんでだろう。 |
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── | 「身分違いの恋をした 庭掃除の男が、后のために芹を摘んで贈るが なんの返事もなく、ついに男は 焦がれ死にしてしまったという」 |
チャタレイ夫人も確か庭師ですよね。 |
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── | やっぱり庭師はすぐ近くまで来られるから 恋に落ちる確率も高いのかも。 |
そのわりに、こどものなりたい職業で 庭師ってあんまり聞かないですね。 庭師はモテるんじゃないですか。 |
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── | いまどきは、きっと、庭師、モテますね。 「ガーデナー」なんていったらかっこいいですよ。 という流れで旬の花は「ヒヤシンス」。 ヒヤシンスってあの水栽培する。 |
そうですね。 |
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小学校の時やりましたよね。 |
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しかも、ヒヤシンス用の容器があって。 |
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── | そう。あれが懐かしくて! |
コップにセットするものがありましたね。 |
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── | ツボ状のものでツメがついていて、 そこに入れるみたいな感じですよね。 |
そうそうそう。 |
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── | ヒヤシンスはBLですよ。 ギリシャのボーイズラブ。 |
あ、美少年。 |
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── | 「太陽神アポロンに愛された 美少年ヒアキントスは、 これをねたんだ西風の神によって殺されるが、 そのとき流れた血から咲きでたのがヒヤシンス」だと! |
んまあ! 男同士の。 |
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── | なんと、愛と妬みから。 |
バイオレンス~、アンド、ロマンス~~。 |
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やっぱり春のものは こういうのが多いんですかね(笑)。 |
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── | 春はちょっとエキサイトして、 そういうちょっとドロドロした感じが ございますね、このお花には。 |
確かに確かに。 |
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── | そんな中、日本では 「ぼた餅」でございます。 |
のどかですね(笑)。 |
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── | 春は牡丹、秋は萩。 |
春のお彼岸ね! 思いだした。 ちっさい頃、いとこの‥‥確か 小学校行ってるか行ってないかくらいの 子と墓参りした時に、 その子がよそのお墓にお供えしていた ぼた餅を突然食べ出して、 びっくりしたんですよ(笑)。 |
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── | いきなり? |
ええ。しょうもない思い出ですけど。 |
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よそのお墓にあったやつを? |
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あったやつを(笑)。 |
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おおーー(笑)。昭和な感じ。 |
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そういうの、自分が発想しなかったんで びっくりしたんですよね、あの時。 |
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── | いまだにびっくりですよ、見たら。 よそのお墓のぼた餅食ってたら。 彼の中では、わりと友だち同士でやるような、 普通のことだったんでしょうね。 |
いまやそういう光景っていうか、 お萩を供えているお墓を見ないですね。 |
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ないですね。 |
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── | 生ものはもしかしたら、 ちょっと供えて持って帰ったり しちゃうのかもしれないですよ。 |
そうですよね。 |
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お墓が動物やなんやらが来たら困るから 禁止とかにしてるんですかね。 |
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最近は花と線香以外見ません。 たまにカップ酒が 置いてありますけど(笑)。 |
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── | 自分がホームレスになったら 墓場をウロウロすることにすれば、 食っていけるかな。 や、もう平成の世ではムリですかね。 昭和のホームレスはそれで食ってたかも しれないですけどね。 |
ぼた餅って東西ありますかね。 作り方とか。 やっぱりうるち米ですか? |
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── | で、半殺しにして。 虎屋さんの工房では 餅米九に一割をうるち米にして やってらっしゃるそうですよ。 |
やっぱり家庭のお萩より 餅米度高いですね。 |
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── | Wikipediaにおもしろいことが いろいろ載ってますよ。 「大きく作った牡丹餅を赤子に踏ませ、 成長を祈る風習がある」。 |
すごいです。 |
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── | 「子どもが生まれて3日目に、 母親の乳が出るように 『みつめのぼたもち』と呼ばれる 大きなぼたもちを食べさせる地域がある」 |
あー、やっぱり昔の栄養事情がね。 |
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── | 「戦国時代の武将立花宗茂の正妻である 立花?千代は、彼女の墓石の形状から 現在では「ぼたもち様」とも呼ばれている」 |
「ぼたもち様」! |
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── | 当時好きだったわけでもないのにね。 実家がお萩を作るんですが どんなあんばいだったかを 忘れてしまいました。糯米十割かなあ。 |
やっぱり通年では出さないんですか。 |
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── | 季節ものでしょうね。 きな粉のお萩があるじゃないですか。 あれ、味はおいしいんですけど 時間が経っちゃうとこう、 じっとりと茶色いものに なってしまうのがイヤでした。 |
しみちゃうのね。 |
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── | やっぱりあんこの方がおいしい。 |
あと、すり胡麻ありましたよね。 |
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── | すり胡麻は、日蓮宗の風習だそうです。 日蓮は鎌倉の刑場にひきたてられた時に 急を聞いた尼さんが最後のご供養にって お萩を作ろうとしたんだけど あんこを作る時間がなくて しょうがないからきな粉と胡麻を まぶしてぼた餅を作り献上した、と。 |
はあー! |
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── | それが理由かどうかわかりませんが 日蓮が難を逃れて 佐渡に流刑となるわけです。 「この故事にちなみ、 陰暦九月十二日、日蓮宗では 『御難の餅』という胡麻のぼた餅を 作って供える」と。 |
はあー。 |
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── | 「また『難除けぼたもち』 『首つなぎぼたもち』などと 呼ばれている。 |
縁起がいいんだ。 |
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── | はい。 といういわれがあると。 しょうがなく、代替だったんですね。 胡麻ときな粉はね。 あんこ煮るのに 時間がかかるものね。 |
ぼた餅深い! なんか。 |
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── | 庶民的なお菓子なんですけどね。 そうそう、この間、あんこのコンテンツをやった時に みんなで用意したお萩が「仙太郎」というところで ご飯の中に紫蘇が刻み込まれていました。 だからすごく爽やかなんです。 |
現代風ですね。 |
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── | うん、ほんとに。 ということで次回は「雀始巣 (すずめ はじめて すくう)」。 3月20日にお会いしましょう。 |
2013-03-15-FRI |